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『真珠とダイヤモンド(上)』を読んだ

桐野夏生さんの『真珠とダイヤモンド(上)』を読了しました。

以前から気になっており、図書館で見つけたものの上巻だけ・・・でも読みたくなったら読まずにおれない。なかなかの厚さだし、読み応えありそうとわくわくして借りました。

う~ん!面白い!360頁ありますが、いっきに読んでしまえた!
舞台は、1986年の博多から。証券会社に入社した同期、佳那と水矢子。
2人はお金に恵まれない家庭で育ち、とにかくお金を稼ぎたいとやっきになる短大卒の佳那。東京の大学へ進学するための学費を稼ぐ高卒の水矢子。

学歴で社内でも扱いが分かれる女性社員だが、そんな2人は別の女性社員(元々から家庭が裕福で学歴が高い)からはみ出して仲良くなる。そこへ熊本出身の冴えない同期(男性)の望月。佳那のノルマを助けるきっかけになる姉の元彼である須藤は福岡中央病院の院長の息子。それを知った望月は、佳那へ更なる須藤への株取引を持ち掛ける。

バブル期のお金の動きは、面白いほどにスピード感を持っており数百万という話から、あっという間に億単位の投資話になっていく。エアコンのないアパートに住む佳那が望月と絡むようになって、博多駅近くのおしゃれなマンションに引っ越すと水矢子も次第にお金への執着がさらに増して・・・。

なにより、私が福岡に住んでいてよく耳にする博多弁を話す登場人物たち。
博多弁に馴染みがない人からすると、読みにくいかどうかはわかりませんが私は博多弁に博多周辺のビジネス街がとてもイメージしやすい。
年齢的にも佳那と水矢子が私より5歳ほど上という設定なので、私にもバブル期の記憶が多少残っていてあの頃の街がどれだけ煌びやかだったかを思い出せてくれる。

そして、バブル期は衰退していくのだが・・・上巻は、これからもっとバブリーさが増していくところなのでどこまで昇り詰めていくか下巻のお楽しみ。ついでに書くと、上巻の始めに無一文の水矢子が井の頭公園で野宿というプロローグが。これが、下巻でひっくり返るのか?それとも、佳那も水矢子も・・・。

下巻がまだ図書館に返却されてないので、いつ読めるかわかりませんが予約したので絶対に読みたい。

今日も読書できる時間に感謝。
ありがとうございます。




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