最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
　本書では、10種類のマジックの解説をお届けしましたが、いかがだったでしょうか？
　いずれも、テクニックをほとんど使わずに不思議な現象を演じることができる、優れた作品ばかりです。

　初心者向けのマジックの前に、『超』初心者向けのマジックが必要だと思うようになったのは、長年マジック教室を運営してきた経験からのことです。
　私もはじめは、初歩的なテクニックを『初心者向け』だと思って一般の方にレクチャーしてきました。
　しかし、我々マジシャンが『簡単』だと思っているテクニックが、じつは一般の方にとってはとても難しいということに気がつきました。
　本当に基礎的で初歩的な『初心者のテクニック』だったとしても、それを習得するには、長い時間がかかってしまうのです。

　そんな長い時間をかけるよりも前に、まずマジックを演じてみてほしい。マジックの不思議さ、マジックを演じる楽しさを知ってほしい。
　そんな思いから『超』初心者向けの本書の制作を手掛けました。

　ただ、テクニックを使わないとはいえ、練習は必要です。
　手順やセリフがよどみなく演じられるように頑張ってください。
　練習すればするほど、自分の成長していく過程がお分かりになると思います。
　10作品すべてを憶える必要はありません。
　お気に入りのマジックがひとつかふたつあれば充分です。

　本書から、マジックを演じる楽しさが広がって行くことを願っています。

2022年2月7日　上口龍生

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