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 第13回 家族のお世話、余計なお世話

変わるがわる、家族

 まぁ、なんとなく過ごしていた高校生活。毎日の授業、変わらない部活動、遅くまでアルバイト、別に変わりない毎日だった。
 そんなところから、少しずつ、歯車が狂い始める。
そう、母親だ。まぁ、少しずつ話していたかもしれないけれど、見た目とは異なって、人間とは意外に弱いものだと知ったことだった。

 そうだね。
 自分の母親は、どうだろう話に聞く限りはキテレツな人で、とても面白い人だったと思う。
 もちろん、浮気をした父親と出会うまでも色々な人生経験をしていた人間だった。元々は普通の家庭に育った人、厳格な父親のもとで育ち、当時、女の人の進学は許されなかったらしい。まぁ、多分祖父(彼女の父親)限定なのかもしれないけれど。そんな中で育った彼女は、非行に走りながらも、自分で学費を稼いで、進学し、はたまた、レディースの総長になり、夜は走り回っていた。
 でも、きっとそれは自分を守る鎧の様なものだったんじゃないのかな。
 本当の自分を守るためには、誰も彼もが、自分なりの鎧を被るような気がする。
 非行なり、現実逃避なり、自分なりの鎧を。


 物心ついた頃から、母親がお酒が好きだったのを覚えている。

 大人になってから、ようやく理解できる。人はそんなに強くはないってこと。

そういうこと。

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