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オリーブオイル×偽物!?

オリーブオイルには偽物が9割!!!
という言葉を何度も耳にしています。その根拠は・・・?

こんにちは!オリーブオイル・エンジョイ・プランナーの中村裕美です。
国内外のオリーブオイル農園さんを自分の足で巡り、
実際に生産の現場を見て、
生産者と話をして、
工場も畑も、そしてオフィスも研究所にも通い・・・


そこにある様々なストーリーをどうしても伝えたくなって
オリーブオイル・ストーリーズという会社まで作りました。



だから、
オリーブオイルの『本物』を知っています。


広大なオリーブ畑の中を農園主一緒に歩くと
彼らは私の顔よりも、オリーブの樹の状態を見ながらしゃべります。


ただ眺めているのではなく、
樹の健康状態をチェックしているのです。


私が訪問するオリーブ農園さんたちは、皆さん自分自身でオリーブの樹を育てています。
丁寧に、時には厳しく育てるから良質なオリーブの実が出来ることを知っています。そうやって育てたオリーブの実から絞られたオリーブオイルは薫り高く、搾りたてを口に入れるとさらさらとしていて、『これは本当に油なの??』と疑いたくなるほど優しい口当たりです。


その優しい口当たりのすぐ先に、辛味や苦味が口の中に広がり、時にはむせ返るほどの辛さを感じたりします。でもこれ、ポリフェノールの一種なのです。


ポリフェノールは、様々な抗酸化物質(フェノール系)の総称。オリーブオイルには様々な抗酸化物質が存在しているので、『ポリフェノール含有量が高い』と言われます。


では、このポリフェノールが低いオリーブオイルはどうしてなのか・・・。
ここに、偽物を疑う隙間があります。


やっと出てきましたね~。ここからが本題。


オリーブオイルを作るオリーブの実は木の実。フルーツです。
そして高品質なオリーブオイルを作る生産者は、ほぼ全員が早摘みと呼ばれる、まだフルーツが色づいていない緑色の状態からほんのり色づき始めた頃を収穫してオリーブオイルを作ります。


でもこの早摘みという状態は、
オリーブの実はまだまだ成長段階。これからまだまだ油分も増えていく状態。つまり早摘みをすると、油分含有量が少ないオリーブの実から油を搾ることになるのです。早摘みをしている人のオリーブの実から搾れる油の搾油率は7%~11%程度。たったこれしか絞れない・・・。


ところが、完熟の状態のオリーブの実からは、25%近くも搾油できるのです。この違いが生産量の違いとなり、少ないからこそ値段が高くなる原因の最大の要因です。


では、なぜそうまでして早摘みでオイルを作るのか。


品質のためです。


熟していないオリーブの実は、ポリフェノール含有量がとても高いので、絞った油も劣化が遅く、そしてサラリとした口当たりになり美味しいのです。
そして様々な栄養素が豊富にあり、香り成分もしっかりしているので香りも良いのです。だから高品質になります。ただ、生産量が少ないので値段は上がります。これが本物のエキストラバージンオリーブオイル。


では偽物は何か・・・。


オリーブオイルに含まれるポリフェノールやその他の栄養素は、体内では様々な効果をもたらしますが、人間の鼻や口の中の感覚では風味として感じ取れないものがほとんどです。
なので、化学検査にかけた時に、オリーブオイルと同じような波形が出る油を混ぜてしまっても、一般的にはわからない場合が多いのです(プロは気が付くことが多いです)。



つまり、偽物とは、
『オリーブオイルではない別の油を混ぜて油増ししたもの』なのです。



この『油増し』をしている人たちは大胆です。
例えば、イタリアではトスカーナ州のオリーブオイルは日本で人気があります。だけど不思議なことに、トスカーナから輸出されているオリーブオイルの量は、トスカーナ州全体で作られる量をはるかに超えています。


おかしいですね・・・。


一部の生産者は、自分たちでオリーブオイルも作りつつ、

①別のオリーブオイルの生産者からC級品を買い取り、
 自分のオイルに混ぜて『自分のところで作った』
 オリーブオイルとして販売。

②トルコやチュニジアなどで作られている
 大量生産型の安いオリーブオイルを輸入して、
 ボトリングして自分の農園の商品として販売。

③化学検査ではオリーブオイルと似た波形を出す、
 トルコやチュニジアなどで作られている
 オリーブオイル以外の安い油を輸入してボトリングして
 自分の農園の商品としてオリーブオイルとして販売。



こんなことが多々起きています。
これはトスカーナ州に限ったことではないのですが、オイルの生産量と販売量を見ればすぐにわかることです。


素敵なラベルを張って、オリーブオイルのことを良く分からない輸入者に安く輸入してもらえれば、しっかり儲けが出るのです。こういう商品をつくっている人も、輸入や販売している人も、それを食べる人の体のことなんて、知ったこっちゃないのです。



輸入した人はオリーブオイルのことを良く分かっていないから、自信を持って『最高のエキストラバージンオリーブオイル』として販売していきます。




購入する人は、素敵なラベルとイメージで購入します。そして品質を見抜けないのでそのままそのオイルを使い、そのオイルに慣れることで『美味しい』と感じ始めるのです。そのオイルが粗悪なものだとは気が付かずに、オリーブオイルで栄養が取れていると信じて。



オリーブオイルの多くは輸入品。
生産者がいて、輸送のためのトラックを運転する人がいて、飛行機や船で輸送して、日本国内に入ったらまたそれを輸送する人がいて、管理、配送・・・沢山の人が一つの商品に携わっています。



だから、安いわけがないんです。
安すぎるオリーブオイルには何か、あります。
(長くなるのでこのお話はまた今度~)


では、消費者が良質なオリーブオイルを食べずに見分けるにはどうしたらいいか。
まずはオリーブオイルを分かっている人から購入する。
それが誰だかわからない場合は、一度、『高いな~!』と思うオイルを購入して食べてみてください。今まで使っていたオイルと全然違う!と感じたら、何が違うのか、感じてみてほしいのです。



そして、どちらが美味しいと思ったか。どちらが胃もたれがしないか。
体に聞いてみると良いです。どちらが良質なオイルなのか、あなたの体が教えてくれます。



そして口に入れる油に少しでも興味を持ってもらえたら嬉しいです。油は体にとって必要不可欠な存在なので、酸化した油は食べず、良質で栄養価が高いオイルで体を潤していきたいですね~!



youtubeでもオリーブオイルを語っています♪
★中村裕美のyoutube チャンネル『オリーブオイルの中村さん』
https://youtu.be/O0_1RyrmYhY  シチリアのオリーブオイルの工場で
https://youtu.be/g_26pc6Hr-U  オリーブオイルで料理の味が変わる

★ホームページで訪れた農園についても書いています♪
https://oliveoilstories.net/  オリーブオイル・ストーリーズ


本物のエキストラバージンオリーブオイル from トルコ

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