深月流架

50代のサラリーマンです。自作の小説中心にアップしております。よろしくお願いします。

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  • 深月流架読んだ本について語る

    読んだ本の紹介、感想、批評などをまとめています。

  • 深月流架の人生を共に歩んだ名曲たち

    様々なジャンルの名曲を紹介したり、エッセイにしたり、そんな文章を集めています。

  • 素人作家による小説論

    創作について考えること。素晴らしい小説を書くには?

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    ドラえもんを哲学的に捉えてみた雑文を集めました

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    日々の雑感、昔の思い出、ショートストーリー等を集めています

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「自己紹介」

50代のサラリーマンです。自作の小説、書評、エッセイなどを投稿しています。好きな作家は、フランツ・カフカ、トルストイ、カミュ、村上春樹、辻邦生、安部公房、田中芳樹などなど。小説は幅広いジャンルで読んでいます。仕事をしながら創作活動をするのはなかなか骨が折れる作業ですが、夢に向かって頑張っております。よろしくお願いします。 ⭐️自作小説はこちら⭐️

    • 📕宮本輝「月光の東」を書き手として読んでみた時

      🥀宮本輝「月光の東」  「十三歳のときの私の恋は、いまもまだつづいていると思うのも本心ですし、加古慎二郎への嫉妬も本心ですし、よねかを癒せる男になりたいのも本心なんです。  誰もが、みなそうであるにちがいありません。人は誰もが無数の本心を持っている」       〜宮本輝「月光の東」より  パキスタンのカラチで首を吊って自殺をしてしまった友人の影には「よねか」という幼馴染の女性の影がちらついていた。  この物語は、多くの男性を虜にしながらも自らの心をすり減らしてゆく「

      • 「近況」

        📕「結果ではなく過程を大切にしないと充実感は得られないということ」 ❶「私が店長になった理由」76枚 ❷「社長が店にやってくる」109枚 ❸「エスパー雀士ミハルの憂鬱」194枚 ❹「十字架の雫」143枚    〜枚数は原稿用紙換算  これが過去約三年の間に書いた小説の全てになる。これ以外に短いやつもいくつかあるし、途中まで書いたけれど行き詰まって放置している作品もある。  サラリーマンをしながら小説を書くとなると、きちんとした作品に仕上げられるのはせいぜい、年に一作品だ

        • 少年の頃の思い出❷〜「ゼビウス」

          🌹「ゼビウス」  小学生の頃、駄菓子屋というところは実に怖い場所であった。なぜなら、駄菓子屋の中にゲーム筐体がひとつふたつ設置されていて、そこがいわゆる不良たちの溜まり場になっていたからである。  僕がその溜まり場で初めてゲーム筐体に触れたのは「ブロック崩し」だった。上級生に連れて行かれていやいや行ってみたのだが、それが逆にテレビゲームにハマり込むきっかけになってしまった。  当時は家庭用ゲーム機はまだ普及されておらず、テレビゲームをしたければ五十円玉を握りしめて、駄菓

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          「俺が初めて小説を書いた時の話」〜スティクス「Mr.ロボット」

          🌹「俺が初めて小説を書いた話」〜スティクス「Mr.ロボット」  中学校の国語の授業で、お話を作って書こうというものがあった。当時、俺は作文だとかが大の苦手で、読書自体も嫌いだった。でも、架空の物語となると話が違ったらしく、原稿用紙十枚くらいの物語を書いた記憶がある。  当時、洋楽を聴き始めたばかりで、家に帰れば洋楽鑑賞三昧だった俺は、スティクスの「Mr.ロボット」という曲が大好きだった。その曲から多大なるインスピレーションを受けた俺は、人間に酷使されるロボット達が知能を持

          「俺が初めて小説を書いた時の話」〜スティクス「Mr.ロボット」

          🎵ポリス「見つめていたい」

          🎼「初恋」  卒業式が終わったあと、僕は校門の前で、彼女と写真を撮った。風が強い日だった。卒業証書の入った黒い筒を抱きしめた彼女の髪が風に靡いている。僕はその隣で左手に黒い筒を無造作に握り、右手でピースサインをしていた。  進むべき道は決まっていて、迷いという感情とは無縁だった。敷かれたレールの上をただ真っ直ぐ進んで行けばよかった。自由を犠牲にして安心を手に入れていた。大人になるということがまだ遠い未来のように思えた。  その日、彼女と何を話したのか、そのあと、僕達は一

          🎵ポリス「見つめていたい」

          🎵ソフィア「街」

          🎵ソフィア「街」〜見えないものに向かう時、人は誰も孤独  名曲ひしめく90年代J POPシーンにおいて、最高の一曲は?と聞かれたら俺はこの曲を選ぶ。  何回繰り返して聴いても飽きない美しいメロディライン、文学的な歌詞は言うに及ばず、間奏のギターは良い音出してるし、その後転調して再びサビに向かうところのベースラインは印象的だし、とにかくこの曲は完璧なのである。  この曲を作ったというだけで、松岡さんのシンガーソングライターとしての力量は、ミスチルの桜井さん、イエモンの吉井

          🎵ソフィア「街」

          🎵すかんち「恋のマジックポーション」

          「ロックにおいて、ベース音をディストーションで歪ませることの是非」  メロディラインはギタリストに任せておけばいいのに、と、ビリーシーンのベースプレイを見てなんだか茶番じゃねえか、と思ったその昔。  ベーシストにおいて最も大切な役割は、ドラマーと一心同体になって正確なリズムを刻むこと。そう信じて疑わなかったが、それだけではやはりつまらない。  でも、ベースをピックを使って弾くとか、ギター以上にベースが目立つとかそりゃ違うだろ。ましてや、ディストーションで音を歪ませるなん

          🎵すかんち「恋のマジックポーション」

          💐「小説において風景描写は必要なのか?」❻〜木を見て森を作る描写【エキストラを描写する】

             「翌朝、ぼくはコーヒーとブリオッシュの朝食をとりに、サン・ミシェル大通りをスフロ通りまで歩いていった。気持ちのいい朝だった。リュクサンブール公園では、マロニエの花が真っ盛りだった。暑い日を予感させるような、早朝の爽やかさが漂っていた。コーヒーを飲みつつ新聞を読んでから、タバコをふかした。花売りの女たちが市場のほうからやってきて、一日分の花を並べにかかる。法律学校に向かう学生たちや、ソルボンヌのほうに下ってゆく学生たちが通り過ぎる。大通りは電車や勤めに向かう人たちで混雑

          💐「小説において風景描写は必要なのか?」❻〜木を見て森を作る描写【エキストラを描写する】

          📕衝撃の作品「部屋」エマ・ドナヒュー

          『「子どもだけじゃないです」ママが言う。「いろんな人たちがいろんな形で閉じこめられているのです」』 〜エマ・ドナヒュー「部屋」より 村田沙耶香さんの書評集で紹介されていたエマ・ドナヒューの「部屋」。感動必至の長編に仕上がっています。 凶悪犯に誘拐され何年もの間、一つの部屋に監禁されていたジャックとママ。産まれた時から監禁部屋で生活することを余儀されたジャックにとって、この【部屋】が世界の全てであり、【部屋の外にも世界がある】というこ

          📕衝撃の作品「部屋」エマ・ドナヒュー

          📕「小説において風景描写は必要なのか」❺〜日本はまもなく四季ではなく二季になる?

           風景描写と言われてまずピンと来るのが、季節を感じさせる描写。もっと言えば、去りゆく季節、新しくやってくる季節を捉えることで、登場人物の心情をより生き生きと描く。これが風景描写のひとつのあり方だと思う。  ところが、昨今の異常気象により、春と秋が年々、短くなっている。「日本はそのうち二季になります」と言っている専門家すらいる。いつまでも暑く、いつまでも寒い。ついこの前まで部屋で暖房をかけていたのに、もう冷房をかけたくなる。そんな時代になってしまった。季節の移り変わりまでデジ

          📕「小説において風景描写は必要なのか」❺〜日本はまもなく四季ではなく二季になる?

          📕「小説はストーリーを進めようと思って書いてはならない」

           俺がしつこいくらいに言っている、このタイトルの意味をもう一度、咀嚼して解説してみようと思う。  さて、かの心理学者アドラーは、「人生は線ではなく、点の連続である」と説いた。「過去と現在に因果関係はない」と主張した上で、過去に囚われることなく、また、未来を恐れることなく、現在を懸命に生きろ、という意味が含まれている。  さて、このアドラーの考え方がそのまま、「小説はストーリーを進めようと思って書いてはならない」ということにつながる。つまり、物語は線ではなく、点の連続である

          📕「小説はストーリーを進めようと思って書いてはならない」

          📕「小説において風景描写は必要なのか」❹〜描写というのは用例だけが記されて意味が記されていない辞書のようなものだ

           ヘミングウェイ「日はまた昇る」。  この物語の風景描写は、車やバスの車窓から見える景色の流れが非常に多く見受けられます。例文を出せばよいのでしょうが、なんせ長くなってしまうので割愛。そういえば、トーマス・マン「ブッデンブローク家の人々」では、馬車から見える景色の流れが多く見受けられた。  ここで気がついたことが、【被写体が動かないのであれば、カメラを動かしたらいやでも動きが出るのではないか】ということ。つまり、登場人物をなにか乗り物に乗せてしまえば、視点が動くのでそれに

          📕「小説において風景描写は必要なのか」❹〜描写というのは用例だけが記されて意味が記されていない辞書のようなものだ

          💐「小説において風景描写は必要なのか」❸〜五感を刺激する風景描写に細部の動きを加えて、より奥行きのある描写に

          「二つの窓は開かれていて、庭園では朝の太陽が初めての蕾を温め、二、三の愛らしい鳥の囀りが明るく友を呼び合い、すがすがしい香りに満ちた春風が部屋へ吹いてきて、【ときどきカーテンがおだやかに、音もなく少し持ち上がった。】朝食の食卓の上には、ところどころに、パン屑が白いリンネルのカバーの上に散らばっていて、朝の太陽がカバーをまぶしく照らし、【臼の形のコーヒー茶碗の金塗りの上縁にまぶしくちらちらして、反転したり、跳ね飛んだりしていた】」  〜トーマス・マン「ブッデンブロークの人々(上

          💐「小説において風景描写は必要なのか」❸〜五感を刺激する風景描写に細部の動きを加えて、より奥行きのある描写に

          📕「小説において風景描写は必要なのか」❷

           「海辺のすぐそばを走っている若い山毛欅の並木道を馬車はすすんだ。海は青く、日光をのどかに反射していた。黄色い円形の燈台が見え、馬車は、入江、防波堤、小さい町の赤屋根、ボートの帆や策具をひろげた狭い港を眺めながらすすんだ。そして、馬車は、街道のはずれの家の間を通り抜け、教会を通り越し、川沿いにのびている「表通り」をガラガラと通り、葡萄の葉ですっかり被われているベランダがついている小ざっぱりとした家の前で止まった」  〜トーマス・マン「ブッデンブローク家の人々(上巻)」第三部

          📕「小説において風景描写は必要なのか」❷

          「小説において風景描写は必要なのか」❶

           「小説において風景描写は必要なのか?」  そんなの必要に決まってる。当たり前のこと聞くなよ。と、、俺なんか思うんだけど、どうもネット界隈では違うらしい。  『街並みを細かくくどくど描写される小説なんか、かったるくて読めやしない。繁華街って一言書けば良いだろう』  はいはい、そうですか。俺から言わせれば「風景描写を読むのがかったるいなんていうのなら、小説なんか読むんじゃねえよ」となる。  さて、一言風景描写というけれど、だからといって、何でもかんでも描写すれば良いとい

          「小説において風景描写は必要なのか」❶