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Viva Technology 2019撮って出しレポート

パリで開催された今年4回めのViva Technology。オープンイノベーション、大企業とスタートアップの共創をテーマにした世界最大級のイベントです。

縁があって、初回の開催から今までに4年連続で参加させていただきましたが、毎年少しずつ変化を感じています。

そんなViva Technologyの様子をレポートしたりしていたのですが、無理にまとめようとするよりも、参加して感じた雑多なものをそのまま紹介してみようと思いました。多種多様なスタートアップが様々な業界という切り口で一堂に会しているのが一番の魅力のイベントだと思いますので、まとめるよりも興味深ったものをおのおの並べていくほうがこのイベントの様子が伝わりやすいかと思います。

結果的には、思った以上の画像、文字量になってしまい公開が遅くなってしまいました。全体で約110枚の画像を使用しており、おそらくnoteでひとつの記事で使用した画像数としては一番多いのではないかと思います(途中でちょっと後悔しました...)

Viva Technologyとは?

冒頭でも説明をしましたが、Viva Technologyとはフランスの各業界をリードする世界的な大企業が中心となって、各大企業がアクセラレータで支援したり、事前に公募のテーマを設定して、そこに応募してきたスタートアップを選抜し、ひとつの大企業あたり、50-100社といったスタートアップを選抜して、一同に展示を行っているものです。

例えば、通信業界では、フランスの最大手キャリアOrangeが100社、モビリティ関連ではフランス国鉄が100社、ファッションやラグジュアリビジネス関連でルイ・ヴィトングループが100社、旅行関連ではAccorホテルグループが100社、フィンテック関連ではBNPパリバが100社といった具合です。

もともとは世界的な大手広告代理店Publicys社が90周年を記念して行ったイベントだったのですが、大好評となり、マクロン大統領も参加する肝いりのイベントとなり、ハードウェアスタートアップが盛り上がりを見せるFrench Techの動きなどもあり、年々大規模化しています。

最初のViva Technologyの立ち上がりの経緯やその様子を、下記個人ブログで2016年に紹介させていただきました。

スタートアップが数千社集まったパリViva Technologyはスゴかった #Vivatech

今年は、5月16日から18日の3日間で来場者が12万4000人を超えるイベントとなりました。その中でスタートアップが13000社、投資家が3300人参加しています。ちょっと他にはない規模感のイベントです。余談ですが、ラスベガスで開催されるCESの来場者は2018年で106000人、出展社数で4600社でした。集計の仕方による差などもあるかと思いますが、かなりの規模感であることがわかるかと思います。

今年のViva Technologyは昨年までとどう変わったの?

1.会場が広くなりました

わかりやすく年々会場が広くなっていって、出展スペースが広がり続けています。

まず2016年。

青いところが、講演が行われているスペースで、赤いところが分野ごとの各大企業が支援したスタートアップが展示を行っているスペース。ちょっと文字がぼやけていますが、エネルギー、リテール、テレコムといった分野がみえます。この年には、中央のオレンジのDiscovery Arenaというスペースでピッチをさせていただき地元のアクセラレータから賞を頂くことができました。

続いて2017年。

青色の大企業によるラボが前年の15,6箇所から20箇所に増えていて、中央のDiscovery Zoneというエリアが広く設けられました。この年は、このDiscovery Zoneで、前職でのCerevoのプロジェクターロボットTipronの展示とピッチをさせていただきました。

そして2018年。

(EDGEofのAlexさんから、画像をおかりしました)

右上のステージがギリギリまで使うようになり、密度もすごくあがりました。この年は、ジェトロさんがブースの場所を確保し、Jetro Innovation Programで選抜いただいて、弊社FutuRocket社も出展、ピッチをさせていただきました。

そして今年、2019年。

ついに道をはさんだ隣のホールまで会場が広がりました。そしてViva Technologyメイン会場Hall1の隣にあるドーム型の建物も、Stage Oneというスペースにとして活用されています。講演系はほぼスルーしていたので、この変化には気が付きませんでした。

2.エアバスが消えて、シトロエンが初出展

今年の大きな変化としては、ドローンや航空宇宙系のスタートアップを選出して展示させていたエアバスがいなくなったこと。そしてシトロエンが初出展を行っていたことです。

またシトロエンほどの規模ではなく、お付き合い程度ですがルノーも展示を行っていました。今年はエアバス以外にも、未来のゲームやEスポーツといったテーマでのスタートアップの出展の支援をしていたフランスの競馬馬券販売公社PMUが出展を行っていませんでした。また去年はカルフールが消えたりと展示社の入れ替わりが少しずつ起こっています。

3.大企業寄りの展示に?

昨年まではラボと題した、各業界を代表する大企業がスタートアップ何十社を展示する形態が主流だったのですが、今年はCiscoなど単独出展をしている企業ブースが増えたり、Viva TechnologyだけでなくCESでもスタートアップ各社を展示させていたフランスのエネルギー会社Engie社も出展の規模が小さくなっていました。

また各大企業エリアの中で出展していたスタートアップのブースも、会場内どこのブースも形態が同じものを色違いで使われていたのですが、今年はラボ形態以外のブースが増えていたため、統一フォーマット以外のスタンドで展示を行うところが増え、バラバラな印象を受けました。

(ラボの形態で、スタートアップ各社の出展を支援していたaws)

そうした変化からスタートアップ中心から、どちらかといえば大企業がリードしている展示会になってきているように感じました。今まではオープンイノベーションに対してそれほど積極的ではなかった企業担当者が、注目を浴びるようになったことで本腰を入れ、結果的に企業の色がより濃くでるようになったのではないかと思います。(個人的には保守的でつまらなくなった、とも感じました)

(ロレアルのブース。以前はIoTヘアブラシを開発したwithingsもブース内で出展していたりしていたが、今年は単独での出展でスタートアップ色は無し。ただ女性のおすすめヘアスタイルをARミラーでアドバイスするというブースで人気を集めていました)

(巨大な顔のオブジェの裏はこのような体験コーナーに)

余談ですが、同時期に行われていたメイカーフェアベイエリアは、スポンサー問題により今年の開催が最後になると言われています。スタートアップを中心としたイベントより、企業寄りのイベントの構成のほうがスポンサー費用が獲得しやすいといった事情があったかも...とも思います。ただその結果、世界的に見て唯一無二だったこのイベントがその特色が薄れ、他にもある業界イベントに似たような形に寄ってしまったように感じたのが少し残念でした。

4. Huaweiの初出展と中国勢

Viva Technologyのタイミングでは、Huawei端末の販売中止や、ARMなどの取引停止といった世界的な動きはまだ明らかになっていなかったのですが、ここ数週間で大きく変わりましたね。

今年初出展していたのがHuawei。P30の発売イベントをパリで行ったり、アフリカ諸国への販売に力を入れていることもあり、玄関口ともなるフランスに注視をした結果だったと思います。

これはHuaweiが支援しているブースの中で見かけた靴の中敷きをスマート化し、転倒防止などに活用しようというスタートアップ。充電が煩わしそうなので、そこが普及への鍵でしょうか。

この他にも、昨年のCESに出展していたフランス企業Velcoのスマート自転車ハンドルバーなどもこのHuaweiブース内で展示されていました。今後こうしたスタートアップがどのように取り組んでいくのかも今となれば気になります。

この他に上海が支援しているブース。

そして韓国もかなり大きなブースを出していました。

このあとViva Technologyの会場の様子を撮りためた画像を中心に紹介していきたいと思います。

Hall 2入り口付近

例年、入場のときは大混雑となりますが、混雑を避けるために設けられた第2入り口。そのHall2の入り口前には、空飛ぶ車Aeromobilのモックアップが鎮座していました。

パッと見、フロントヘビーのような感じもますが、こちらすでに注文受付中です。

会場を後にするときは、翼が折り畳まれた状態になっていました。

Hall2は、スタートアップと投資家の打合せ用のラウンジなどが集まっています。このあたりは去年までは会場の隅のほうにありましたが、雰囲気も良くなり、ポルトガルで開催されている世界的なスタートアップイベントWeb Summitに近い感じになりました。

Hall2からHall1の通路

去年まではハッカソン会場になっていたこの通路。今年はモビリティに関する展示などが行われていました。

8本ローターの人が乗れるドローンや、

ワルシャワを中心にエストニアのタリン、ドイツのベルリンを結ぶハイパーループを建設しようとしているHyper Polland

ベルリンーフランクフルトーパリを結ぶという野心的な計画もあります。資金調達を行うためのクラウドファンディングを実施中で、オフィシャルパートナーにLOTポーランド航空がなっています。

オラクルによる展示。ヤマハのバイクにどんなセンサーをつけて計測しているのかが知りたかったので、撮影してみました。

Hall1 Softbank Robotics

通路を抜けると、Hall 1の裏側かに出て、メイン会場全体を見渡すことができます。

この入り口のスペースで出展していたのが、Softbank Robotics。

以前は日本にも担当者がいるHoomanoを始め、協力アプリ開発会社など10社程がスタンドを設けて、一堂に出展していたのですが、今年は、Softbank Robotics単体での出展のように見えました。ここでも、スタートアップとの祭典という雰囲気から、イノベーションに関する展示会へと色合いが変わってきているような印象を受けました。

シトロエンブース

初出展ということもあり人気を集めていたシトロエンブース。

メインの展示は、このワイヤレス充電できる電気自動車のコンセプトモデルだったのですが、脇にあった小型のコンセプトカーがかわいくて気になりました。

ドアの取っ手がとてもオシャレ。

カーシェアリングを意識した車体のQRコード

社内空間も個性的で面白いです。

イノベーティブなハードウェアが展示されたDiscovery Zone

例年、ハードウェアのプロダクトなどが中心に展示されるディスカバリーゾーン。その中心にはピッチステージが設けられています。今年は、展示よりもピッチステージのほうがより大きくなり、ステージ中心となってしまい、出展を行っているところが少なくなっているように感じました。

Vaonis社のスマート望遠鏡。タブレットで操作ができ、見たい天体をメニューから選べば、自動的にレンズがその方向を向いてくれるというもの。とても素敵な製品ですが、この製品が活用できる星空のきれいな場所が今は一番贅沢なものになってしまったかもしれません。

ここは去年、ボルドー地域のスタートアップとして昨年も出展していたところ。砂の形を変えると、高低差に応じて色が投射されるインタラクティブな装置。その時は、用途が明確ではありませんでしたが、今年は認知症などの治療のためという理由が設定されていました。

誰の何の課題を解決するか、というのは大事なことですが、少しこじつけでつけているような感じがしたのが残念です。日本だけではなく、海外でも、「誰の何の課題を解決するのか?どんなペインを解決するのか?」というのが決まり文句になっていますが、そうした視点だけでなく、素直に面白いプロダクトもみてみたい気もしますね。

最近気になっているのが、ポストイットはどうして普及したのだろう?かということです。確かに付箋やメモとしては便利ですが、それが代替不可能なものであったのか?大企業が大規模なマーケティング、営業活動をしなくても果たして世の中に普及したのだろうか?日本企業がポストイットの原型を発明したとして今の時代、それを普及させるための大きな打ちてができるのだろうか(社内の稟議を通していけるのだろうか?)と考え出すと、夜もグッスリと寝れます。

CESでも見かけたとてもかわいいフクロウ型防犯カメラ。目の部分がディスプレイになっていて、目の色の変化などで通知がなされます。

とても個性的で好きなアプローチですが、市場としてのウケはどうなのかが気になるところ。BtoBユーズへの転用が難しそうで、BtoCマーケットに縛られてしまうのが苦しいかもしれないですね(そうなると、BtoB向けにも大量に売られているセキュリティーカメラとの競争になってきますし)。アプローチとしては面白いし、好きなので、いつかうまく参考にできないかな、と思っています。

街頭などにつける、ソラー発電と風力発電をハイブリッドにした装置。この手のハードウェアスタートアップは、どういう経緯から立ち上がっているのかが気になるところ。来年、こうしたスタートアップが出展していたら聞いてみたいと思います。

フランスらしい?靴磨きロボット。個人的には純粋な革靴はほとんど履く機会はないのですが、チャンスがあれば利用してみたい機械(シャレではない)です。かなり細かな動作をブラシが行っていました。

CESでも出ていた、フランス発のオシャレな小型食器洗い乾燥機。自称世界最小だけれど奥行きがかなりあるし、パナソニックの卓上食器洗い乾燥機のほうが小さいかもしれません(という野暮なことはさすがに直接言えず)。

こうした動きは、かつては日本のメーカーが得意としていたところだと思うのですが、今の日本のメーカーからは保守的なものが多く、こうしたアプローチが減ってしまっているように感じるのが残念です。

パワードスーツ。これ自体は、類似のものが他にもありますが、今年のViva Technologyは一部を除いてロボット系の展示物は減ったように感じました。

またそのロボットも実用的なものが多く、面白みよりも全体的に実用性に寄ったものが多かったような気がします。これはViva Technologyに限らず、他の海外のスタートアップ系のイベントに参加していても感じています。

RobotPark

RobotParkは前述のとおり今年は実用的なロボットが中心に展示されているように感じました。こちらは外科手術用のマニピュレータ。

ANYmalはガスプラントや油田などで監視用に使われるロボットでセンサーにより周辺の地図情報を自動生成し、自動で動くことができます。サイズが大きめの割には重さ30Kg程で運用性にも優れているようです。

ルイ・ヴィトングループ

毎年華やかなルイ・ヴィトンブースですが、数年前から人が絶えることがなくて、ちょっと苦手だったりしますw。

こちらのブルガリのハンドバックはスマホでタッチすると、特別なコンテンツにアクセスできるようになっています。右手に見えるのは、その人の指のサイズをスキャンして、お気に入りの指輪を購入することができるゴージャスなブルガリの自販機。

こちらは二枚の画像から、3Dモデルを生成し、バーチャル試着ができるサービスを提供しているスタートアップ。ルイ・ヴィトンブース内で賞を受賞していました。

こちらはサーモンやワインなどの生産者情報をパッケージのQRコードで提供しているEVRYTHNGによるユースケースの紹介。

このようにボトル裏のQRコードから情報が確認できます。QRコードの右横にはConnected Bottleというロゴマークが。

そしてルイ・ヴィトングループの展示の中でとても気に入ったのが、ブース内の出展会社やイベントスケジュールを紹介している、こちらのパンフレット。まるで高級レストランのメニューかワインリストのようですね。

La Poste(フランス郵政公社)

CESでのスタートアップ展示にも力を入れているLa Posteのブース。このLa Posteと、Accor Hotels、Valeoのブースが個人的には見ていて一番面白かったブースです。

Lougageは旅先で服をかりることができるというサービス。手ぶらで旅行に出かけて、服は現地でかりるというスタイルを実現します。ビーチ用のかわいい服や、アウトドア用のジャケットを借りたり、というユースケースが提示されていました。

このプロダクトは子供に持たせて、図書館や美術館への入場パスになったり、親が支払いをしてスポーツの試合や映画のチケットとして使えるようにするスマホと連携するスマートタグ。boucanというのは肉を燻製するための木枠のことで、この丸みを帯びたデザインがいいですね。

BNPパリバ

お洒落なルイ・ヴィトンのブース以上に曲線を活かしたフレームで造作がきれいだったのがBNPパリバ。フィンテック関連のスタートアップ中心に展示を行っていました。

フィンテック周りのサービスは展示ブースからはサービスの良し悪しを判断するのが難しいので、フレンチテックで選出したフィンテック企業150社という結構分厚い冊子をもらってきました。時間があるときにこちらは一通りチェックしてみようと思っています。

Vinci

Vinciは日本ではあまり馴染みがない会社ですが、世界総合4位の建設会社。空港運営事業も行っており、関空の運営にも関わっています。

建設会社によるブースということもあり、弊社でも関わりのある領域であるスマートシティーやIoT関連のスタートアップの展示が多かったです。

Accor Hotels

Accor Hotelsのブースは、いつも遊び心があって、ゆるい感じがしつつ、スタートアップの展示も充実していて今年も楽しませていただきました。

Starboltはホテルやユースホステルなど向けに、電動バイクや電動自転車のライドシェアを提供しているサービス。旅先にあると確かに便利そうですね。

RATPグループ

パリのメトロやバスを運営しているパリ交通財団のブース

#RATPLovesStartUpというハッシュタグが掲げられていましたが、RATPグループのPRをする箱がブースの多くを占めており、スタートアップの展示スタンドスペースが昨年より狭く、少なくなったように感じました。ビーチチェアがあるとちょっとお洒落な雰囲気になりますね。

Valeo

Tier1の自動車部品メーカーであるValeo。やはりモボリティ関連のスタートアップが多くこのブースの中で展示をしていました。

このTwinswHeelは去年のViva Technologyでも、ディスカバリーゾーンで展示を行っていました。配達用の自動走行ドローン。

Smapという名称に思わず足を止めてしまいましたが、自動車を2年間保険やガソリン代込でレンタルできるサービス。さらに自分が利用していないときはサブリースできる仕組になっています。

通常の自動車リースと異なるのは、ガソリン代やメンテナンス代まで含めた月額料金制であること、そしてその月額料金の負担の一部をサブリースすることによって回収する仕組みが織り込まれているということです。

AWS

今年からawsも選出したスタートアップの展示を支援する形で大きなスペースで出展していました。awsはWeb Summitでもかなりスポンサーをしているし、スタートアップ支援には相当力を入れていますね。

Huawei

前半でも紹介しているHuaweiブースですが、いくつか面白いスタートアップの出展もあったので改めて紹介してみたいと思います。

これは写真だとちょっとわかりにくいですが、CESのEureka Parkにも出展していたスマホのデジタイザペンを操作するロボット。スマホやアプリの操作のデモを行うことができるロボットです。

こちらはCESで撮影したデモの様子。動画での動きをみてみるとよく分かると思います。

こちらも海外の展示会でよく見かけるCosmo connectedによる、ヘルメットにつけることができるスマートブレーキランプ。

Orange

今年のフランスのテレコム最大手Orangeブースは曲がりくねったパイプがブース上に張り巡らされていて、中をオレンジのボールが動いていました。インターネット回線を流れるパケットを表現していたのかな?

ここでは私も参加させていただいているOrangeのアクセラレータプログラム、Orange Fabから選出されたスタートアップなどが展示を行っています。

日本からも数社選抜されていますが、残念ながら私が訪問した日は展示しておらず。Orangeブースはアクセラレータに参加しているスタートアップも多いし、出展希望社も多いので、日替わりでの出展。(他にも日替わりというところが結構あります)

ここで撮影したのは、ブロックチェーンを使ったオンライン投票システム。この手のサービスはニーズはあるのでしょうが、実装をどう進めていくか、戦略が求められるところですね。

TF1

フランスのテレビを中心としたメディア会社TF1。コンテンツ、メディア関連、広告関連のスタートアップが出展していました。ソフトウェア中心のサービスの場合、どうしてもスタンドでの展示が地味で興味を引きにくいものになってしまうのであまりじっくりと見ていくのが難しいのですよね...。

私がハードウェア中心に興味を持っているということもありますが、業界ごとに様々な見方を参加者が体験できるのもこの展示会の醍醐味ではないかと思います。

ブイグ

フランスの建設関連を中心としたコングロマリットであるブイグ社。

昨年は、こうしたスタートアップのスタンドがブースの前面を覆っていたのですが、今年はスタートアップのスタンドスペースも狭くなって、限定的になったような印象をここでも受けました。

大企業のほうもオープンイノベーションの展示会になれてきて、各企業ならではの展示を充実させようとした結果なのかもしれないですね。

SNCF

フランス国鉄SNCFのブース。ここのブースも例年よりも、スタートアップ関連のスペース以上に、SNCF自体のPRスペースが大きく設けられている印象を受けました。

モビィリティー関連の企業だけでもValeo、RATPなどのブースがあり、フランス国鉄というくくりだと、自分たちの趣旨にはまったスタートアップを数多く選抜するのが難しかったのかもしれないですね。とくに例年こうした展示を行っていると新規プレイヤーが発掘できにくくなってくのかもしれません。

韓国

韓国からの出展は去年もありましたが、今年は少し規模が大きくなっていたように感じました。

スマート犬小屋を展示しているこちらのスタートアップが目立っていました。商品名もavecとフランス語が元になっていますね。

ルクセンブルク

ルクセンブルクのブースでは、月面探査ロボのプロジェクトで知られる日本のispaceさんが展示を行っていました。

Viva Technology後に、ルクセンブルクで開催されたICT Springに参加したのですが、そのときにルクセンブルクが宇宙関連のスタートアップ支援に力を入れており、ispaceがその試みをうまく活用している話を現地で聞いてくることができました。

台湾(台湾テックアリーナ)

CESでも存在感がある台湾のブース。ですが、今年みたViva Technologyでは大きなパネルがあり、スタッフが中央の受付スペースにしか配置できないというちょっと味気ないものでした。スペースにかなり制約があったのかもしれないですね。

ルワンダ

最近、アフリカで注目の国としてあげられることも多いルワンダのブースも。残念ながらそれほど目立った展示ではなかったです。

アフリカTech

アフリカTechというのは最近よく目にするようになったキーワード。特にViva Technologyでは力を入れていますね。

IoTや新しいシステムは、スマホの普及でも見られたように、既存のシステムがなくスクラッチから新しいシステムを入れることができる新興国のほうが導入が容易であったり、大きなインパクトを生み出しやすかったりしますよね。

こちらはウガンダの学校に通うための持ち運びできる折り畳み椅子。

このように屋外でも机がわりに使え、青空教室でも使える、というのが売りなようでsす。

少しステレオタイプのようなアフリカ感かな、と思いましたが、実際にまだまだこうした用途が受け入れられる場所は多いのかも。

こちらは太陽光電池で可動する売店スタンド。フランスの石油会社、トタルがこのような試みを支援しているのが興味深いですね。

アフリカTechコーナーでの出展は、少しステレオタイプかなとも感じたアフリカ像に適したプロダクトなどが展示されていましたが、今後はむしろアフリカから最新技術のものがでてくる、という展示を今後は目にしてみたいですね。

デンマーク

デンマークのブースは、思わずああ、これでいいんだよ、これで、と心の中でつぶやいてしまった展示形態でした。標準のスタンドが表に2社、裏に2社の計4社の小さな展示スペース。それだけです。

デンマークであることを示すのは、赤い大きなスタンディングバナーのみ。

日本のスタートアップも海外で展示するときは、まずこの小さな、低予算の取り組みでいいと思うのですよね。

まずは小さく、いろいろな機会にトライしてみる。

日本のスタートアップの海外の展示会への参加は量的に圧倒的に足りないと思っていますので、少しつずつでもこうした展示を予算をかけずにトライしていくのがいいのだろうなぁと思います。

単独ブースMamut

Matmutはフランスの保険会社で、プラスチックごみの削減を訴えるために、プラスチックを燃やして走るボートで、世界一周するというプロジェクトを紹介していました。

単独ブースCISCO

CISCOのブース、非常に立派なのですが、このようなブースであれば個人的にはViva TechnologyでなくともMobile World Congressや業界ごとの展示会でみることもできるな、と考えてしまい、あまり魅力を感じないのですよね。

Viva Technologyに対して来場者が何を求めるかは人それぞれではあると思うのですが、スタートアップと共同での出展により、他にはないケミストリーが体験できる場であるのがViva Technologyの一番の魅力なのではないかな、と考えています。

ロワール地方のブース

フランスの地方ブースの中では、このロワール地方が今回は特に目立っていました。

CESでもそうですが、French Techというひとつのブランドは、全体でひとつのブランドでフランスのテクノロジー系スタートアップを展示しつつ、各自治体が出展をお互いにしのぎを削って競いあってもいます。

レオナルド・ダ・ヴィンチ終焉の地がロワールの城でした。

そこでイノベーションの象徴として展示されていたダ・ヴィンチの人力飛行機模型。

コートダジュール、マルセイユ地方のブース

こちらは南フランス、マルセイユやコートダジュールといわれる地方の自治体のブース

Emuageというユーザーが自分で好みの化粧品を作成できるガジェット。

こちらのO'Solも今年のCESや去年のViva Technologyのディスカバリーゾーンで出展していた会社。1年たって事業がどのように進捗しているのか。慌ただしく通り過ぎてしまいましたが、久しびりにきいてみたかったところです。

こちらは海の港の情報をモニタリングしたり、船を誘導するために使うスマートブイを開発しているスタートアップ。こうした旧態依然でずっと変化がなかった分野にはイノベーションによる恩恵を生じさせられる余地がありそうですね。

ツールーズを中心とした地方のブース

こちらはフランスのツールーズ地域のブース。他の大企業や、同じ地方ブースでも、マルセイユやロワール地方のものとは違っています。微妙な違いですが、スタンドのポスターを立てかける板がメッシュになっていないので、見通しが悪くなっていますね。

LE Village

Le Villageはフランスの各地、現在29箇所で展開しているアクセラレータです。今年のCESでも10社ほどのスタートアップを出展させるスペースを設けていました。

仕事でハンコが必要となる文化を撲滅させたい...と考えている方も多いかもしれないですが、これはその思惑とは逆行するようなスマートスタンプですw。

スマホのスクリーンにスタンプを実際に押す、という操作はシュールですねw。

ただ弊社でもhackfonというアナログ電話をアマゾンダッシュボタンのように、ダイヤルボタンを押すことでスマートデバイスを操作できるようにするデバイスを開発していますが、物理インターフェイスならではの利便性というのものが、あらゆるものがデジタルで置換されればされるほど、見直されていくのではないかと考えています。

この製品がその延長線上にあるかはわかりませんが、そうした観点から生み出しうる新たな製品は他にもまだいろいろとありそうです。

Le Villageのブース内でみかけたグラフィックレコーディング。

こちらは懐かしい感じの携帯ゲーム機を制作しているフランス企業Gameeuino。

日本だとこの手の会社はなかなかスタートアップやイノベーション関連企業という範疇に入らないかもしれないですね。

ゲーム機は日本にある世界的な企業だけでなく、小さな組織でも可能ですし、フラットに考えてみると、スタートアップならではの提供価値があるのかも、ということを考えさせられました。

日本には大きなゲーム会社があるからこそ、こうした動きは出にくいかもしれないですね。

これはsherlookという落とし物をした人と、落とし物を見つけた人を結びつけるためのWebサービス。日本のIoT関連スタートアップで有名なMamorioが創業初期は落とし物.comという名称で似たようなコンセプトをWebベースで手がけていたというのをこちらをみて思い出しました。

GREEN TECH PARK

会場の雰囲気を数多くの写真と共に紹介してきましたが、そろそろ終えたいと思います。

こちらは、Hall2に設けられていたエコな技術、プロダクト、スタートアップを紹介するGREEN Tech Park。

ここの一画にスムージーの自動作成販売機が展示されていました。

このように様々な材料をブレンドし....

美味しいスムージーを手軽に楽しむことができます。オフィスにこうした自販機があるといいですね。

こちらのベンチは太陽光パネルが座面になっており、スマホの非接触充電も行うことができます。

展示会の終わり間際でみかけたPepper。

こちらはリヨン地方の展示ブースに置かれていたもの。(Hoomano社というPepperアプリ開発会社のものかと思います)

Pepperもお疲れの様子でした。

このひょうにViva Technologyという他にもあまりない形態のオープンイノベーションをテーマにした展示会の様子を画像と共に紹介させていただきました。

また来年もViva Technologyに参加し、5年目の変化を感じながらレポートをなんらかの形でお届けできればと思います。

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美谷 広海

楽天、グリーで海外事業に従事後、HWスタートアップCerevo社を経てFutuRocket社を設立。マイクロスタートアップとして、海外のイベントに積極的に参加しています。2019年CES出展。French Techに注視中でパリViva Technologyに4回連続出展・参加。

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