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『Allegro (Act 2)』について (Hiroko's Monthly Tune Project #8)

何らかの楽曲を月イチで発表する私のプロジェクト、Hiroko's Monthly Tune Project ( HMTP )#8、2020年6月の曲『Allegro (Act 2)』について。

下のリンク先からダウンロード、各種サブスクリプション利用可能です。

noteのこちらの過去記事からも購入できます。

3月に公開した『惑星』と同じく、2009年『われよぶ声す耳すませ』という自主制作CD-Rに収録していました。(追記:今回ピアノの弾き語りで再録、かつての音源よりアップテンポにしたので疾走感は出てると思います。でもライブではいつもこれぐらいの速さかな。)私なりの「人間讃歌」で、ライヴではずっとスタメンの曲。元気が出ると言ってもらえることが多く嬉しい。
ずっと繰り返している左手の(ピンクレディーのUFOみたいな)リフについて、昔、大好きな石橋英子さんに「律儀で偉いなぁ〜と思う」とコメントしていただいて、(それが褒めていただいたとしても、そうでなくても、笑)嬉しくて心に残っていたりします。
あと、ウォーキングベースっぽくなるところがあるせいか「ジャジーですね」と言われたりもするけど、私としてはこの曲は基本はクラシカルに寄ったかなと思います。なのでその延長線上で、ロックナンバーだよな、というイメージを抱いています。畠山健嗣(Gt)、溝渕匠良(Ba)、山本淳平(Dr)とのバンド編成『アラカキヒロコ with Freak Out』のこんなアレンジでやったことも。

Allegro (Act 2)について2010年に、Sony Music Publishingで私のプロモ用音源をリミックスしてもらったときに書いたと思われる曲解説がこちら。

心の中にずっといた、神経質で頑固で辛辣でとても繊細な寂しがり屋のそれにアレグロという名前を付けた。息をするのもやましいアレグロのこわばった心が痛々しくって、そろそろ和解しようと対話を持ちかけた。
「君を愛せたら私はどんなに幸せだろう」という言葉を差し出して数ヶ月後、気付いたらアレグロとはすっかり折り合いがついていて、友人の結婚式に歌われることになった頃には歌詞も新しくなって、それまでとは違う表情の曲になっていた。
da robur, fer auxilium. これは、私とアレグロに。もしくは、誰かと誰かのアレグロに向けた言葉。
3拍目にアクセントがあるアレンジは、pecoさん(石川淳平)とセッションした時にもらったアイデアです。

最初の歌詞からパワーアップした2バージョン目なので「Act2」で。
da robur(与えよ 力を) fer auxilium(もたらせたまえ 救いを)というのは『O Salutaris hostia』という聖歌の一節からの引用です。

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あんまり詳しく解説しすぎた解説をするのもどうかなと思いつつ今こうしてベラベラ喋っていますが、歌詞の『夜間飛行』は、サン・テグジュペリの同名の小説からきています。私自身は、歌いながらその辺にさしかかるとよくその話を読みながら浮かんだ映像を連想したりします。

『Allegro (Act 2)』が陽だとすると、陰にあたる『Adagio』という曲がもうひとつあり、それはHMTP#9でリリースしました。

『Adagio』については下の記事で解説しています。

どちらの曲も自分の内側と話しているような曲なので内省的な印象は少なからずあるのだと思います。とても気に入ってくださる方もいれば、「こういうのではなくもっと恋愛の歌を書けばいいのに」という意見もしばしばいただきました。まあ、結局書きたいものしか書けないのですが。
でも、私の曲はある意味ほとんど全部ラブソングなんだけどなぁ。

いずれにしろこれらの曲をあらためて今回録り直しながら、(最近はめっきり演奏しなくなったのもあるかもしれませんが)大切な旧友に久々に会ったような気分になりました。

どちらの曲も、お楽しみいただけたら幸いです。

ありがとうございます!糧にさせていただきます。