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偏差値の誤解と面白さ(偏差値-266)

こんばんは

Welfieの冨田です

コロナの影響が多方面に出ているものの、私立大学・国公立入試の前期・中期はなんとか無事終了したようですね。後期もどうにか無事終えられることを願っています。

さて、今回はそんな「入試」を含む多くの試験に用いられる偏差値について、ちょっと面白い気付きがありましたのでシェアさせてもらいます!

統計学的には当たり前。だけど皆さんの一般的な感覚とはちょっと外れたお話です。

偏差値とは

偏差値。私自身も中学入試、つまりは小学4年生の頃から付き合ってきたこの単語ですが、そもそもの定義はというとWikipediaいわく

ある数値がサンプルの中でどれくらいの位置にいるかを表した無次元数。平均値が50、標準偏差が10となるように標本変数を規格化したものである。

要は、平均値と標準偏差を固定して考えたときに、母集団の中で自分がどこにいるのかを表す相対的な指標ということになります。母集団が正規分布に従うことが前提になっているんですね。

皆さんの感覚では、点数が高ければ高いほど偏差値も高くなる。そんなイメージでしょうか。

求め方の説明はこちら(すぐる学習会 偏差値の求め方)にお願いするとして、今回はこの計算式で計算するとそのイメージを覆すような結果が実は得られる!ということをお伝えします。

(なお、冒頭でもお伝えした通り、計算的には当たり前のことを言うだけです)

100点満点のテストで99点でも偏差値マイナス266!?

さて、すでにお伝えした通り、偏差値というのは正規分布が前提の母集団における自分の立ち位置を示すものです。しかし、すべてのテストが正規分布に従うとは限りません。

一例ですが、めちゃくちゃ簡単なテストを1000人に受けてもらい、999人が満点、1人が99点だったとします。99点だったこの人の偏差値は一体幾つになるのでしょうか・・・・?

実は偏差値がマイナス266になります。

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偏差値がマイナスになることすら、普通のテストではまず見かけませんので、それが100点満点のテストで99点を取っていても起こるだけでも衝撃ですが、さらにその値が-266というのにも衝撃です。

一方で満点をとった999人の方々は満点にもかかわらず偏差値は50.3ということになりました。

じゃ、じゃあこの99点の人が1点だったら偏差値マイナス1000とか行くんじゃ・・・と思ったあなた。次の章でお話しします。

実は99点が1点になっても偏差値は変わらない

そうなんです、実は99点のこの人が1点だったとしても偏差値はマイナス266のままなんです。以下にその証拠を示します。

スクリーンショット 2020-03-08 20.31.45

なんと。。。。100点の方々の偏差値も全く同じです。なぜこんなことが・・・

注目していただきたいのは標準偏差の値です。
99点の場合は100点の方々との点数の差は1点でしたが、分布のばらつきを示す標準偏差も非常に小さい値になっています。
偏差値は50+10((自分の点数-平均点)/標準偏差)で求めるので、標準偏差が小さければ小さいほど偏差値は高くなったり低くなったりするのです。

一方で1点の場合は、自分の点数と平均点の差が大きいため、標準偏差は3と99点の場合の100倍もありますが、-266と随分外れた値になってしまったのです。

つまり、テストの形式を変えずにこの人の偏差値をさらに下げるためには点数を下げるのではなく、満点の人数を999から増やすことが重要になるのです。

もし、この1点の人が100点、100点の方々を1点にしてしまえばもちろん100点の人の偏差値は非常に大きな値になります。それはまたしても自分の点数と平均点の差が大きくなるからなのです。

偏差値だけ見ていてもわからないこともある

もちろん実際の試験では、こんな極端な母集団になることはありません。

ですが、果たして偏差値だけ見ていていいのでしょうか。

子供が偏差値マイナス266の成績表を抱えて帰ってきたら、確実に親は卒倒してしまうでしょうが、もしかしたら1問、本当に些細な勘違いやミスをしただけの99点なのかもしれません。(もちろん1点かもしれませんが。。)

偏差値は母集団が正規分布に近ければ自分の立ち位置を知る上で非常に有効な計算方法です。

ですがそれを鵜呑みにするのではなく、あくまで参考数値の一つとして考えるくらいがいいのかもしれません。

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