読書メモ 『考える技術』

元気です。

年間100冊を目標に本を読んでいるのですが、もっと血肉にしたいので、読んだ本を簡単にまとめていきます。

今日読み終わった本から。

『考える技術』
大前研一著読了
講談社文庫


世界的コンサルタントの大前氏が、考えるためのフレームワークと考える力をつけるためのトレーニングを紹介。企業活動は物理現象と同じというところに共感。

ピラミッドストラクチャーで考えることなどは本でよく読んでいるが言うは易し行うは難し。ノウハウだけではなく、どのように大前氏自身が考える力をトレーニングをしているか。電車で移動中の30分の間に企業のコンサルタントになったつもりで、課題を分析するトレーニングをひたすら繰り返していたのだそう。

問題解決のプロセスとして紹介されていた事例を簡単にまとめてみよう。

営業が弱いから営業マンが元気が出るような施策をするべきだとこうするというような、問題をひっくり返して課題解決と考える浅い解決ではなく、問題を論理的に分解して分析するべきと説く。そのためには、あらゆる角度から問題をもれなく・だぶりないように細分化し、様々な角度から切って、本当の課題は何なのか?ということを詰めていく。例えば、「〇〇の商品の売上が悪い」という問題がある時、「製品が悪い」「営業が悪い」と社内の話を聞くだけでは本当の問題にはたどり着けない。
売れている営業マンが会社に20%いるとしたら製品が悪いとは言えない、という仮説から、売れていない営業マンと売れている営業マンの違い、地域差、年齢差、顧客セグメントの違い、など、様々な角度から何がそもそもの問題なのかの「仮説を立てる」のだという。

ここで出てきた解決できそうな索は「仮説」であるので、これが間違いなく原因である、と言い切れるまで、フィールド調査をしていくそうだ。フィールド調査とは実際に現場の営業マンのヒアリングをしたり、営業マンの同行をしたりするらしい。その際に、一緒についていくと実は営業マンが道を全く覚えておらず、営業をサボっているということや、営業所長が売上をネコババしていたということが営業成績が伸びない原因であるとわかったこともあるそうだ。

この様に「表出している問題」と「その原因」は同じではなく、より解像度が高く、原因を明確にすることが重要なのである。

そしてそのために「具体的な提言」をすること、そしてやるべきことを10個挙げるのではなく、1、2個の提言をすることが重要という。それは、いくつも挙げても、結局は実行されず元の木阿弥になるからだそうだ。これは非常に納得がいく。1,2個の提言になるまで、本質的に問題を解決できる索が見つかるまで、仮説を磨き上げるのだという。
その最終的な提言というのは、経営層や決裁者にとって受け入れがたい結論であることも多いという。「この商品からは撤退すること」「今年中にここの工場を全て閉鎖する」など思い入れのある商品やマーケットであったりすると余計に反発が強いだろう。そんな中でも、きちんと誰でも納得できる論理を示すことが何よりも大事で、「この提言についての原因はこれです。証拠はこれこれとこれこれです」と明確に伝えることが重要であるとのことである。

本著の中で「解決出来ない問題は無い(撤退などの選択肢も含めて)」と言い切っており、この様に論理を積み重ねることで、明らかに見えてくる答えを導き出すのはまるで魔法使いのようであり、細かく見ていくと緻密に組み立てられた論理構成の結晶であるということがわかる。

また、最終的な提言をする前のチェックポイントとして紹介されていたのが有用そうであったので紹介しておく。

「要するに何が言いたいか」
「一言でいうとどういうことなのか」
「その証拠はあるのか?」
「そのそれぞれの証拠はあるのか?」
「ないならどんなことが言えるとそれが言えるのか」

という質問を繰り返すことで、論理の抜けや詰めるべき内容が見えてくるという。


知の巨人と思える大前氏の思考も一つ一つが地道な論理的思考を積み上げ、日々磨き上げていることがわかる一冊。
筋トレと同じで「今からでも論理的思考力は磨くことができる。ぜひきちんと論理的思考力を磨いてほしい」という。今日からでもトレーニングを積み、考える技術を磨いていきたい。

#浩哉読書

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