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2023年12月第3週「私がやられました」

私がやりました

土曜は、最近ごくごく近所に住んでいたことがわかった25年来の友人のお宅にお邪魔した。
鳥獣戯画の絵巻抱き枕(15,000円)を買ったというのでお披露目してもらったが、なにげなく渡された膝掛けがレベルEのクラフト隊長の心象風景イラストで、腹が痛くなるくらい笑った。冨樫義博展で手に入れたらしい。いいな。
その後、連れ立ってフランソワ・オゾンの映画『私がやりました』をサロンシネマにて鑑賞。
もう一歩わかりやすく「男の為じゃねーから!」を示してくれたらなと思うものの、軽くておしゃれで可愛い映画だった。
バカ笑いし、美味しいご飯を食べ、お酒を飲み、とても楽しい一日だった。

私がやられました

※友人にこのブログを書く許可をいただきました

X(twitter)でもう何年もつながっていて、今年の春にはじめて顔を合わせた友人がいる。リニューアルしたばかりの広島市現代美術館へ赴き、造詣の深い彼女に色々教えてもらって楽しい時間を過ごした。
今週、彼女の配偶者が家族に内緒で借金していたことがわかった、という。

嫌すぎる「~といえば」だが、配偶者の借金といえば私、だ。マジで嫌すぎる。(元)配偶者の借金パイセンとして、きわめてお節介ながら、彼女に伝えたのはみっつ。

まず、借金の総額を調べること。
これは、本人に聞いても意味がない。家族に隠れて借金をするタイプの人間は、バレたあとも借金の額を少なく申告するからだ。すぐばれるのになぜ…と思うが、理由は考えてもしょうがないし、そもそも理解しようとしてはならない。そういう性質の生き物なのだ。
使うのは信用情報機関。借金が発覚した直後、勢いに任せて申請してもらうといい。

ふたつめは、貸付自粛制度の存在。
銀行やカード会社が(こいつに金貸して大丈夫かな…ほかに借金ない?)と尋ねる機関に「(私に)金を貸さないで」と登録する制度だ。家族、知人友人等や、闇金への借金は防げないが、一定の抑止力にはなると思う。私の場合はさまざまな事情で使えなかった。

みっつめは、自分の借金ではないと理解すること。当たり前だと思うだろうか。これがもっとも大切で、意外に難しいのだ。
生計を共にする家族から突然借金があると告げられたとき、“車や家の購入以外でローンを組むなんて思いもしない”タイプの人間は、驚き、戸惑い、動揺する。どうしよう。こうしている間にも利子が膨れ上がっている。なんとかしなきゃ。なんとか――。
私もそうだった。しかし考えるべきは「自分の身の振り方」であって「金策」ではない。金策に悩むのは、秘密を打ち明けて妙にすっきりした顔をしている――もしくは、加害者のくせに被害者面でふてくされている――本人であって、家族ではない。

正直、借金が発覚したばかりの私に上記のことを告げたからといって離婚届を出す道なんて選べない。選べなかった。子のない身軽な私でさえそうだったのから、子育て中ならなおさらだ。それでも、同じ立場の人に出会ったら、言わせてほしい。あの時のわたしのために。

それはあなたの借金じゃない。あなたが考えるべきは身の振り方であって、金策ではない。今すぐ貯金(の半分と言っておこうか)を握って逃げたっていい。
あなたが悪いわけじゃない。逃げるなら早い方がいい。人生はやり直せる。
人生は、やり直せる。

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