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「一 心神喪失・耗弱について」という部分/被告発人木梨松嗣弁護士の平成4年12月21日付・控訴趣意補充書

 この被告発人木梨松嗣弁護士作成の控訴趣意補充書は、見出しの階層が3つで、レベル1が「一」、レベル2が「1」、レベル3が「(一)」となっています。

 この「一」は、全体の要約のようになっていて、下位には「3 被害妄想」というのもあります。「一」の本文でも「また、被害妄想があったことから、他人の言動をより一層被害的に受け取り、極度の精神的興奮状態に陥ったことから本件犯行を惹起したものであり、その犯行当時心神喪失又は心神耗弱の状態にあったものと言わざるをえない。」としています。

 見出しに「心神喪失・耗弱について」とあることに先ほど気がついたのですが、これは明らかに心神喪失を強調した印象づけになるかと思います。他の箇所では「心神喪失又は心神耗弱」となっていて、これは精神障害が問題にされる刑事裁判では、お決まりのようなフレーズとなっていました。

 精神障害の疑いを弁護士にかけられた被告人が、精神障害を否定する反論をしたところで無益なことと思われますが、被告人本人から具体的な事実は一切聞かず、一審で検察から証拠請求のあった供述調書等のみを判断の根拠としていることは明らかです。

 この先、過去に作成した書面等を読み込んでいけば、被告発人木梨松嗣弁護士と接見した時期や回数は特定できるかもしれません。接見の内容については、だいたい記憶にそのまま残っているつもりですが、それだけ薄っぺらで数の少ないやりとりでした。

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