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第14回 知らないことの幸せ

 今でいうヤングケアラー?

 ヤングケアラーっていうのは、元々大人が担う業務を日常的に行なっている子供のことらしい。病気を抱えた家族を支える若い世代の子供。

 前途でも、書いたように母親は、お酒が大好きだった。わざわざ英文科の大学を卒業し、教師になれたのに、資格取得のためにお金を惜しんで、社長秘書として、働き始めた。仕事も忙しく、精神的にも落ち込むことなどもあったらしい。
(全部、病院の問診で聞いて知ったことだけど)
 診断結果は、俗にいうアルコール依存症だった。精神的な疾患ていうのは、いろんなタイミングで訪れる。仕事がうまく行かないとか、家庭の問題とか、誰しもどこかに、逃避をできる場所を探す。
 誰かが言っていた。自立するって言うのは、いろんな依存先を作ること。
 それが、友達だけ、パートナーだけ、お酒だけ、ギャンブルだけなんていう、ひとつのことだけじゃない、いろんな方面に依存先をつくることが、自分の逃げる居場所をたくさん作って、精神的な安定を図ろうとする。なんだかんだ、皆も自然にやっていることなんだと思う。
 自立の鉄則らしい。
 それが、一つのところに依存すると、もちろん人間は依存症になる。それが、人だろうが、薬物だろうが、関係なく。
 依存症っていうのは、自身でも自覚がなく、病識も薄いらしい。
 今でも薬物じゃなくても、SNSとか、整形とか、ギャンブルとかきっといろんな依存症はあると思うんだけど。
(思い出のエピソードは時間ができた時に書いてみようかな)

 中学生の頃から、薄々雰囲気は感じていたお酒付きな彼女から、高校生になったら何かに依存する女に変わってしまった。
 その背景には、いろいろな心労もあったんだと思う。大人になってから考えればわかるけど、子供の自分は、自分の不遇な家庭環境に不満を持つことしか出来なかった。
 全く、知識のない自分は、負担をかけないように、じぶんが支えることで、上手く行くんだろうなんて思ってた。

 知らないことの幸せはあるけど、無知が時々自分を苦しめる。
 そんなこんなで自分もだんだんと大人になっていった。

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