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2017年5月1日のフィンランド

2017年。カレンダー通りの休みしか取得できなかった私は、唯一長期で休めるゴールデンウィークに、フィンランドに行きました。

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初めてのひとり海外旅行

2度目のフィンランド。そして、初めてのひとり「海外旅行」。勇気を出していけたのは、ひとり旅はわりと好きだったのと、ひとりでフィンランド旅行をしている日本人女性がたくさんいたから。私にもできるかもしれない、と背中を押されました。

事前情報を集めていると

5月1日のメーデーの日は、Vappuというお休みの日だ

ということを知りました。日本の「祝日」の感覚とは違います。お店も、レストランも、開いていないんです。本当に、「お休みの日」なんです。(※中心部は無休のところもありますし、仕事によっても違います。少しずつ変化もしているようです。)お正月以外は年中無休の日本と違って、働き方に差があるんだなと知りました。

フィンランド人の友達に聞いてみても

Vappuの日はお店が開いてないから、もったいないよ

と言われました。でも、休みが取れるのはここだけ。4月30日~5月5日の4泊6日で、はじめてのひとり「海外旅行」です。

フィンランドに到着し、空港からホテルまでを案内してくれたコーディネーターさんに、フィンランドで楽しむべきことをたずねてみました。

Vappuはどこも休みになるから、レストランは事前に確認してね。この日に飲むアルコールSIMAを、家庭で作っている。スーパーでも売っていると思うから、ぜひ飲んでみて。それから、ティッパレイパっていうお菓子も食べてみてね。

と、教えてくれました。ラプアンカンクリさんの記事に、シマ風ドリンクのレシピが掲載されていますので、このGWに作ってみてはいかがでしょうか?私も、今年(2021年)は、SIMAの仕込みに初挑戦しています。


前夜祭

Vappuの前日、4月30日の夜は、学生や若者が大騒ぎをするようです。(説明がざっくりすぎ)

駅前では風船を売っていました。風船を持っているひともたくさん。理由はよく分かりませんが、大人も子どもも、風船を買って持ち歩いています。縁日に水風船を買いたくなる日本人の心と同じようなものでしょうか。Vappuには風船を買いたくなるフィンランド人。

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また、この日は「つなぎ」を着て歩く学生にたくさん出会いました。「つなぎ」は学校で着る「作業着」のようなものらしく、黄色だったり、オレンジだったり、いろんな色があるようです。そのつなぎに、好きな「ワッペン」を縫い付けて、カスタマイズします。それぞれの、オリジナルのつなぎを着て、街をねり歩くようです。

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白いつなぎもあるようですね。卒業式にもらうという「白い帽子」をかぶっています。なんとも不思議な光景です。公園でピクニックしている人もたくさんいました。人も多く、にぎやかな日でした。

ティッパレイパ

コーディネーターさんのオススメ、この時期に店頭に並ぶお菓子「ティッパレイパ」を探しに行きました。当時、ストックマンの中にあった「ムーミンカフェ」にありました。

うねうねして、脳みそみたいなお菓子、ティッパレイパ。ちょっと不気味な見た目とはうらはらに、カリっとサクッとしたドーナツのような、かりんとうのような、素朴なお菓子でした。

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ムーミンカフェのお姉さんが、とっても親切で心に残っています。作り方まで教えてくれました。ドーナツ生地をしぼり袋に入れて、油の中に入れて揚げるのだそう。帰り際には、スティンキーのシールをプレゼントしてくれました。

キッシュも、タルトも、コーヒーも紅茶も、どれも美味しくて、ムーミンの器で提供される、かわいいカフェ。なくなってしまって、本当に寂しい。注文を終えると、私の後ろに並んで待っていたおじいさんが、私のトレイを席まで運んでくれました。さりげない優しさに触れた思い出のあるカフェ。復活して欲しいです。ねぇ、ムーミン。

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Vappu当日

Vappu当日、5月1日は雲一つない快晴。お店があいていないなら、この日は1日中、散歩をしよう!と決めました。

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日本でいうところの、3月くらいの気候。寒いけど、太陽が照らしてくれるし、汗ばむことがないのでいくらでも歩けそうな、気持ちのいい季節。見上げるとフィンランド国旗。つい、撮りたくなってしまいますね、国旗。空の青と同じ青。

テンペリアウキオ教会へも行き、裏の岩に上ったところで、見つけた青い花の群生。天国のようだなって思ったのでした。

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その後、中央駅まで歩きます。どうやら、ロックバンド「KISS」のツアーがあるらしく、駅のあの像が、KISS仕様になっていました。コロナ禍においては、マスクをしたり、何かと季節や流行に合わせて変身する、あの像。

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その後、またブラブラして、ヘルシンキ大聖堂へ。大聖堂に向かっていると、音楽が聞こえてきました。聞き覚えのあるフレーズ。なじみの音楽。ドキドキしながら元老院広場にたどりつきました。

そこで歌われていたのは、ゴスペルでした。私はゴスペルを習っているので、フィンランドでゴスペルを聴くことができて、感激してちょっと泣きそうになったのを覚えています。聞いている人たちも、気持ちよさそうに、自由に踊っていました。

その後も散歩を続け、オールドマーケットホールにたどり着きました。のどがカラカラ。スムージーを注文しました。お店の人が、生姜は好きか?量は多くても大丈夫か?これは人参が入っている、これはベリーが入っている、など、いろいろたずねてくれました。甘すぎない、冷たすぎないスムージーで、エネルギー充電できました。

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人気のカフェにも行きました。キッシュをテイクアウト。正確には英語で「take away」と言うのをフィンランドで初めて知りました。ここのカフェはとにかく人が多くて、店員さんが忙しそうでピリついていて、私は話しかけるのに勇気を要しました。人が少なそうなタイミングをねらって、注文。こんな経験も、またよし。でもやっぱり、「人とのやりとり」で旅の思い出って変わってきますね。

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Vappu当日は、この帽子の人にたくさん出会いました。ちょっぴり欲しくなった、この帽子。

この日でなければ見ることができない、不思議な光景の数々。私は、GWにフィンランドに来て、本当によかったな、と思いました。

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