くさのひろこ

くさのひろこ 臨床発達心理士・玉川大学卒業後幼稚園教諭となり、以後20年に渡り子どもの…

くさのひろこ

くさのひろこ 臨床発達心理士・玉川大学卒業後幼稚園教諭となり、以後20年に渡り子どもの育ちに携わる。幼稚園、保育園、公立小学校特別支援教室に勤務。30代半ばで私立保育園園長を経験「1人1人の多様な育ちを尊重する園作り」を追求する。現在は保健センターで1歳6か月・3歳児健診を担当。

最近の記事

1歳半の心の発達ーWEBパンフレットー

コロナウイルス感染症の影響で市の乳幼児健診が、延期されています。 私が健診を担当している神奈川県内2つの市でもようやく少しづつ健診再開を始めました。 しかし待機している子からの健診再開となり、本来該当月であった子は数か月後の受診となる市もあります。集団での健診に不安のある保護者の方もいらっしゃるようです。 そこで、安心して健診が受けられる日まで、家庭でも子どもの発達を知るガイドのようなものがあれば良いなと思い、デザイナーの友人と協同でWEBパンフレットを作成しました。

    • 言葉豊かな暮らしを

      「言葉が出ません」というご相談が、1歳半2歳健診では1番多い 言葉ってどのように覚えていくのでしょうか 1つ必ずお伝えしているのは「その場に合わせた言葉を伝えていく」こと 例えば、ご飯を用意する時に(だいたいこの位しか食べないから、この位でいっか)とよそって目の前にドンと置く、んではなくて「ご飯どの位食べる?」「ちょっと?」ちょっとよそって見せる、「いーっぱい?」いっぱいよそって見せる。そうすると(ちょっとといーっぱいってこういうことか)と分かる。 聞いた時に頷いたり

      • 現場で学ぶ「保育士さん向け発達講座」

        現場で学ぶ「発達講座」を、ある保育園で持たせてもらうことになった。 「発達、発達障害」を詳しく学ぶための5回連続、少人数制の講座を保育園内で行うのだ。「発達障害」のある子への対応を深めたい保育士さんも多く、このような講座を開くことになった。 学ぶメンバーは3、4人で1チーム。お互いの学びを支え合う場にしたいと思う。 この講座を受けたいと思った「きっかけ」がそれぞれの保育士さんにあると思うのだが、 子どもとの関りがうまくいかなかったり、クラス運営がごたごたになってしまっ

        • 発達障害を理解するために、できること

          難しいと感じる時でも、必ず「できることはある」 ここ20年くらいだろうか、「発達障害」という言葉が使われるようになり、子どもの見方が大きく変わった。特に保育園、小学校など集団の場で、集団に参加できない、友達とトラブルが多いなど「問題行動、気になる行動」があると「この子は発達障害なのかな。」という見方を大人が持つようになった。 この変化はとても大きいと思う。 私達大人は何のために「発達障害」という見方を持ったのだろう。困っている子どもをより理解するためだったはずではないの

        1歳半の心の発達ーWEBパンフレットー

          気づくことで、育つ「心」

          小5の息子と鯵の干物を食べていた時のことだ。 千葉へ出掛けた友人が「美味しそうだったから」とわざわざ家まで届けてくれた鯵は、とても大きくてぎっしりと身のついた本当に美味しい鯵だった。3匹頂いたのだけれど(我が家は私と子ども2人の3人家族)、一度に食べるのがもったいなくて2匹を焼いて1匹は冷凍しておくことにした。 大きなお皿に、焼いた鯵を並べて3人で「美味しい美味しい」と言いながらつついていると、息子が「ここ絶対旨いから、ママにあげる」と言って私のお皿にほぐした鯵の身を乗せ

          気づくことで、育つ「心」

          誰かを心に置きながら遊ぶということ

          人への関心を持ちにくく、集団参加をしたがらない 3歳過ぎても1人遊びが多くて友達と交わろうとしない 担任と1対1のやりとりも成り立ちにくい 訪問支援で保育園へ伺うと保育士さんから、どのような関りをしたら良いか尋ねられることも多い子の特徴だ。 自閉的傾向、自閉症スペクトラムの診断のあるお子さんにも見受けることのある姿だ。 「1人でいることが好きで、集団参加を促すと嫌がるんです」という保育士さんの話を聞きながら「じゃぁ、どんな場面ならこっちを向いてくれるんだろうか、どん

          誰かを心に置きながら遊ぶということ

          「いないいないばぁ」は人への期待に満ちている

          「いないいないばぁ」という遊びがある 赤ちゃんが大好きな、みんな知ってるあの遊びだ やってあげたことのある人も多いのではないか 「いないいないばぁ」が楽しめるのは生後8か月くらいからで、この頃には「物の永続性」という概念を獲得している。 目の前のものが隠れて見えなくなっても、本当になくなったわけじゃない。見えないけれどもそこにある(物は理由なくなくなったりはしない)ということが分かっている、ということだ。 生後4~5か月くらいだとまだ、見えなくなったものは「ない」と

          「いないいないばぁ」は人への期待に満ちている

          誰の心も減らない保育を

          私は、子どものいる場に20年近く勤めている。 幼稚園・保育園・小学校・子どもの健診センター とあらゆる場所で、 正職員・パートタイム・給食の調理員・園長・心理相談員 とあらゆる立場で上記の施設で働き続けている 大学出たてに幼稚園へ その後保育園へ保育士として勤めるようになったのだが、 私はとても感受性の強い保育士で、 自分の感性を使い尽くして子どもを理解しようと努めていたように思う。 そして目の前の子どもに、親御さんに、同僚に、先輩保育士に、 心を砕きなが

          誰の心も減らない保育を