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渦中のロシア滞在日記 第4号(2022年11月11日~11月17日)

こんばんは。渦中のロシア滞在日記第4号です。今回は2022年11月11日㈮~11月17日㈭までです。

日記には、特別軍事作戦の渦中のロシアで、自身が感じたこと、考えたことを、とりとめもなく書くことが可能な範囲で書いていきます。情勢に関連したことも、それ以外のことも書いていきます。きっと、この何気ない日常の記憶・記録が、後々役立つと思うからです。

この期間は、ちょっと色々ありましたね…。

11月11日㈮

この日は、ウクライナで戦っていた日本人義勇兵が亡くなったという情報が、確実であるという報道が入って来た日でした。

この報道は自身にとっても衝撃的でした。祖国や他国のために命をかけて戦うことができるかと問われると、自身は回答に窮します。立場や考えに違いはあれど、日本人がこのような形で亡くなるのは悲しいことに変わりはありません。
ただ、この件については、特に話題に上ることなく、いつも通りの1日が過ぎていきました。

11月12日㈯

この日は、ヘルソンがロシアから再びウクライナの手中に渡った日。といってもこちらの様子はいつもと変わらず。普通の土曜日でした。
この日は通常通り午後から会話クラブ初心者コースを実施しました。今回からの新しい参加者も増え、みんなでワイワイ会話をすることができました。

「日本に行きたい」「日本語学校に留学してみたい」という学生は、日本語専攻以外でも一定数はいるようです。(著作権のことを考えると大変よろしくないのですが、)インターネット上に日本語の教科書のPDFはあふれかえっているため、それを使って自習している人もいますね。

11月13日㈰

この日は雪も積もった。写真はソビエト広場を反対側からとったもの。レーニン像には「V」ポスターが掲げられている。

この日は日中の気温も-10度を下回り、なかなか寒い日でした。よってあまり外には出ず家でゆっくり過ごしました。
夜にたまたまチャンネルを回していると、インドのドラマを発見。ロシアでは外国のドラマを吹き替えで放送していることが多く、経済制裁が課されている現在でも、アメリカをはじめとした西側諸国のドラマも放送されています。ただ、西側諸国のドラマは、2~4年前にロシアに滞在していた時に比べると、やや減った印象です。

たまたま放送していたインドのドラマ

また、この日は寮のお湯が止まるというトラブルが発生。地下の共用シャワー以外でお湯が出なくなりました。このような状況なので、制裁で部品が手に入らず、熱湯製造工場のタービンが壊れたのか…と嫌な想像をしてしまいましたが、寮の配管設備が不具合を起こしていただけのようです。翌日朝には完全に復旧しました。

11月14日㈪

この日は夕方まではいつも通りの平穏な日でした。ただ、夕方からは緊張が走りました…。
夕方4時過ぎ頃、来週分の授業準備を進めていたところで、突然知らない番号から着信が。なんと移民局の警察官からの電話で、「明日14時30分にこちらに来るように」とのこと。理由を聞くと、「書類についていくつか質問がある」とのこと。非友好国の人間であり、日本人義勇兵が戦死してからそう日も経過していない中であったため、情勢関連で呼び出され、強制帰国になるのかな…と怯えてしまいました。
また、こういった移民局からの指示や連絡は、基本的には職場の国際部を通じて入るのが普通なので、直接自分の電話にかかってきたことも、不安に拍車をかけました。
結局この日は、夕方からの記憶がほぼありません。夜は不安すぎてかえって早く寝れたんですけど💦

11月15日(火)

この日は移民局に呼び出された時間がちょうど授業時間と被っていたため、授業をキャンセルして移民局へ。(ただ、諸事情により指定時間より1時間遅刻…)
移民局では、担当の警察官から仕事や近況について質問を受けました。同行してくださった国際部の担当者に助けてもらいながら、すべてロシア語でやり取り。結局、「あなたに問題はない。これからも頑張って。」とのことで、質疑応答は終了しました。担当の警察官もそこそこフレンドリーな態度だったため、少し拍子抜けしました。ロシア語が難しく全ては理解できませんでしたが、一部の外国人を対象に、国内での不正や犯罪防止のためにこういった調査をしているそうです。ただ、特に非友好国民だから調査対象になったというわけではなく、自身の次の順番の人は中国人でした。
このような情勢であるため、移民局に直接呼び出されると焦りますが、通常時と変わらない制度運用のようです。

想定よりも早く移民局から大学に戻れたため、夕方からの会話クラブ中級者以上コースは予定通り行い、夜は学生に招待された大学の90周年記念コンサートを鑑賞しました。コンサートではアニソンやK-POP、ロシアやブリヤートの伝統舞踊など、多種多様な演目がありました。ただ、日本のアニソンや韓国のK-POPが問題なく演目に入っていたことは、嬉しかったです。大学の中で、「日本がロシアの非友好国である」と改めて感じるような出来事は、今のところありません。

コンサートで披露されたブリヤート舞踊

11月16日(水)

この日は土曜日以来の落ち着いた日でした。会話の授業を行った以外は、授業準備に多く時間を割きました。
また、この日の夜から、突然TwitterがVPNなしで接続できるようになりました。FacebookやInstagramは相変わらずVPNなしでは使えないのですが…。
ただ、ロシアの他の地域の方に話を聞くとやはりTwitterもVPNなしでは使えないようなので、謎です。

11月17日(木)

今日はも昨日(16日)同様、落ち着いた1日でした。
この日はプライベートレッスンで卒業生と日本の外遊びについて話したのですが、日本の各種鬼ごっこは、ロシアにも同じような遊びが存在するようです。今日話した中では、唯一「缶蹴り」だけはロシアに無いようでしたね。

最近はテレビでニュースを見たり、ドラマを見たりしていますが、基本的には4~2年前に赴任していた時と変わらない内容の番組が放送されています。1チャンネルや国営チャンネルは情勢に関連した内容も多いですが。また、1チャンネルの情勢についての討論番組には、ほぼ毎回アメリカ人ジャーナリスト(Michael Bohm - Wikipedia)が出演しているのは、少し意外で驚きました。

おわりに

この期間は、「移民局に行く」というこの情勢下ではなかなか緊張するイベントが発生し、焦ってしまいました。ただ、今後の滞在に影響が出ることはなさそうなので、良かったです。また、日本や日本語に興味を持ってくれている人との出会いも新たに会った期間でした。こういった新しい出会いや縁を大切に、次の期間も頑張っていきたいです。

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