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COP27での合意形成の難しさ。まずは目先から・・・電力の地産地消

COP27・・・
エジプトで開かれていた気候変動対策について話し合う国際会議COP27が、閉幕しました。ニュースなどでも言われていましたが、発展途上国の立場としては、これまで先進国が排出してきた温室効果ガスによって日々の生活が脅かされ始めているのだから、その保証をすべきというものでしたが、発展途上国と先進国の間でなかなか合意に至らなかったというもののようです。
最終的にはめぼしい発展はなかったということから、なかなか立場の違う国が合意に至ることの難しさを感じさせます。
去年からカーボンニュートラル関連のことを色々と調べてきましたが、どうしても地球規模の話になってしまい、話が大きすぎ、そしてその大きな方向性はこのようになかなか難しいということを感じます。

第27回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP27)は20日、気象災害で「損失と被害」を受けた途上国を支援する基金の創設を決め、閉幕した。温暖化対策の輪に途上国をつなぎとめたが、本丸の温暖化ガスの排出削減でめぼしい進展はなかった。気温上昇の加速に歯止めをかける踏み込んだ対策は課題として持ち越す。各国には2023年末までに排出削減目標を上積みするよう求めた。

2022/11/21 日経新聞

■会津電力による電力の地産地消の実現
そんなCOP27が開催されているタイミングで、池上さんの番組において、電力の地産地消を掲げる会津電力の話が取り上げられていて、とても興味を持ちました。
会津は福島県に位置し、東日本大震災で会津の産物は海外で風評被害にあったようで、そんな中で会津で電力を自分たちで作れば原子力発電に頼らなくてもよいのではないかということで、会津電力を立ち上げたとのこと。
その会津は冬は積雪があり、太陽光発電では発電ができない、絶対に失敗するということでなかなか銀行がお金を貸してくれず、積雪のある会津で雪に埋もれない高さに太陽光パネルを設置し、かつ雪が積雪してもすべり落ちる角度(30度の斜面)を作り設置することでその困難を乗り越えたということで、これにより電力の地産地消を進めたようです。
原子力発電にしても、火力発電にしても一箇所で発電された電力が、送電線を経由して住宅に配電されると、そもそも電力ロスが発生するのだから、この地産地消という考えが、とても大事な気がします。これまで電力会社がそのようなことを担ってきましたが、テクノロジーがより安価に人々の手に渡るようになってきた今、大手電力会社を介さない形の地産地消を進めることが、日本の化石燃料(石炭と天然ガス)の使用をへらすことができるのではないかと改めて思いました。
会津でできるということは、つまり、どこでもできることなのですよね。

■株式会社元気アップつちゆ・・・地産地消の電力から新たな収益を
その後に続けて紹介されていたのがこの会社。日本では地熱発電量が世界第3位(さすが温泉が多いだけある)なのに利用されているのがたった2%ということで、その地熱発電を行う会社です。
会津と同じ福島県にある土湯温泉で地熱発電を行っているようです。廃れていく温泉街という状況だったところで、この地熱発電を通じて売電し、そしてその収益で潰れた宿を他の観光スポットとして再利用したり、市民にバスの利用を無料で開放したり、余った排熱でエビの養殖をしてエビ釣りスポットにしたりと、発電を通じて電力を地産地消するのみでなく、地域の再生にまでも取り組んでいる非常に興味深い会社です。

■国主導でなく地域で変えていく時ではないか
なんとなくこれまでは国主導で化石燃料を大量に仕入れて、それを使えば使うほど発展をしてきたという世の中。そこには多分、既得権益という言葉で表される世界がどうしても入っている固定的な世界だとやはり思います。これがCOP27が進まなかった原因の一因ではないのかなと感じます。
しかしこれからはここに挙げたような地域に閉じた中で電力を生み出し、消費していくというまさに地産地消が必要であり、この世界の広がりはきっとこの既得権益という壁を壊す力になると思います。それをしないと次がないようにやはり感じます。
日本の地域からそして全国へ、その波を先進国・発展途上国を超えてグローバルに広げていくことも一つの手なのではないかなと、池上さんのテレビを見ていて感じました。



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