【百科詩典】にちじょう【日常】

我々の日常とて、けっして自明のものではない。
日常をおくる当事者にとっては、あまりにも自明であるかのように感じてしまって、この日常が「これが日常だと信じる人たちによってかろうじて成り立っている」ことに、無関心になってしまう。
しかし、その日常には数多くの陥穽が口を開けている。
また、その日常はいくつもの異なる日常との合作なのである。
異なる日常を排除しようとすれば、自らの依って立つところがあやうくなるのだ。

〜釈徹宗「平成期の宗教問題」