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国際便に乗り遅れ・・・イギリス・フランス5年間の赴任生活<第21話>

ドイツへ出張

ドイツのシュツットガルトにある機械メーカーへ出張に行くことになりました。予定では、ロンドンの空港から夕方の便に乗り、1~2時間で到着するので、メーカーの担当者とディナーを一緒に取ることにしていました。

その日、早めに仕事を切り上げて空港に向かえばよかったのですが、準備に手間取り、空港に着いたのは出発時刻の1時間前を切っていました。駐車場に車を止め、チェックイン手続きをしたのが出発時刻の30分前。あまり余裕はありませんが、通常なら問題ない時間。

ところが、その日 手荷物検査室が非常に混雑しており、長蛇の列ができていました。行列の横をすり抜けて、すいませんと一番先頭に割り込めばよかったのですが、時間が迫れば呼び出し放送があるだろうと甘く考えて、通常通り最後尾に並びました。

搭乗ゲートへ走る

結局、手荷物検査を終わるまでに30分近くかかってしまいました。
残り5分。(この間、ずーと館内放送に耳を澄ませていましたが、呼び出しは聞こえませんでした。)
急いで搭乗ゲートに走っていき、出発時刻ちょうどに到着しました。

ところが、すでにゲートはクローズしていました。
名前を告げると、ゲートの若い女性係員は「もうクローズしました」と そっけない返事。
目の前にドアが見えているのに・・・。
その飛行機に乗りたいんだと改めて頼みましたが、当然ダメ。
おそらく日本だったら「何度もお呼び出ししたのですが、残念ながらいらっしゃらなかったので、申し訳ないですがゲートをクローズさせて頂きました」というような返事をするのでしょう。
ところが、その係員は強い口調で「呼び出ししました」「ワタシは何度も呼び出しをしました」「ちゃんとやりました」と、いかにも私に落ち度はありません という口ぶり。 

航空便の変更

まあ、これ以上けんかしても始まりません。どうしましょう...。
すると、隣のゲートからベテランのおばさん係員がやって来て、落ち着いた表情で「私が次の便をアレンジしてあげるからついていらっしゃい」とデスクへ誘導されました。
(おかしいな。これが最終便のはずなのに...) 
おばさんは私の航空券を見ながらデスクの端末機にいろいろ打ち込んだ後、「あれま。今日はシュツットガルト行きはもうないわね~」だと。
そうだよ、だからごねていたんです。

仕方なく、まずフランクフルトへ行き、そこから特急電車に乗って2時間ほどかけて行くことにした。
到着は夜11時頃になりそうなので、出張先の担当者に電話して今夜のディナーはキャンセルしてもらいました。
(せっかくご馳走してもらえるはずでしたが・・・ 残念)

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 翌日、メーカーとの打ち合わせは無事終わり、自宅に帰ってきてから、事の顛末を妻に話したところ、一刀両断。
「さっさと空港に行かないあんたがバカなのよ!」
まあ、そうなんだけど… 

成田空港で

半年ほどして、日本に出張で一時帰国しました。
出張を終え、イギリスに戻るための成田空港の出国で、出国審査の時にあまり時間の余裕がありませんでした。
しかも結構行列ができていたので、ちょっと心配になり、出国審査に並んでいる列の最前列に行って、先頭の人に「すいませんが、出発時間が迫っているので入れてもらえないでしょうか?」と頼みました。
すると、その人は怪訝そうな顔をして「ちょっとくらい遅れたって、飛行機はちゃんと待っててくれるよ」と言って断られてしまいました。
(でも、この前、実際に乗り遅れてしまったんだけど・・・)
仕方がないので、2番目の人に頼んで列に入れてもらいました。

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