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明治大学博物館

 既設の「刑事博物館」「商品博物館」「考古学博物館」を統合して、2003年12月に竣工した「アカデミーコモン」内に2004年に開設されたのが、「明治大学博物館」である。「アカデミーコモン」は市民向けの公開講座なども行う施設のようだが、そこに博物館を併設して、施設全体が大学の公開施設として市民との交流を図る姿勢はとても先進的に思えた。今回初めて見学したが、大学の広報施設としての側面が前面に出ていることを好ましく感じた。
 地下1階の部分に事務室、図書室のほか「大学史展示室」と特別展示室が設けられており、地下2階に商品、刑事、考古学のそれぞれの常設展示が行われている。入場者はまず「大学史展示室」で、明治14年1881年の明治法律学校開校に始まる明治大学の歴史を学ぶことになるが、明治大学の博物館なのだから、まさにそれでいいのではないか。

明治21年1888年の講義ノート

 地下2階の展示については、事前に考古学の展示に「重要文化財」が含まれていることを調べていたのでそれらを見たいと考えた。それと明治大学の刑事博物館のことは以前から知ってはいたので、この機会に刑事博物館の内容を見たいとこれも事前に考えた。考古学にせよ、刑事学にせよ、石器、土器や刑罰道具の実物を見ることでやはり理解が深まるのではないか。その意味で、この二つの部分は事前に期待もあり、拝見して勉強になった。

 ただ商品博物館のところは、展示内容がこれでいいのか考えてしまった。漆器であるとか筆などの工程が展示されていたが、なぜこんなものが展示されているのかと考えてしまった。改めてパンフレットを読むと、日本文化の所産と言える伝統的工芸品について、注目しているとのこと。一人の研究者の研究の方向であれば成立する。だが、このままでは漆器や筆の研究になりかねない。商学部の教育との連携を考えたときに、この展示でいいのか、と激しく煩悶せざるをえなかった。
 明治大学博物館 文句ばかりで申し訳ないがこのHPは作り方がよくない。特別展の表示がいささかバカでか過ぎて、開館時間など肝心な情報に直行できないのでストレスを感じた(この点はその後、改善された。2023年10月19日追記)。
 アクセス JR御茶ノ水駅御茶ノ水橋口下車、徒歩5分。日曜祝日休館。

アカデミーコモン エントランス


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