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保護者からの下校方法の連絡をGoogleフォームで受け付け、スプレッドシートで全校で一元管理する運用を1年間やってみたらアリだった話。


まずは結論から

小学校において、保護者から下校方法の連絡をGoogeフォームで受け取り、スプレッドシートで一元管理して、職員全体で共有する運用を1年間行ったらアリだった、という話です。


小学校の集団下校指導の困難さ

私が勤める学校では、子どもたちが日々安全に帰宅できるよう、1〜3年生において、集団下校を行っています。しかし、これが思った以上に困難であることを実感しています。

まず、子どもたち一人ひとりが持つ帰宅方法が異なるいうことが大きな要因です。自宅に直接帰る子どもたちもいれば、学童に向かう子どもたちもいます。この違いが、下校指導を複雑にしてしまい、細心の注意を必要とします。

保護者は下校方法の変更を連絡帳や職員室への電話で行います。毎朝の連絡帳を確認し、「承知しました」とフィードバックを返す必要があります。 中には、連絡帳を朝のうちに提出しない子もいるでしょう。 先生による声掛けはとても必要になります。また 職員室で電話を受けた先生は、クラス担任に伝えなければなりません。 どちらも煩雑な仕事と言えるでしょう。


そして、下級生に多いことですが、自分がどこに向かうべきかを完全に理解していない場合があります。それぞれの子どもの帰り方を確認するのは、基本的にはその子が所属する学年の先生の役割です。


しかし、出張や年休などで担任の先生が下校時に不在の場合、他の先生が代理としてその役割を果たすこともあります。このような状況では、下校方法の変更情報をうまく引き継いでいない先生が指導を行うこともあり、ミスにつながることになってしまいます。

安全管理に「ミスは許されない」

何より学校で重要なは、安全管理上、「ミスは許されない」という事実です。子どもたちの安全を守るためには、きちんとした情報をもとにした下校指導が必要不可欠で、これは私たち教職員の大切な責任の一つになります。


これらの課題を解決し、より効率的に下校指導を行うために、勤務校においては今年度の5月から「下校方法連絡フォーム」を運用してみました。

この一年間の運用経験が、全国の小学校の参考になれば大変うれしいと思います。この取り組みは、子どもたちの安全確保と教職員の業務効率化を両立させる一例となり得るのではないかと思い、紹介します。

フォーム運用のきっかけ

下校方法の変更連絡をフォームで行うきっかけは、登校班担当の先生の一言、「毎日やっている欠席フォームみたいに学校全体で一元管理できたらいいのにね」という発言から始まりました。


以前このノートの記事でお伝えした通り、 私の勤務校では、Googleフォームを使って毎日の欠席や早退、遅刻等の連絡を、保護者のスマホやパソコンなどから入力してもらうシステムを運用していました。

やっぱりクラウドベースですよね

導入から丸一年が経ち、職員の中にもこの欠席連絡システムがとても便利だと言うメリットを感じていたため、このような発言になったのだと思います。 クラウドベースの情報共有にずいぶん慣れた職場となってきたのかもしれません。 校務DXを推進してきた自分にとってはとても嬉しいことです。

実際のフォーム入力用画面

実際のフォームはこのような形です。ほとんど欠席フォームと形は似ています。

日付入力は、デフォルトのカレンダー入力画面よりも入力ストレスのないプルダウン式に変更してあります。


GASの日付トリガーで当日の日付を取得して、そこから7日間を選択できるようにしてあります。詳細スクリプトは過去の記事で詳しく紹介していますのでそちらをお読みください。

また引用元の安藤先生のYouTubeをご覧ください。めっちゃGASの勉強になりますよ。

下校連絡フォーム運用の具体

運用の約束として、保護者は朝8時15分までに入力すると言う約束にしています。前日にも入力ができるように対応されています。日中変更の場合には電話で学校に連絡をします。

電話を受けた先生は責任を持ってこのフォームに入力します。大体事務の先生や管理職の先生が受けてくれます。担任の先生は連絡帳で連絡を受けた場合には教室で同様にフォームに入力をします。

ポイントは全教員が同じ情報を見れる状態にしておくということが大事になります。この共通理解がおろそかになると組織としての運用がうまくいかなくなります。集団下校を行うのは1〜3年生ですが、この下校フォーム自体は全学年の児童の 保護者から連絡を受け付けています。そうすることで、すべてのクラスで下校方法の変更があった時、一括で集約・管理・共有ができると言うことです。


 帰りの会のタイミングで、クラスの先生や下校の担当者はこのスプレッドシートを見ます。日中に集まった情報も一緒に見確認する必要がありますから、細かく確認します。

私のクラスでは、「今日の下校の確認」という項目が帰りの会のメニューに入っています。日直が「先生、タブレットで下校方法の連絡の確認をしてください」という言葉も入れてあります。これをすることでと、先生だけでなく、子ども自身も「今日はどこに帰るのか」を確認して共有できます。


下校連絡フォーム導入によるメリット

このようなシステムを運用することで、誤った下校方法の連絡がなくなりました。また、保護者からの連絡が一元化されることで、情報が落ちることもなくなり、その結果、子どもたちの安全確保に大きく貢献することができました。

ちなみに、このスプレッドシートは、Googleサイトで作成した職員専用のポータルサイトの1ページに埋め込み表示してあります。以前紹介した欠席フォームの集約したデータも同様に閲覧することができます。

さらに、この新しいシステムは、教職員間での情報共有を効率化しました。連絡帳や電話での情報伝達に比べて、情報がリアルタイムで共有されるため、細かな変更もすぐに全員が把握できます。これは、子どもたちが安全に下校するための重要な要素です。

また、教職員が一つ一つの連絡を確認する手間が大幅に減ったことで、他の重要な業務に集中できるようになりました。これは全体の業務効率の向上に寄与しました。

おわりに

この学校全体での取り組みが、他の学校でも参考にされ、子どもたちの安全確保と教職員の業務効率の向上に役立つことを願っています。

下校方法の変更連絡をデジタル化することで、我々は子どもたちの安全を守りつつ、教職員の負担を減らすことができました。この経験が、今後の教育現場でのICT活用の一助となれば幸いです。

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