【現代詩】美貌の青空

痛みを忘れるために
カルモヂインを歩き続けた
旅に病んで
目を開いたまま
夢の中にいる
春の日の
短い記憶に
留まり続けた
瞳孔は
魂の傷口
美貌の青空を
映している
花嵐が
空を薄紅に染め上げ
花弁に月が解けていく
愛しい人の
忍び声は
小さすぎて
耳に届かない
くりかえし
聞き返した
くりかえし

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