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良い開発チーム / 悪い開発チーム 〜「INSPIRED 熱狂させる製品を生み出すプロダクトマネジメント」より

今回はこの本の書評です。

 この本は昨年のプロダクトマネージャーカンファレンスで出会った本でちゃっかり著者マーティさんのサインもゲットしました。

 この本は第2版ということで、第1版から大幅にバージョンアップをしたようで全5章から成り立ってます。

 感想としては350ページ超とボリュームが多いものの、サクサクと読めるものでした。おそらく対象としては初心者プロダクトマネージャのためというよりは日頃プロジェクトマネジメントを行っている現役向けといった印象です。

 ただ、序盤から求めているレベルが高すぎてなかなか心が折れます(笑)

これができないとプロダクトマネージャを名乗るなというくらいボコボコにされます。

「ここまでできる人ってどんだけいるんだろ・・・」というのが正直なところです。

 内容としてはプロダクトマネージャの仕事から、その周辺の役割についての解説、そして開発フローやプロセス、仮説検証のテクニックについて著者の主張を思うがままに書いています。

 ある意味"バイブル"という表現が適しているかもしれません。そのくらい著者の意思が込められています。

 一方で少し物足りないのはプラクティスやテクニックの名前や使うタイミングの紹介はあるものの、各プラクティスの中身についてはほぼノータッチ。ということもあり、初心者には「今じゃダメなのはわかった。ごめんなさい。で、どうすれば良いの?」となりがちなのかなと感じました。

 そんなこの書籍の中で印象的だったのが「良い開発チーム/悪い開発チーム」の話です(P.342~344)。

 1. 良い開発チームは人を魅了する製品ビジョンを持っていて、伝道師のような情熱でそれを追求する。悪い開発チームは傭兵である
2. 良い開発チームがひらめきや製品のアイデアを得るのは、自分たちのビジョンや目標からであり、顧客が苦労している様子を見ることや、自分たちの製品を使うことで顧客が生み出すデータを分析すること、実際の問題を解決するために常に新しいテクノロジーを適用しようとすることからである。悪い開発チームは販売部門や顧客から要望を求める

など17個の対比が載せられています。

 これらの教訓は我々のチームにおいても見つめ直したいものです。

というわけで、今のチームの状況、自身の状況に慢心しないために時折見直すと良さそうな書籍でした。

興味がある方は是非!


主にPjM、PO、セールスエンジニア、AWS ソリューションアーキテクトなどを務める。「映像業界の働き方を変える」をモットーにエンジニア組織を超えたスクラムの導入、実践に奔走。DevLOVEなど各種コミュニティーにおいてチームビルディングやワークショップのファシリテーションを行う