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今更ながら LUMIX S1を導入してみた

今年、2023年の春に発売されたS5II以降、あまり話題に上がることのない LUMIXのフラッグシップDC-S1ですが、マイクロフォーサーズの大三元レンズ2本が故障のためメンテナンスに出す必要があったため、フルサイズセンサー機のテストとして導入してみることにしました。

レンズ故障時に妻が、そろそろフルサイズカメラを使ってもバチが当たらないんじゃないかと後押ししてくれたこともきっかけひとつです。

S1は最新のS5IIに対し、像面位相差方式AFの有無という違いがあるものの、基本の写真画質そのものには優劣がないこと。
連写撮影時はRAWファイルのビットレートはS1が14bit。S5IIは12bitという点で優れていること。
プロ仕様として作られたプロダクトなので、ボディ質感や物理的なインターフェイスなど満足度が高いものとなっています。


ただ、このカメラ。
大きくて重いというデメリットは確かにあるものの、優れたカメラではあるのですが、あまり売れていないといいますか、外出時にも撮影スポットなどで見かけることが少ないカメラです。

2019年発売時に他社のカメラに対し、大きく劣る部分は少ないことから、プロ向けに作り込んだのは良いのですが、ブランディングとマーケティングで失敗したのかなと感じています。
当時はメーカーさんも「プロフェッショナル向け」という部分を強く押し出してました。

しかし、最近の LUMIX(パナソニックさん)は、プロフェッショナルという表現はなりを潜め、「クリエイター(写真・映像を言及していない)」という表現が増えていることから、プロ向けをアピールしても売れる層が限られていることから、SNSやYouTuberさんなどを中心にマーケティングを行い、アマチュア映像作家さんからの支持を集めようとしているようです。

写真作品という面では燻銀なものではなく、SNSで人気があるような、いわゆるフォトジェニックでSNS映え作例が多くなっているので、写真機としての作りは重視していないのか、最近は本来フラッグシップであるはずのS1や高画素機S1Rについて、メーカーが触れているのを耳にする機会がなくなった印象です。

まあ、ソニーやメジャー2社に対して切り込むのではなく、割り切ってファンを育てる方針なのかも知れませんね。

個人的に映像作家ではなく、写真家としての立ち位置の私としてはなんとも複雑な気分ですが、現行のフラッグシップ機が安く買えたのでよしとしましょう。

今のメーカーの姿勢で、少し問題点として感じるのはWEBで情報を探した際、SNSのインフルエンサーやYouTuberのビデオグラファーのレビューしか見つからず。良いことしか書かれていない印象を感じる部分です。

個人的に LUMIXの絵作りは気に入っていますし、画質も悪くないことは確かなのですが、マーケティングの偏りや散見する同じ内容の紹介レビューばかりなので、提灯記事を見ているようで少し辟易します。

公平な記事やブログは上位表示されるメディアにかき消される傾向が強いので、本来の意味でプロダクトが評価されるようになることを願います。

また、故障などの際、メーカーとして家電のカスタマーサポートような消耗品的の買い替えを促すようなサポートではなく、特にレンズに対してはカメラの機材として、しっかりとクリエイターをサポートする姿勢を見せてほしいと感じます。

少なくともマーケティングで「プロフェッショナル」「クリエイター」などという言葉を使用する以上は、責任を持ったプロフェッショナルとしての対応やクリエイターを支援する姿勢が、将来的なカメラメーカーとしてのブランディングにつながるものと私は考えています。

せっかく公式SNSアカウントでも、開発担当の思いや思想。クリエイターファーストの姿勢などをアピールしているのですから、
メーカー自体が売れれば良いという姿勢なのは、適当な宣伝記事で情報商材を売り逃げる悪徳なネット販売事業主と大差がなく、せっかく商品の開発からマーケティングまでを手がけているメーカーとしては、非常に勿体無いと感じてしまいます。

車などでも同じですが、「品質」「顧客満足度」とはプロダクトの性能(スペック)だけではなく、機器の信頼性やメーカーのサポートを含めて総合的なものであって、その信頼を築くことが大切であるはずです。


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