スライド5

マーケティング論

マーケティングとは

 マーケティングという言葉をとても簡単に説明するならば「売れる仕組み作り」と言うことができるだろう。しかし、ではどういう仕組みを作れば商品は売れるのか、というのが、とても難しい議論であるため、マーケティングという言葉の意味も広がりを持つことになる。
 狭義の意味としては市場調査のことを指すこともあれば、「企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動」と難しい言葉で定義されることもある。
 また、セリング(商品中心の売り方)の対義語としてのマーケティングは、「顧客中心の売り方」を指す。
 「売れる仕組み作り」という方法を指す言葉から転じて、「売れる仕組み作りを考えるにあたって、どのようなことを重要視すべきなのか」という概念としての意味合いで使われることも多い。その意味合いからは、マーケティングとは「お客様のことを考えること」であると言い換えることもできる。真にお客様のことを考えるならば、何が欲しいかを調査し、それを提供できる方法を考え、その商品を作り、この価値を永続的に提供できるような価格設定にし、どのような手段で手元に届けるかを考え、それらを実行することになるだろうが、このすべての段階がマーケティングという言葉には含まれるのである。
 このように、マーケティングを学ぶにあたっては、利益を上げるという合理的論理的な発想と、「相手のことを思いやる気持ち」という精神論的な発想が、切っても切れない関係にあることを知ることがスタートとなるだろう。

 この章では、マーケティング的な考え方を事例を挙げて説明するとともに、実際にどのような手順でマーケティングが行われているのかを説明することにする。


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