お嬢様ずんだもん~どうして女は他の女のファッションに口を出したがるのか~

今回の件は未成年が巻き込まれてしまった事件だったが、以前にもこのようなことはあった。その時は舞台を観に行く女性オタクが自撮りしている写真を晒し上げて舞台俳優のおっかけ垢が集中砲火をしていた。

とかく女性がファッションやメイクなどの写真を投稿した際に、どこからともかく貶して来るアカウントが存在するのだ。しかしそれは単にダサい・垢抜けないという理由だけではなく、例えば若くてかわいい本物お嬢様が特注品のブランド物バッグを上げても「若いのにこんなものを持って…」「どうせ親に買ってもらったんだろ」と悪態をつくので、素直な称賛というのはおそらくこの女群には存在しないのだろう。日に目につくものに噛みつく獰猛ピラニア女は残念ながら濁ったアマゾン川でしか生息できない。つまりはTwitterのようなドブ川みたいなSNSがお似合いということ。しかしこのドブ川の唯一の長所は生態系が豊富なところである。そこには同じ女であってもルッキズム投げ捨てオタク女もいれば、なんの悪意にも染まっていない純粋な女の子も存在する。どういうことかと言えばピラニア女にとっての最高の狩り場なのだ。ピラニアは日々水底に身を潜めながら獲物を漁っている……疑問に思うのなら誰かに文句を言っている引用リツイート、それも如何にも女だ!と思えるような可愛いゆるふわイラストの動物アイコンやセーラームーン、マイメロ、パステルカラーの単色、空や花やお菓子などのアイコンを辿ってみるといい、フォローフォロワー数は一桁二桁で名前は絵文字かひらがな、プロフィールなし。きっと常日頃から何かに文句を言っているだろう。だからと言ってこのアカウント群をあまり見過ぎてはいけない。そういう攻撃思考や愚痴思考、評価思考に染まってしまうからである。

ではこのようなやたら他人に厳しい女はどうやって生まれてしまうのか。
自分がツイートした内容についてきた引用リツイートを見ていこう。

整形女、名前欄にDTが入っていたら確実にそれである。そして風俗嬢などの夜職垢も叩きに乗じていた。

別にブスが性格悪いわけではない。他人を認められないブスの性格が悪くなるのだ。それに性格の悪さは天然物よりは養殖物が多いので学習性である。赤ちゃんの頃から性格悪い奴はそうそういないが、性格悪い奴に出会えば出会う程性格が悪くなる。もしかしたら、こういうアカウント群の性格の悪さもそれだけ傷つき、心無い言葉を浴びせられて来たという証拠なのかもしれない。だからといいって未成年を攻撃していい理由にはならないが……

そういえば鴻上尚史が語っていた「ぶさいく村」の話を思い出した。
これはむしろブサイクに生まれたからこそ、文学と出会い、今のような生活ができているというブサイクを肯定するもので、イケメン・ハンサム村の世界の住民とは違う世界、それも人間顔だけじゃないという価値観を手に入れられたという話である。しかし女性はこの「ぶさいく村」を出て行こうとする人が多い。演技の世界では若くて美しい女優は競争率が高い分、きちんと演技を身につけたブスにも需要とチャンスがあるから美男美女じゃなくても若い頃から演技の練習しなさいという話だが、真偽はともかくこの女性が「ぶさいく村」を出て行きたがるというのは納得である。

この「ぶさいく村」出て行った、あるいは「芋女村」を出て行った女は、過去の自分を許せなくなるのではないか。

「若くて人生楽しんでる女の子見るとムカつく」というよりは、「芋女だった過去の自分」が本当に嫌いで、大人になってもそれがずっとずっと許せなくて、その嫌悪感を過去の自分を連想させる他人にぶつけちゃってる人が多い…というほうが納得できるな〜個人的には!


みんな最初は芋だった

ファッションやメイクのいろはもわからなかったガキが妙齢の女性になって、今度は過去の自分を笑う番になったようなもの。

ちょっとニュアンスは違うけど、この言葉を思い出した。

子供叱るな来た道だもの、
年寄り笑うな行く道だもの、
来た道行く道二人旅、
これから通る今日の道、
通り直しのできぬ道

それに派生してできた言葉もいい

下手を笑うな来た道だ 上手を妬むな行く道だ

元は同じ芋だったにも関わらずフライドポテトがポテトチップスをあざ笑っているようなもん。こういうアカウント群にも勿論中学生時代はあったのだ。友達とディズニーランド行ったりファミレスでご飯食べたりさ、そんな充実した学生時代がさ。その時より今の方が幸せだったらいいね。

ファッション、メイク、あるいは顔の造形に関してはプロ意識のある女たちが、お節介おばさんになっているパターンもあるらしい。

ゾンビが自分の見ている世界が綺麗だから同じ景色を見せてあげたくてゾンビ化させるみたいなそんな奴いるんだ…垢抜け絶対主義は言い得て妙。

この場合は単純に擁護しようがない。ただのファッションレイシスト。
ダサかったら攻撃していいみたいな狂った人間は、そんな誰とも勝負していない未成年や女性オタクなんかと戦ってないで、プロと勝負した方がいい。
ミラクルニキみたいにコーデバトルしなよ。そういえば昔、美ママ垢かなんかがフードコートにいる主婦を品定めして炎上していたけど、そういう行為の方がダサい。男性向けに言えば一般人相手にイキるヤンキーで、そういうのは本物ヤクザには喧嘩を売りに行かないのだ。

「ダサい」を明確に説明できる人間いないと思う。
でもダサいは言い放つだけで自分が強くなれるワードだから便利だよな。
この不可思議な呪文に打ち勝つにはやっぱり自分が好きで着ているという肯定感だと思う。100人中100人がダサいと感じない服って難しいよ。それこそ制服なんて無個性なものに帰結してしまうし。

ずんだもんなんてバズワード使ったらウケるに決まってるよね。
そもそもバズりたいならそんな表に出てこれないような垢運用やめて普通に好きを集めた垢作ればいいのにね。褒められもしないけど、苦にもされないぞ。なんかこのアカウント群って人には言えないことを言えない私に酔ってるだけだよね。お嬢様ずんだもんに対して文句言ってたアカウントを追いかけてたら「みんな言わないだけで心の中ではダサいって思ってるんだろ」って吐いてたけど思ってなくてなんか微笑ましい感じに眺めてた。

お嬢様ずんだもんは普段はボーイッシュな恰好のずんだもんとは対照的な概念ぶつけるのが面白いのであって、そこが創作意欲を掻き立てるから、絵師が思い思いの創作ずんだもんを発表しているのだが、そこが気に入らないらしい。イラストも炎上をきっかけにさらに投稿数が増えたので未成年を元気づけたくて描いていたのかもしれない。優しい世界である。ただしオタクであっても揶揄する目的でイラストを描いて炎上した人間もいたのでピンキリである。

結局はコレなのかもしれない。自分が極めた分野はネットでは見向きもされないのに、なんの努力もしていない人間がひょんなことから成功を収めた?というよりただ単にバズって注目を浴びてしまった。垢抜けてなくても楽しんでいる、肯定されている現状を見て納得できないと思ったのかもしれない。自分の主張が正しい(と思っている)のに周りから置いて行かれる状態なので。

結局見た目が美しくなっても、あるいは美しくても中身が伴わないと周りから受け入れられないんだと思う。自分の内面の醜さに向き合えないまま他人の醜さばかりに目が行っているんだもの。

でもこの内面の醜さというものは誰でも持っているものであるし、それが如何に出やすい場所であっても出さないというのが大事なのだと思う。

お嬢様ずんだもんの引用リツイートは今でこそ、ポジティブな反応だったけど、はじめはネガティブなものが多かった。女には鍵垢引用リツイート文化というものもあるので正確な数はわからないけれど、ダメ出しや嘲笑が優位だった時期があり、それを見て「アタシもアタシも」と続いて行ったのかもしれない。そうやって数が増えていき、この女群に苦言を呈する人間が増えて形勢逆転。中傷を行っていたアカウントは逃亡やツイ消しをし、中には未だに自分を正当化していたり(ダサいのが悪い!)今は我知らぬ存ぜぬで突き通してるアカウントもある。本当に醜いのは集団心理の方かもしれない……

これは私に刺さる

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