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『はるかなカナタ』02〜時空連結装置起動⁉︎〜

貴方はいつも突然、彼方から来た。

【OP曲】

『*〜アスタリスク〜』

【登場人物】

ハルカ 🧑‍💻台湾に駐在するITエンジニア
カナタ 👮‍♂️時空警察
社長  有限会社BLACK BOXの研究者

【前回までのあらすじ】

台湾で働くハルカのもとに、突然、警察官らしき男が現れ、執行猶予を告げる。

【本編】

第二話『時空連結装置起動!』

台湾の南、台南市
日本が100年間統治した街並みが、
今でも色濃く残る街

東京駅のような、レンガ造りの建物、
丸い窓、どこか懐かしい雰囲気が、
ハルカは好きだった。

今は、有限会社BLACK BOXという会社で、
″時空連結宅配BOX″の研究をしている。

うちの社長のヒロシって人は、
ちょっとぶっ飛んでいる人で、
ドラえもん顔負けのヘンテコアイテムを、
今の技術でなんとか実現しようとしてる。

ここ最近になって、台湾の大きな企業が、
うちの会社の技術に興味を持ってくれて、
明日は、その大企業のエライ人たちに、
プレゼンする仕事で出張にきている。

そんな時、プレゼン資料の作成に煮詰まり、
思い切って早めに寝て、朝早く起きて、
仕上げようと思って寝ていたら、

何この状況?

イキナリ、部屋に警察官みたいな、
服着た男の子が、ジャージ姿のアタシの顔に、
無節操に、ごっついライトを当てて、

「執行猶予は10秒だ」といい、

10,9,8,‥無慈悲にカウントが進む

ハルカは、一瞬死を覚悟し、
その一瞬で、いろんな思い出が、
走馬灯のように駆け巡る。

去年、夢中になって読んだマンガに、
主人公が死に際に、走馬灯を見て、
死を脱するシーンが思い出された。

人間は死を目の前にすると、
自分の経験の中から解決策を見出すため、
最後の最後まで、脳が悪あがきする。

その瞬間、社長に渡された、
明日のプレゼン用のサンプルの、
5.5cmの正方形を思い出した。

時空連結装置のサンプル

「何かあったら迷わず使え」

もしかして、その″何か″は、今なの?

ハルカのスマートウォッチ

ハルカは、社長特製の
スマートウォッチに話しかける

「時空連結装置起動!」

接続状態

その瞬間‥
目の前にいた、男の顔がギョッとなり、
獣を見たように、まるで反復横跳びを、
するような素早さで、横に飛んだ

ハルカも、それを見てギョッとしたけど、
死刑執行などと、物騒なことを言われ、
気が動転していたのか、明日のプレゼンで、
何度も、何度も社長の前で練習した手順で、
枕元のスマートウォッチを右腕につけて、
正常に起動していることを確認した。

「うん、接続できてる、いける‥」

「時空反転!」

ハルカが、自動連結装置を起動した瞬間、
わずか10秒だけの、時空の旅が始まる。

(つづく)

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