ミルトン・フリードマン　By Steven E. Landsburg
Cited from essentialscholars.org

　経済学者が影響力というとき、通常はほかの経済学者の考え方を変えたことを意味している。その基準からいえば、Milton Friedmanは常に最も影響力のある経済学者の一人だった。彼は、消費、貨幣、安定政策、そして失業についての経済学者の考え方を変革した。
　彼は人間の行動に関するニ三の単純の仮定で自らの立場を示し、そのあとは休みなくその論理的含意を追跡する力を証明した。彼は、自身の理論を多数の異なる現象を説明する能力で検証しつつ、データを説明する新たなやり方を開発し教えた。彼の成功は人々の記憶に残るものspectacularで、その技術は広く模倣されたemulated。
　幾つかの場合において、フリードマンの方法は、法律の経済分析、経済史への数量的アプローチ、犯罪と刑罰の経済学、家族関係の経済学、金融への経済アプローチを含む、全く新たなサブ領域の創造を刺激した。―フリードマンの追贈者に対する多数のノーベル賞を導いた。
　しかしフリードマンの影響は経済学者にとどまらなかった。一般大衆にとって彼は、経済そして個人の自由について世界のなかで筆頭の鼓吹者であった。彼は著述とメディアで顔出しを通じて、数百万の人々に、市場いかに働くか、いかに政府はしばしば間違えるかを、教えた。彼は、嫌われるようになっていた古典的な自由の考え方への尊敬を回復した。そしてそれを言葉巧みなartfulプロパガンダによってではなく、深くて長く続く考え方そのものの理解を伝えることで、達成したのである。
　そして彼は政策の作り手にも影響を与えた。彼は徴兵制を終わらせ、教育の選択を広げ、気候規制を変えた。今や世界中でほとんどすべての中央銀行が、フリードマンの省察と勧告に基づいた政策に従っている（もちろん我々が今住んでいる変化した世界においても）。そしてそのことにより世界は、破滅的な間違いがかつてはお決まりだった世界に比べて、より豊かで安定した場所になった。ソビエト連邦が崩壊したとき、いくつかの旧共産主義国において新たな制度デザインを鼓舞した。その方向を採用した国は、繁栄と自由を得た。
　統計学に若い時のめり込んだearly flirtation(そこで彼は、例えていえばスケート競技における判定の不一致を説明するフリードマン検定Friedman Testを開発した)あと、フリードマンは経済学の研究に移動し、その後しばしば戻ることになる、職業の免許制の効果について、1946年に博士学論文を書いた。（そして）翌年シカゴ大学での職を引き受け、（シカゴ大学で）消費行動、金融政策monetary policyそして金融史について、革新的な学術的な仕事のほとんどを行い、30年間にわたり経済学部の、議論の余地ない知的リーダーとして貢献した。1976年に彼はノーベル賞を授与された。
　大衆はフリードマンを、1962年のベストセラー『資本主義と自由(Capitalism and Freedom)』そしてその後のNewsweekにおけるおよそ300のコラム連載、さらに政策担当者の顧問としての増加する登場により、知ることになった。1977年の（シカゴ大学）退職の後、フリードマンはスタンフォード大学のフーバー研究所に移った。そして奥さんのRoseとテレビプロデューサーのRobert Chitesterの協力のもと、テレビ番組のシリーズFree to Chooseそして同一タイトルの番組との連携本『選択の自由(Free to Choose)』とを、生み出した。何人かの東ヨーロッパの指導者たちは、ソビエト連邦崩壊後の彼らの経済政策にとっての主たるアイデアの源（inspiration）として『Free to Choose』を特に引用した。
　経済理論、経済慣行、経済政策、経済リテラシー（経済基礎知識）へのフリードマンの大きな貢献を正しく判断するには何巻もの大部の本が必要である。以下に続く短い章はこれらの本が含むであろうことについての概観を与えるだろう。