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『迷路/↑THE HIGH-LOWS↓』

散歩をしている時に聞くと、不思議と気持ち良い。酷く落ち込んだ時に聞くと、心が軽くなる。もっと色んな人にこの歌を聴いて欲しいので紹介したいと思う。

のんびり屋さんを気取り フトンに入ったままで
何かから何まで全部  埋めていく雪の日
道路を埋めて 線路を埋めて 地図はもういらなくなる
国境はなくなっちゃった

あわてて重たいドアを ゆっくり開けて出かける
浮きの上を歩いてる 銀色の雪の日
右足で踏んで 左足で踏んで どんどん足跡になる
とうとう道になっちゃった

迷路 迷路 迷路 迷路 迷路 迷路 迷路 迷路
僕が歩いたあとは 曲がりくねった迷路

のん気に浮かんでいるよ ブーンと小型飛行機
頭のとこだけ半分 銀色の写真機
道路をバチり 線路をバチり どんどん出来上がる地図
それから雪が降ってくる

迷路 迷路 迷路 迷路 迷路 迷路 迷路 迷路
僕が歩いたあとは 曲がりくねった迷路

まっすぐ歩かないから まっすぐ歩けないから
僕が歩いたあとは 曲がりくねった迷路

迷路 迷路 迷路 迷路…

「迷路/↑THE HIGH-LOWS↓」より引用


電車や飛行機などの乗り物が好きなインドアな少年。冬休みだろうか。外は雪で外出するのは少し億劫。近所の友達は外で雪遊びしている。本当は混ぜてほしいが興味無いフリをして布団に包まる。「自分の世界に閉じこもる=地図はもういらない」。このままではダメだが他人と関わるのは苦手なので、1人で初めての探索でもしてみよう。カメラを持って色々な景色、乗り物を撮っていくうちに自分だけの世界地図が出来ていくような感覚。人生は迷路のようなもので目の前に壁があるように見えても曲がったり、戻ったりしながら進んでいくものだ。


このような解釈をした僕は、歌い出しから最後のサビまでは、空虚な生活を送る“少年のちいさな冒険”を表した歌詞だと思って聞いていた。正直ここまでは乗り物好き少年の可愛らしい童謡くらいのつもりで聞いていた。メロディーも良いし好きだなーと。ところがどっこい。「まっすぐ歩かないから まっすぐ歩けないから」と。僕が乗り物を好きだった過去などない。人生を迷路のようだと思ったこともない。ただ「他人とズレてるな」と感じていた僕の心に突き刺さった。

ヒロト、凄すぎるって。こんなに簡単な言葉で、こんなに簡単な文法なのに…。子供用の絵本で出てくるような言葉がほとんどなのに、大人にしか分からないビターな味わい。これぞヒロトという他ない。

まっすぐ歩けない人。歩きたくても歩けなかった人。なんとか堪えて歩けてる人。人間は生まれてから死ぬまで、幾度となく迷路の中で壁にぶち当たる。ぶち当たり真っ只中の僕もフラフラだ。そんな僕が他人に救いの手を差し伸べる事は出来ないが、この歌を教える事くらいは出来る。とりあえず、明日も頑張って起きよ。