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【税務】一般の差押禁止財産 その1

 国税の差押えに対して、差押禁止財産を知っておくのは有益です。

 必要以上に恐れることがないからです。

 今回はそれを見ていきましょう。

 一番知っておきたいものをまず取り上げます。

一つ目

 滞納者
及び
その者と生計を一にする配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係にある者を含む。)その他の親族(以下「生計を一にする親族」という。)
の生活に欠くことができない
衣服、寝具、家具、台所用具、畳及び建具

です。

 まず、衣服、寝具、家具、台所用具、畳及び建具という、生活に必要なものは差し押さえできないんです。

 着ぐるみ剥がされて差し押さえられる、ということはないんです。

 そんな非人道的なことが現代の日本では起こらないんです。

 起こったら違法なんです。

 なので差し押さえを受けて裸になっちゃった、なんてことはありえないんです。

 また、一緒に生活している滞納者の配偶者とか、その子どものものも、同様に差し押さえ禁止なんです。

 ここは滞納者そのものではないので当たり前のような気がしますが、注意的に確認的に規定したのでしょう。

二つ目
 滞納者
及び
その者と生計を一にする親族
の生活に必要な三月間の食料及び燃料

 これも食料も燃料も生活に必要なものです。

 3か月分は差し押さえできません。

 当面の生活費は差し押さえ禁止というものです。

 なので差し押さえられたから食べるものも持って行かれて無くなった、ということはないんです。

 これも現代の日本においてこのような非人道的なことは起こらないわけです。

 以上のように、知れば恐れることはありません。

 知らないと必要以上に恐れてしまいます。

 どんどん知っていきましょう。

 今回はここまでとします。読んでいただきありがとうございました。

(一般の差押禁止財産)

第七十五条 次に掲げる財産は、差し押えることができない。
 滞納者及びその者と生計を一にする配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係にある者を含む。)その他の親族(以下「生計を一にする親族」という。)の生活に欠くことができない衣服、寝具、家具、台所用具、畳及び建具 滞納者及びその者と生計を一にする親族の生活に必要な三月間の食料及び燃料
 主として自己の労力により農業を営む者の農業に欠くことができない器具、肥料、労役の用に供する家畜及びその飼料並びに次の収穫まで農業を続行するために欠くことができない種子その他これに類する農産物
 主として自己の労力により漁業を営む者の水産物の採捕又は養殖に欠くことができない漁網その他の漁具、えさ及び稚魚その他これに類する水産物
 技術者、職人、労務者その他の主として自己の知的又は肉体的な労働により職業又は営業に従事する者(前二号に規定する者を除く。)のその業務に欠くことができない器具その他の物(商品を除く。)
 実印その他の印で職業又は生活に欠くことができないもの
 仏像、位牌はいその他礼拝又は祭祀しに直接供するため欠くことができない物
 滞納者に必要な系譜、日記及びこれに類する書類
 滞納者又はその親族が受けた勲章その他名誉の章票
 滞納者又はその者と生計を一にする親族の学習に必要な書籍及び器具
十一 発明又は著作に係るもので、まだ公表していないもの
十二 滞納者又はその者と生計を一にする親族に必要な義手、義足その他の身体の補足に供する物
十三 建物その他の工作物について、災害の防止又は保安のため法令の規定により設備しなければならない消防用の機械又は器具、避難器具その他の備品

 前項第一号(畳及び建具に係る部分に限る。)及び第十三号の規定は、これらの規定に規定する財産をその建物その他の工作物とともに差し押えるときは、適用しない。

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