自分の好きな天気に変えることができる夢のような秘密道具が「お天気ボックス」である。ドラえもん曰く「未来の気象予報士」が使っているものだ。

　のび太は最初は天気を好きなように操るこの道具を嬉々として楽しんで使っていたが、しずかちゃんやジャイアン、スネ夫と言ったお馴染みのメンバーから、晴れにしてほしい、雨にしろ、と言った極めて自己中心的な理由による要望を受けて苦悩するのである。

　さて、ここで未来の気象予報士という職業を想像してみたい。いかに責任重大で相当なストレスを抱えていたのか、、、世の中が常に円滑に回るよう天候を操るわけである。世間からはおそらく、総理大臣やあるいは芸能人よりも注目されたであろうし、批判の的（それはやはり極めて自己中心的な理由であることが多いはずだけれど）であったはずである。

　その気象予報士にも個人の生活があるはずで、もしかしたら家庭もあるかもしれない。例えば子供の運動会が翌日に控えていれば、快晴にしたくなるに違いないのだけれど、世の中全体を見ればその日は雨にしなくてはならず、、、そんな葛藤が毎日続くわけである。強いハートが必要な職業であることには間違いない。

　おそらく、子供たちに聞いたら将来絶対になりたくない職業ナンバーワンだと思うのだけれど、どうだろうか。