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スザニの刺し方 裏面から推測する刺し順

何色もの色糸で刺繍するスザニ。
19世紀くらいのスザニのお話です。裏面が意外にきれい。
過去回で、面をボスマ(ブハラ・コーチング・ステッチ)で埋めてから輪郭をユルマ(チェーン・スケッチ)で縁取る例をご紹介しました。
今回は、色面を刺していく場合の順序を見てみます。

スザニの部分(表) 広島県立美術館蔵

上の文様はツボミかアーモンドの身か判然としませんが、水色と青色交互に埋めた面をオレンジ色で縁取っています。縁取りの内部を先に埋めたと推測するのですが、水色と青色のどちらから刺したのでしょう?
では、裏側を。

スザニの部分(裏) 広島県立美術館蔵

即解決です。
青色を刺してから、水色を刺しましたね。青色の上に水色の糸が渡っています。

もう一つ、見てみましょう。

スザニの部分(表) 広島県立美術館蔵
スザニの部分(裏) 広島県立美術館蔵

こちらはどうでしょう?
中心から外側に向かって刺したと推測しているのですが…。最後は6枚の花弁の間をつなぐ白っぽいユルマのようですね。短いユルマをひとつずつ糸始末せずに、繋げて刺しています。
裏側に長い糸があると、指に引っかかったりしますから、マネする時は長すぎないようになさってください。

さて、今回のゲストはこちらのお二人でした。

ではまた!