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怖くないハロウィーンのススメ

ハロウィーン、年々エスカレートしています。

小さい子が怖がらないように、気をつけてあげてください。
そしてこれ以上怖くしないで!

ニューヨークに来たばかりの20年以上前に比べると、店舗や家々のデコレーションがすごいです。クリスマスと同じくらいのレベルになってきました。でもクリスマスと違って、大人の私でも、怖い、グロい、ゾッとするものが多く、気持ちいいものではありません。もちろんそれは意図通りなのでしょうが、小さい子どもたちはどんな気持ちかと気になるのです。

かぼちゃのジャコランタンのような可愛いもの、笑っちゃうような楽しい変装も見ものですが、増えているのは、お化け、骸骨、蜘蛛やコウモリ、おどろおどろしいものが多いのです。

今日は夕方に娘と近所を散歩したのですが、やはり可愛い系でまとめている家はほとんどありません。街のあちこちがお化け屋敷のようです。電気で動くもの、叫び声がするもの、光るもの、煙が出るものまで、さまざまなお化けが所狭しと庭を埋め尽くしているような家もありました。今年は大きな蜘蛛の巣が流行っているのか、あちこちで見かけます。蜘蛛恐怖症の人は大変だろうねと娘が言いました。その通り、小さい頃は、あなたも何でも怖がって大変だった!!!

横道にそれますが、娘は音がダメでした。怖い音と感じると泣いたり固まったり。公共トイレにある手の乾燥機が爆音を出すタイプが多くて大変でした。もう一つ思い出すのは、ハリケーン被害の地域にタオルや服などを寄付する際、4歳だった娘につい「家がなくなった人たちがいる」と説明してしまったこと。到底理解できないスケールのことでしたが、印象に残ってしまい、かなり長い間、その話をしていました。

シュタイナーは、歯が生え変わる7歳までは、世界は善いところだという安心感で満たしてあげるようアドバイスしています。暖かい子宮から出て、この世界で肉体を持って生きていく基盤となる時期です。まだまだ繊細で印象を受けやすい感性を守ってあげることは大人の役割です。

それにしても、大人であっても、薄気味悪いものを見て何とも思わないということはあるでしょうか。私はストレスになっていると思います。作り物だからいいのでしょうか? 本当に何とも思わないということがあれば、逆にそっちの方が心配ではないでしょうか?

具体策として、実際何ができるか?

まずは怖がる状況に子どもを連れて行かないことが一番ですが、買い物に行った先で思いがけず出くわすことをあります。そんな時は、怖がっている子どもの気持ちを「怖かったね」と汲み取ってあげ、すぐその場を去るなどして守る行動をとってあげてください。一番避けたいのは、「あれはおもちゃ、何でもないよ、怖くないよ。」などと、子どもの怖い気持ちを否定するような反応です。

トリックオアトリートやパレードなども、小さい子にはまだ無理なことがあります。自分の衣装が着心地悪い、周りでは子どもも大人も変装している、お腹がすいた、疲れた、など色々理由はあるでしょうが、とにかくいつもと違うことは基本苦手なのです。

衣装では、顔を覆うもの、特に頭全体を覆うものは要注意です。子どもにとって本当に怖いことがあります。お父さんがメガネをかけたり、髭を剃ったりしただけでも、お父さんと分からなくなって泣いてしまうくらいです。この世界に来てまだ日が浅く、周りをよく見て「世界とはこんなところか」と日々学んでいるのが子どもです。未知のもの、慣れていないもの、分からないものが怖いのは、私たち大人も同じです。

子どもが安心しているか、楽しめているか、Noであれば、早めに切り上げる決断を大人がしてあげることです。また来年があります。どうしても行かなければならない用事ではありません。遊園地や公園などでもよく見かけるのが、「もう帰る?」と子供に聞いている場面。一見、子どもを尊重しているようですが、一人で帰れるわけでもなく、置かれた状況を考えて決断する理性は未発達です。一時的に「帰りたくない!」と泣いて訴えるかもしれませんが、その感情には寄り添いながらも、振り回されないこと。「帰りたくないんだね、でももう時間だからね。」と大人の理性を貫きましょう。あとで振り返ると一時的に大泣きしても、その後は逆に落ち着いた顔になっているものです。大人に守られていることを実感して安心できるからです。

Quit while ahead. という表現があります。勝っているうちに辞める、勝ち逃げするという意味です。子どもが機嫌がいいうちに、もう少し楽しみたいというぐらいで、早めに切り上げてちょうどいい。娘が小さい時の夫の口癖でしたが、今でも私たちはよくそう言って早めに帰ります。

以上、参考になれば嬉しいです。小さい子たちも安心して楽しめますように。もしくは何もしない普通の平和な日になりますように。





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