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少数民族問題 李維漢 大漢族主義再批判 1957

李維漢《關於建立僮族自治區問題的一些看法和意見》(1957年3月)載《統一戰綫問題與民族問題》中共黨史出版社(2014年7月 1982年版を大幅に増補したもの)pp.605-621, esp.610  後段に沙文主義chauvinisimがでてくる。日本では最近、この言葉を使わないように感じた。なお写真は地下鉄飯田橋駅の換気塔、アート作品として設計されている。

p.610  (六)  大漢族主義と地方民族主義の問題への批判を再度述べることにする。大漢族主義が存在しており、目下主要に三種類がみられる。一つは少数民族工作の軽視であり、少数民族の必要に関心を持たないことである。二つは民族の特徴(特点)と自治権利の無視であり、民族地区に漢族地区の規則(章程)でことを進めることである。三つは少数民族幹部との関係での、独断専行、すべて相談せずに(包辦代替)あるいは強引に意思を通し(强加於人)命令で仕事を進める(命令行事)ことである。地方民族主義もまた存在しており、異なる民族においてもそれには一般性があり、またその特殊性があり、さらに具体的分析が必要である。目下、少数民族における地方民族主義の主要な表れ方は、民族間の障害(隔閡)を取り除き、民族間の団結を強めることに対して、消極的だったり、反対の態度すらとること、進歩に反対し、遅れた状態にとどまろうとすることである。民族地区で地方民族主義が特に激しく(嚴重)分離主義の傾向を伴っていると、上層反動分子はそれを利用して多くの悪いことを行っている。
 大漢族主義が当面の主要な危険な傾向である。
  大漢族主義は長期の歴史的な根があり、容易に取り除けない。漢族は人口比重の上で政治、経済、文化の上で優勢であり、民族内部では大民族至上主義(沙文主義chauvinism  排外的愛国主義)を助長しやすい。大漢族主義は常に地方民族主義を刺激するものであり、なんらかの大漢族主義が存在するところでは、しばしばそれに随伴する形で地方民族主義が存在する。それゆえ、一般的に言って、我々はまず先に又重く、大漢族主義を批判すべきである。漢族幹部は大漢族主義に反対し正す方面で模範となるべきであり、そうすることは少数民族幹部に彼らの民族の中の地方民族主義に反対し正しに向かえるような影響を与える。

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