中津川から大月へ 18キップの旅 2 Hiroshi Kamitaka 2024年5月9日 08:54 あの電車に乗って、塩尻まで行けるようです。早く来ないかなあ。中津川でしばらく待たされています。雨も降っていました。寒かったかな? 木曽路に入りました。まだ雨は降っていますし、川も濁流ですけど、もうすぐ雨が上がりそうな雰囲気はあります。 松本盆地に出たら、雨は上がりました。日出塩(ひでしお)、洗馬(せば)と停車です。みんな塩尻市内で、もうすぐなんです。何だか待ち遠しい。 やっと塩尻に着きました。分岐点なので、三方向に(本当は四方向!)電車は出ているようです。松本・新宿・名古屋それぞれの方向です。細く辰野駅という昔の分岐点にもつながっているようです。 諏訪盆地を抜けて、再び山の中へ入っていきます。ここは山梨側から見ると信濃との境目という意味の駅でしょうか。昔何度か通りました。今は、何十年に一回しか通らないから、再び来れるかどうか? 小淵沢も懐かしい。ここで降りて小海線に乗りたかったけれど、涙を呑んで外を眺めるだけです。また、来れたらいいなあ。 ずっと南アルプスが太陽の方向に見えます。こんなに明るくなって、つい何時間か前まで雨に打たれていたのを忘れるくらいに雲も流れていきます。 昔の登山家たちが夜行に乗ってると、「あっ、もう八ヶ岳に着いた」と間違ったという鳳凰三山が見えます。てっぺんは見えなかったけれど。 本当の八ヶ岳は、後方の雲の中にいました。ああ、八ヶ岳に行ける時はあるんだろうか。中学から高校と、ずっと憧れてた山々でしたね。大人になったら、遠い存在になってしまった。 甲府盆地が広がり始める韮崎の駅、そこを出たら、観音さんが立っておられました。いやぁ、どこにでも観音さんは私たちのくらしを見守ってくださっているんですね。 私はこの甲府行きに乗っていました。県立美術館でミレーでも見ようという魂胆もありました。 甲府駅前の武田信玄さんにご挨拶、見事なサクラと晴れた空、何だか出来すぎじゃないか、と言いたくなるような、アッケラカンとしたお昼です。あれ、お昼ごはん食べてなかったなあ。 美術館に行くと、ついつい長居してしまうから、駅周辺を歩いてみることにしました。たしか、初デートの時にも行ったお城があるはずでした。富士山も見えます。ああ、なんてことだ! サクラはそこいらじゅうで咲いていました。モクレンも鳥たちに喜ばれながら咲いています。 あとしばらく電車に乗って、山梨の東部の町・大月市をめざします。勝沼は甲府盆地の東はじで、そこからトンネルになります。最後に盆地の見納めをします。 大月に着いたら、シンボルの岩殿山も見えてしまう。あの岩ばかりの塊が山になっているらしい。登れるらしいけれど、とても勇気の要りそうな山です。厳しいかもしれないです。 駅の南側入り口にツバメがいました。「大」に一羽。 「月」にも一羽。「駅」にもいたんですけど、それは省略しますね! その向こうに改札があります。何度ここをくぐったことか。若い時のほんの一瞬ではあったけれど。 大月のマンホールは名物の「猿橋」がデザインされています。ここにも行きたかったけれど、まだ行ってなかったです。 駅は東西をつないでいます。南に向かう富士急は、実は恐怖の外国人旅行者大混雑殺人的列車だったとは! あっという間に日は落ちて、西の空は午前中の雨なんて忘れたような顔をしていた。 夜は中華料理屋さんで、ミニチャーハンとタコのから揚げ、それと瓶ビール飲みました。 大月には桃太郎伝説があったなんて、今さらながら知りました。知らなかった。でも、鬼ヶ島はどこにあるんだろう。山砦かどこかなんだろうか? まるでクロサワ映画みたいですね。 2