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1人と2人と4人と ~良い音楽をする人はみんなあったかい~


音楽は何人でもできる。1人でも2人でも4人でも10人でも。他の人と一緒にやる音楽は楽しい。音や声が重なり合うのはどうしてこんなにも楽しいんだろうなぁと思う。わくわくする。いつも一緒にやれたらいいのになぁ、と思う。

でも、私は基本的には一人で活動することも大事だと思ってる。それは、私は末っ子の甘えん坊で、自分以外の誰かがいたらつい甘えてしまうと思うから。それに一人なら、どんな結果になっても全て自分の責任だというところがわかりやすくていい。プレッシャーも責任も全て自分で背負える一人きりの弾き語りはシンプルでいい。



だけど、ずっと一人でやっていると、今度は自分にまで甘え始めることがある。毎月たいして代わり映えしないライブに疑問を感じなくなったら、自分を甘やかしているんじゃないかな?って。

そんな時は逆に、誰かと一緒に演奏してみようと思う。甘え始めた自分にプレッシャーをかけてくれるような相手とやれたら最高。自分より上の先輩だったり、ベテランのミュージシャンだったり、憧れの人だったり、、「これはしっかり練習して挑まないとマジでヤバい!」と焦っちゃうような人と。

そう思える人と一緒に演奏することは、マンネリのライブに変化をつけてくれるだけじゃなく、何より自分自身の成長に繋がるんじゃないかと思っている。

「変な歌は歌えない、絶対ミスできない」「生半可な気持ちでは絶対に臨めない」と、今まで以上に集中して練習したりするはずだから。そしてそんなプレッシャーが大きければ大きいほど、乗り越えた時、大きな自信になるはずだから。


以前「栄ミナミ音楽祭」に初めて出演した時の記事に書いたけど、やっぱり成長するためにはプレッシャーってとても大事だと思う。ぬるま湯みたいな楽しくて心地よいところでずっとやっているだけでは、強くたくましく育たないような気がする。

ほら、トマトだって、ギリギリまでお水をあげるのを減らして厳しい環境で育てた方が美味しいトマトになるっていうでしょ?例えが適切なのかどうかはわからないけど(笑)、苦しい時こそ自分が大きく成長する時だと、私は勝手にそう思ってる。




そんな訳で、7月はいつもより少しライブが多かったこともあり、ちょっとこう自分を甘やかしてしまいそうだったので、何かいつもと違う新しいことに挑戦したいな、と考えていました。

でも、新しいことにはそれなりの準備期間が必要だし、かといってそんなに時間もなかったので、どうしたものかなぁ、と少し悩んでいたんです。ピアノの新しい曲をやろうかなぁ、とかぼんやりと。

ちょうどその頃、あるメジャーアーティストのコンサートを観に行った私は、なんとなくメインボーカルの人よりもステージでピアノを弾いている女の人をずっと見ていました。

ピアノがよく見える席だったのですが、やっぱり本物のピアノ弾きは全然ちがうなぁ。あんな流れるように美しく弾くのね~、と思いました。ピアニストによるソロの演奏とかではなく、ボーカルの伴奏としてのピアノだったから余計に自分のピアノと比べてみたのかもしれません。

そして、
「あの人のピアノに比べたらまるで小学生みたいな低レベルのピアノを、私って人前で堂々と披露しているのよね!?」「超恥ずかしいじゃん!」と、急にとても恥ずかしくなっちゃったのです。次のライブでピアノを弾く予定だったけどどうしよう・・。

どなたかにピアノサポートをお願いしようか、とも考えたのですが、ライブまであと10日しかなかったので頼みづらく、次のライブの構想がまた振り出しに戻ってしまった私は途方にくれておりました。ワラをも掴む気持ちでつぶやいてみたりして。


そしたらね!
なんと!素晴らしいピアニストの方が、名乗り出てくださったんです!!

飛行機のさ、「急病人が発生しました。お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか?」のコールで颯爽と立ち上がるお医者様のように、素敵なピアノマン冨永隆治さんが手を挙げてくださったんです!

「神なのか!?」と思いました。本当に、笑
「え!?隆治さんが私のピアノ伴奏をしてくださるの!!??」って。


だって、隆治さんがとてもたくさんの素晴らしいアーティストさんのピアノサポートをされていることは知っていましたけど、今まで一緒に演奏させていただいたことも無かったし・・。私からはとてもおこがましくてお願いなんてできないような方だったから。

「私なんかのサポートでピアノを弾いていただいていいんだろうか??隆治さんの経歴に傷をつけてしまうんじゃ??」「いや、それより、合わせてみたらガッカリされるんじゃないだろうか??」「名乗り出たことを後悔されたりして・・?」と、そんな心配がいくつも頭の中でグルグル・・。

「いや!ここはもう開き直って、思い切ってお願いしてみよう!」
「きっとあれだよ。成長の機会がもらえたんだよ!」って思って。



そんなきっかけで、初めて一緒に演奏させていただくことになったのですが、隆治さんにご迷惑をかけることがないように、素敵なピアノにまけないくらい素敵な歌を歌えるように私なりにがんばりました。初合わせの時が一番緊張した、笑



普段、ギターを弾きながらだったり、ピアノを弾きながら歌を歌っている私にとって、伴奏をおまかせして歌だけを歌えるというのはなかなかに気持ちが軽かったです。

歌だけを練習をしていると、「あれ?私ここをこんなふうに歌えるんだなぁ」「私ここまではいけるのか!」と新たに気づくことがいくつかあって、それは私にとって大きな収穫でもありました。

「このくらいは歌える!」ってわかったら、ギターを弾きながらそこまで歌えないのはただの怠慢だ!って気づいた。それって今後の弾き語りにも絶対プラスだよなぁ、と。




今回のライブは、自分の歌をピアノで伴奏していただいたけれど、以前、戸村有希さんの曲を戸村さんの弾くピアノ伴奏で歌わせていただいたことがあって、あの時もすごくプレッシャー&緊張でした。しかも戸村さんのイベントで、絶対に失敗できない感がすごくて、笑

今だから言えるけど、あの時は歌がなかなか難しくて、ちゃんと歌えるようになるまで相当練習しました。やります!って言ったのにやっぱできません、っては言えないからさ、なかなか思うように歌えるようにならなくて、ほんと焦ったよね💦
でもやっぱり、あの時すごく自分が成長したような気がしたんだ。



4人でやるバンドの時も同じ。頑張ってくれているメンバーに迷惑をかけないように、愛想を尽かされないように、私は私で精一杯がんばっているつもりだけど、、んー、でもちょっと甘えちゃってるかな、、。
みんな優しいからな、、ごめんなさい(><)
次はマジでもっと引き締めてやるわ!!笑




2人でも4人でも誰と一緒にやる時でも、いつだって私が一番下にいて、みんなについていけるように必死なんだけど、そんな私と一緒にやってくれることがとても有り難くて、上の方から「ここまでおいでよ」って見守っていてくれるのが有り難くて、がんばれってそっと背中を押してくれるのが有り難いのです。


みんな、音楽をやっていなければ出会わなかった人たち。
よい音楽をする人たちはみんなあったかいな。


って、あれ?
そんなつもりでは無かったのに、なんか感動の締めくくりになってしまって泣けてきた、笑

こんな私に関わってくださる全てのみなさん、ありがとう。
これからもよろしくお願いします^^


音楽っていいよね。
苦しいからこそ楽しさも倍増だよね。



最後に。

今回ピアノでサポートしていただいた冨永隆治さん。

前回イベントにご出演いただいた時から感じていたのですが、隆治さんはとてもレスポンスが早くて的確で、一緒に何かさせていただく時にとても安心感があるんですよね。

今回も、何しろあと10日しか無かったので、レスポンスの早さは重要でしたが、そこらへんの不安は全く無く。私も大急ぎで音源を送らせていただいて、スタジオのスケジュールもさくっと決まり、3日後のスタジオでは大体弾けている、という・・。

「わ~、やっぱりプロはすごいんだなぁ・・」と思いましたが、きっといろいろな時間を削って一生懸命音源を聴いて採譜してくださったのですよね。でも決して「寝る時間がなかった」とか「めっちゃ無理して頑張りました」とかそんなことは言わなくて。そういう一つ一つから信頼関係って生まれるんだろうなぁって思いました。

私なんて、寝る間も惜しんで頑張ったならめっちゃ主張するもんね、笑
特に家事を頑張った時とかは家族にめっちゃ。
超早起きしてお弁当作ったんだからー!とかね。



初めてスタジオに入って二人で合わせた時はとても緊張していましたが、少しずついろんなお話をさせていただいて、回を重ねるごとに安心感・信頼感を感じることができました。(私は!です!)隆治さんには不安なとこがたくさんあったかもしれませんが・・。

でも、そんな中でもとても素敵なピアノを弾いていただいて、本当にありがとうございました。例によって、演奏中は気持ちよく歌っているだけで細かいところはよくわからないんだけど、ライブの動画を観て「なんて素敵なピアノなんだ~!」と一人感動しておりました、笑

歌に寄り添い、曲の世界を音でもっと広く深く表現してくれるような、そんな素敵なピアノでした。また一緒に演奏させていただけるように、私ももっとがんばろうと思います。本当にありがとうございました!


●おまけのライブ動画

碓井浩美 LIVE at S.O.Ra.(Piano 冨永隆治)


碓井浩美バンド
オープンマイクでたまたまメンバー全員集まったので急遽演奏させていただいた通称「アリの歌」。みんなちゃんと覚えててくれて嬉しい^^


最後までありがとうございました^^
当分ライブの予定はないですが、またどこかでお会いできたら嬉しいです。
夏バテしないように、熱中症にならないように、夏を乗り切りましょう~♫


ウスイヒロミ

ありがとうございます!創作の力と糧に!