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ディズニーの敷地をきれいにする

晴れた年末の土曜日。12月23日(土)はクリスマス休暇を前にどこも賑わっている。それを承知で朝早く家をクルマで出発。千葉県東葛地区から外環道に入る。しばらくして市川南出口で一般道路に入る。間もなくすると浦安に向かう道路になる。ここは8時台はだいたいすいている。わたしはときどきこの時間帯を狙って舞浜のディズニー方面に行く。

クルマをとめるところは浦安運動公園の駐車場。そこで野球かサッカーの練習が行われている時はしばらく見学をする。30分もしないで散歩を始める。ディズニーのオフィシャル・ホテルのある海に面した歩道を歩く。ここはとても気持ちの良いところだ。

冬になると富士山が遠くに見える。空気が乾燥しており透き通ったように遠くが見える。この光景はなかなかいい。富士山の手前には晴海のオフィスや娯楽施設の建物が見える。そんなところを散歩する。運動公園の駐車場から歩道の突き当りまでは2キロくらいあろうか。散歩コースとしてはよいところなのだ。

ところが途中、半分くらい歩いたところで自転車をひっぱってなにやら長い挟みのようなもので植栽からなにかを取り出している人がいる。近寄ってしばらく観察してみた。なにやらごみのようなものをつかんで自転車の荷台に入れている。そこにはポリ袋で覆った箱がある。

わたしはちょっと聞いてみた。

ひょっとしてごみを拾っているんですか。その清掃員は答えた。そうです。なにやら話しやすそうな人だった。状況を話してくれるまで近くにいて見ていた。この人はおそらく浦安市の職員である。朝早くに定期的にごみを拾いにくるようだった。どんなごみがあるのか。

とんでもないごみだった。

この文章では清掃員のひとが話してくれたオフィシャルホテルと海岸のところにあるごみについて書いてみます。ちょっとあきれるような内容ですのでがまんして読んでみてください。

ひとつはマクドナルドのごみだという。どんなごみなんですか。すると職員はいった。フライドポテトがごみとして歩道に捨てられているという。しかもポテトを足で踏みつけて、歩道にべったりとつぶれたままに放置されてあるという。こんなことをするんだろうか。それだけではない。

ポテトを食べる時にサービスでもらうケチャップ。そのケチャップをあたりにまき散らしてそのまま帰ってしまう。歩道にはケチャップがかけられたままにして放置しているという。

これをかたずけるのは清掃員のひとの仕事ではない。わたしはこの話で腹が立ってきた。

次にたばこの吸い殻が捨てられているという。どこに捨てられているのですか。清掃員によると道路に面した植栽の上に吸い殻がばらまかれているという。これはクルマの中に備え付けられているたばこの吸い殻入れ。それを車から出して植栽の上にまき散らして帰ってしまうらしい。こんなレベルの低いことを観光客はするのか。少しあきれてきた。

話しは続いた。次はビールやソーダのアルミ缶だという。アルミ缶を植栽の中にいれて放置する。その缶をぺっしゃんこにつぶして植栽の間にいれる。それをとりだすために長いステッキのようなものを持っている。ばかばかしいことをする奴らがいる。なんでこんなことがマナー違反ということがわからないのだろう。違反だけではない。どちらかというと植栽を枯れさせてしまう破壊行為に近い。

職員はこの話をたまたまアルミ缶をつぶす機械を開発した人にしたという。開発者は聞いて悲しがっていた。缶をつぶす機械をつくるためにさまざまな試行錯誤をしてようやく開発したそうだ。しかしつぶした缶を植栽の中にいれて放置するためにつくったのではない。開発というのは大変でなんどもテストをおこなう。許可が下りるまでたいへんで研究開発コストもかかっているのである。

そういった苦労も捨て人はなにも気にしない。もうこれくらいやってもよいかな。だれかがかたずけるだろう。おれの知ったことじゃない。

わたしはがっかりしてこれまで爽快に歩いてきたことを忘れかけていた。ちょっと待ってください。まだあるんです。なんですか。それは道路に家具を捨てていく人までいるということだった。洋服ダンスが捨てられていたという。わたしはもう落ちるところまで落ちたなという気がした。

そんなことを10分くらいの間に聞いてわたしはディズニーの入り口の方に歩いていった。しかし歩いているときも話の内容が頭から離れなかった。

わたしは市が条例をつくり罰則を適用すべきだと思う。ごみを捨てたところを監視し現行犯逮捕をする。1回につき5千円というのはどうだろうか。監視カメラもつける。そして犯人として識別できたときは罰金を科す。常習犯とならば民事事件として取り扱ってもいいのではないだろうか。これは植栽を意図的に枯らす破壊行為に近い。

イクスピアリについた頃には気持ちも落ち着いてきた。そしてまたしばらく散歩をして駐車場についた。そこからクルマで帰宅した。途中はかなり混んでいた。そのため高速道路を使った。それでも混んでいる。

やはりディズニーの敷地をきれいにすることはとても大切であろう。なにかいかがわしいごみを見つけたならばそれだけでせっかくのディズニーでの休暇が台無しになるのではないか。家族や友達とに楽しい思い出がいっぱいつまったディズニー。その敷地でビールのアルミ缶をひろう清掃員の方たち。どこかがおかしい。そんな晴れた日の土曜日だった。