コミュニティで培う未来の信用資産
テイラーワークス 代表の難波です。久しぶりのnote 投稿です。
テイラーワークスとは、コミュニティプラットフォームの開発、コミュニティ構築や活性化の支援をしているスタートアップです。
つい先日シリーズA 1stラウンドの実施を発表させていただきました。が、それよりも何よりも、昨今の技術進化異常なスピードですよね!?
投機的なWeb3が幻滅期突入したと思いきや、生成AIが実用化されるレベルまで驚異的なスピードでレベルを上げ、シンギュラリティー(技術的特異点)を一足飛びで超えてきて、一気に実用化と民主化されてきている。もう共存しかありえない世界に一気に変わってしまいました。
より多くの情報がコモディティになり、それは例外なくコミュニティの「ここでしか取れない情報」とか「人を介した生きた情報」も、特別な価値を有することが難しいと言えます。
では、今後の有益なコミュニティの在り方はどういったものなのか?
技術革新著しい時代の今だからこそ、今後どんな活動や提供価値がコミュニティには必要か?という視点で、勝手ながらnoteを書いて見たいと思います。
コミュニティがこれから提供すべき価値
「共通目的を旗にした共創コミュニティモデル」へ変化させていくこと
一旦これまでのコミュニティの歴史を含めておさらいです。
様々な部分で「コミュニティ」という単語が飛び交っていると思いますが、大きく分けて3つの段階を経て、今に至ります。
まずコミュニティの最初は、古くは狩猟民族や農耕民族の時代からの人の集まりを指すと言われています。いわゆる村や地縁といった生活をしている上で、すでにそこにある共同体のことです。人が社会性の生き物と言われる由縁です。
その後、経済活動を中心とした囲い込み型のコミュニティが登場します。
ここは個人の意思で参加するものの、ただ所属しているだけの人の集まりです。クラスター(人の集団)に近い。
これらに対して、明確な共通目的を有し、目的達成のために能動的な活動を行う集団が様々な分野で出てきました。我々はこのコミュニティを世の中のコミュニティの単語と分けて定義するため、『共創コミュニティ』と定義してます。
明確な「個の時代」。コミュニティも所属する企業や個人の自己実現、ネットワークの拡がり、セレンディピティな出会い、社会に何某かのアウトプットを提供していく共創活動など、情報以上の価値をコミュニティのメンバーと一緒に創り上げていくことが必要になってきています。
ソーシャルネットワークの限界
ソーシャルネットワークの体験は、ネットワークの拡がりではない!?
また、コミュニティというとFaceBookを始めとするSNSでも形成が可能になっている現在ですが、「FaceBookで作成したコミュニティだと、なかなかプロジェクトが生まれない」「管理者側が一方的に情報発信して終わってしまう」など、課題を伺うことが多いです。Slackなどで形成されているコミュニティでも、同様の課題をご相談いただくこともしばしば。
この課題の多くは、「ソーシャルネットワークの二次的なつながりのレコメンドでは、人は繋がりを培うことは難しい」という所にあると感じてます。
2000年代初頭より様々なソーシャルネットワークを活用してきた私達ですが、基本はオフラインや仕事上のつながりなどで対面した人達と、オンライン上でコミュニケーションを取るための手段として活用されてきました。つまり、ソーシャルネットワークの提供価値は「他の手段で拡がったネットワークの関係性維持」ということ。コミュニティに期待する体験価値の「ネットワークの拡がり」「セレンディピティな出会い」には適していないのです。
特に最近はコロナ後の反動でネットワークの拡がりに対しての価値や定義が以前と大きく変わってきました。可処分時間や可処分精神の奪い合いが著しいので「共感に溢れた心地より出会い」を求めている人が多い傾向です。
こう言った事実や事象を整理すると、コミュニティとしての提供していくべき価値がよりシャープになってくるのではないでしょうか。
テクノロジー ☓ コミュニティで培う信用2.0
コミュ二ティ☓TECHは、共感の可視化とセレンディピティの再現性
様々な技術はコミュニティの価値を完全置き換えるものではなく、むしろ強力に支援していくものになると思っています。
生成AIは言わずもがな。我々も様々思案中ですが、以下のような活用方法が検討できそうです。
コミュニティ全体の傾向をサマリーする
ワークショップやディペートなどをファシリテートしてもらう
個人のSNSや情報発信などのデータから、人物定義(自己紹介)を代行してもらう
イベントとか事例などの作成支援補助
などなど、プロンプト次第で何でもできそうです。
もう1つは、ブロックチェーン技術。幻滅期を経て、いよいよ社会実装が始まってくフェーズです。トークンを活用した信用経済の構築が現実のものになると考えてます。
我々が考えているトークンの活用は大きく2つあります。
興味関心(共通の目的や共感、心地良い出会いの源泉となるもの)
ソーシャルキャピタル(スキル、人脈、他者からの信頼)
目的に応じたの人のつながりの創出や自分の興味関心領域、所持しているスキル、価値観など「信用資産=トークン」として保有し、 マッチングの軸となり、トークン自体を成長させ自身のアイデンティティや証明になるものを育成していく。
このような新しい信用資産の考え方は、最近読んだ『信用2.0 自分と世界を変える「最重要資産」』(堀江貴文 著・朝日新聞出版)でも、以下のようなまとめがありましたので、紹介です。
コミュニティ活動を通じた信用経済の構築は、我々が目指す世界のど真ん中。この『信用2.0』は読んでいるだけでも頷きとワクワクが止まらない神本でした。
知見、体験、人脈といった目に見えない無形資産が信用のベースとなるということは、言い換えれば多種多様な共創コミュニティに参加し、ソーシャルキャピタルを増やす活動自体が個人の信用形成に大きく寄与できるということ。コミュニティを通じて「人と人が仲良くなる」活動にフォーカスを当て、提供価値を構築していくことができれば、コミュニティの価値はどんどん上がるハズ。
我々のようなプラットフォーマー含め、コミュニティの主催者はこの事実に対して、いち早く提供価値の在り方を変えていく必要があります。
そして、この「見えない資産価値」が仮にトークンで可視化されたら、信用経済の在り方が変わる変革になるのでないでしょうか。ワクワクしますね!
経営資源としてのコミュニティ
共創コミュニティは、第5の経営資源
コミュニティを少し企業よりの視点で見てみると、最近、コミュニティは「経済資源」と呼ばれているのをご存知でしょうか。
技術革新、市場環境の変化への対応が求められている企業は、もはやイノベーション戦略=生存戦略の時代です。加えて、生活者ニーズも多様化しプロダクトアウトの限界から、顧客や社会の声を聞き、求められる価値を創出していく必要性がどんどん高まっています。産業や事業活動にサスティナビリティと社会課題の解決は必須になってきている。
では、企業として経営資源たるコミュニティを成長させていくにはどうしたら良いでしょう?
そこにはユーザーから選択されるコミュニティである理由が必要です。前述の共創コミュニティモデルに習うと、自社を取り巻くステークホルダーにコミュニティを広く開放し、中心に共通目的や共感し得る旗を立て、ソーシャルキャピタルの醸成や共創活動を行ってもらうことが自社の経済資源たるコミュニティを何倍にも膨らませていくことが可能となる。
企業側はコミュニティを囲い込みの手段として活用していくのは、難しい時代になってきているということですね。
コミュニティ☓コミュニティがエコシステムに
開放されたコミュニティでユーザーに価値提供を
開放された共創コミュニティは、お互いのノウハウやユーザーを渾然一体に巻き込みながら1つの生態系のようなエコシステムへ進化すると考えてます。
業界、産業、地域で断絶することなく、様々なステークホルダーが目的に応じた出会いを果たし、協力し、価値を生んでいく。そういった未来を、我々は『共創エコシステム』と定義しています。
実際、すでにコミュニティをうまく発展させている人達は、この活動がとても洗練されており、既存のソーシャルネットワークや知人のリファーラルなどを駆使し、自分たちのコミュニティをアメーバのように発展させ、コミュニティの無形資産を大きく育てています。
コミュニティはすでに、オーナー主体のモデルからユーザー主体のモデルへアップデートがされてきているということ。
我々もこういった背景から、コミュニティSaaSを提供していたプラットフォーム提供の事業モデルから共創エコシステムの構築を目指し、「共創をシタテル場を提供するオーナーと共創をしたいユーザーへの価値提供の共存」の在り方に取り組んでいます。
多くのコミュニティツールやサービスが、オーナーの運用効率や情報伝達などの手段として利用されている今、ユーザーにとっての良質なコミュニティ体験を提供できている状態ではありません。
本質的なユーザーにとっての「ソーシャルキャピタルの拡がり」とは何か?ここに立ち戻り、価値提供を提供していく先に『共創エコシスム』の姿が見えてくると考えてます。
最後に
(最後に)1番冒頭にも書きましたが、この次のステージに向けて絶賛資金調達中でもあります。このnoteを見た様々な方とコミュニケーションできればと考えておりますので、よろしくお願いいたします!(最後、ステマみたいですいません。笑)
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