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『知』という武器を手に私たちはこれからの時代を生き抜いていく。

自分のスキルを高め続けるのに、優位な働き方ってほかにないかな?

これは、専門知識をもって誰かの悩みを解決していくすべての職業の人に当てはまることだと考えている。

私たちのような仕事をする人たちは、各々独自の『習得システム』を構築していることが多い。

というのも、商品の仕入れという作業がない分、日頃から『知』の習得に時間を割かなくては継続できない職業だからだ。


たとえば私の場合、必ず3つの視点を持ってヒアリングを行うようにしている。

・状況の俯瞰(ふかん)
・ビジネスモデルの不具合
・オペレーションの不具合

この時に、もっとも重要なのが『俯瞰』という能力になる。

クライアントの多くは自分の思考の枠にハマっており、そこから抜け出せないがゆえに問題を抱えている(と思いこんでしまっている)ケースがよく見られる。

例えば身近なものに例えると、部屋がいつも汚いのでどうすれば素早く片付けや掃除をすることができるだろうと考える人がいるとしよう。

その人は、テレビで話題の収納グッズを購入したり、片付け術の本を読み漁ったりしながら、必死に解決策を模索し、だけどなかなか片付かないためモヤモヤを抱えているとしよう。

これが思考の枠に囚われているという状態。

これはそもそも、“部屋が汚くなる前提” でものごとを考えているからそうなるわけで、最初から部屋にモノがなければ、汚くなるという考え方そのものが不要ということになる。

これをコーチングの世界では「チャンクアップ」と呼んだりするが、そもそもの大目的に立ち返ると、いま目の前にしている問題そのものが問題でなくなるというケースがよくある。

これは『ロジカルツリー』と呼ばれるフレームワークで考えてみるとその論理がよく分かる。

「手段が目的化」してしまうシンプルな原因、について詳しく書いているこちらの記事があるので読んでみると面白いと思う。

https://note.mu/n_harima/n/nf9e99648f7b0


この俯瞰のスキルを身につけるために1つの大事な要素が「経験」だ。自分がその人と同様の悩みをすでに解決していたり、さらに上位の悩みを越えてきた経験があれば、その問題を高い視点から解決に導くことができる。

そしてもう1つが「教養」という武器だ。

音楽や絵画、芸術などのリベラルアーツを学び、日頃から触れていることによって『知』が磨かれていく。

従来の働き方は、自分の専門分野を1つ確立させれば将来が安泰だったという前提に基づいている。

しかし現代では、数々のイノベーションがもの凄いスピードで展開され、あらゆるものが高速で陳腐化してしまっている。

日本国内で大きな携帯電話市場を占めていたパナソニック、東芝、NECはiPhoneというスマホの登場によって撤退を余儀なくされた。

さらにいうと人の寿命が延び、人生100年時代というものが謳われる中、企業の寿命は10~15年だという結果が日経ビジネスと帝国データバンクの共同調査によって明らかにされている。

つまり、現役で働く60~70歳までに私たちは、2~3回の転職なりなんなりを経験することが当たり前の時代になるわけだ。

こういう時代において「教養」こそが重要だと説くのは、『独学の技法』(ダイヤモンド社)の著者でもある山口周氏だ。


「俯瞰」の力が大切だとすでに書いた。そしてその能力を身につけるためには経験と教養がものをいう。

教養を学ぶ、リベラルアーツを学ぶということは、大きな「俯瞰」の力を習得させ、『知』という名の武器を磨き上げる。

もう少し具体的にいうと、教養で得た知識を置き換えることによって、専門分野がより磨かれるということだ。


私は日頃から、すべての本質は「生態系」に由来するという仮説をもって知的戦闘力を高めるように努めている。

売上を作るということはお客様から感謝されるということ。ここに1つの循環がある。

これは食物連鎖に似ている部分があると思っていて、食べるものと食べられるものがいるからこそ循環して種が保存されていくわけで、資本主義の中のお金という概念も、お金を払う人とお金をもらう人がいるから回る。

とても当たり前のことだけれど、この循環が滞る行動をするということはすなわち衰退を意味していて、そう考えると「貯金」という概念に対する疑問を持つキッカケになるし、「学びを止める」ということについてのリスクも考えられるようになる。

いつでも視点は「循環しているか?」なのである。


同じようにビジネス活動もそうで、自分でこういう商品をこういう作戦で売りたいと思ってもそのようにはコトが運ばないことがある。

一方で、予期せずに売れていく商品があり、紹介されていく商品があり、結果としてなぜか売上が立つ、という状況がある。

この流れを私は「生態系(エコシステム)」と呼んでいて、決まってくる形に逆らわないことが重要だと考えている。

自然とそう決まってくるということは、少なからずそこには生態系が関連していて、自分の無意識がその循環を生んでいるということになる。

ということは、「自分が持つ生態系は何か?」という問いを持つことが自分のビジネスを加速させるための1つのヒントなる。


このような視点を持てるのは、専門分野の習得に限らず、教養という面に意識を起きつつ、日頃そういう「問いと仮説」の視点でアンテナを張り、ものごとを観察・考察しているからに他ならない。

とはいっても、私の教養レベルは本当に幼稚なもので、だからこそここからの発展に大きな期待が持てている。

つまるところ、ノウハウやハウツーと呼ばれるものがつまらないのは、教養のレベルがもたらす成果と比べて、あまりに安直で小さな結果しか生まないからだ。

守破離の考えに従うのであれば、最初の「守」こそノウハウやハウツーが生きてくるものの、そこからは『知』を深め、本質を探り、俯瞰した視点を持てることがこれからの、より変化が早い時代についていくための秘策なのではと思っている。


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