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缶詰

9月になりました。
今年もあと4ヶ月、第4四半期のスタート。
スマホの写真アルバムを眺めると、ステイホームの期間があったこともあり、娘と犬の写真が大半でした。友人知人のInstagramも、家族との写真が多いような気がします。
デスクのカレンダーは、福岡のとある書店で買ったもの。9月は「あんみつ」。あんみつって、この時期のもの?考えていると、ラジオから防災の日の特集で、缶詰レシピの紹介をしていました。もしかして、この作者は今日9月1日にカレンダーのページをめくることを考えて、あんみつを書いたのか?もしくは、暑さが和らいで、かき氷じゃない何か涼しげなものを書いたのか?どうでもよくて、どうでもよくないことを考えながら、朝を過ごしました。

あんみつ、といえば、ぼくのこどものころは、缶詰め。フルーツみつ豆をよく食べてましたね。祖父が自衛隊を退官後、大阪の食料品卸の商社で働いていたからでしょう。(たぶん)検品でロスになった、少し凹んだり、ラベルに傷がついた「缶詰」が、祖父母宅のパントリーにたくさんあって、近所に住んでいたぼくは、3時のおやつに桃の缶詰めやフルーツみつ豆を食べるのが楽しみでした。フィークとスプーンをトングのようにして、お皿に取り分けていた光景が記憶に残ります。
小学校に入って、山口のお寺に引っ越してからも、昔のお供え物には、必ず「缶詰」ってありました。果物の盛り物の中に、パインや桃、みかんの缶詰・・・初盆のお参りに行って、果物の盛り物に缶詰めがあって、懐かしさを感じました。

ロックダウンになるかも、と言われていた2月。近所のスーパーに買い出しに行くと、歳は70代の方々でしょうか、みなさん保存の効くラーメンや乾麺、お米や飲料を、カートいっぱいに買ってらしゃいました。そしてかなりの確率でカートの中にあったのは、「みかんの缶詰」。青果のコーナーにいろいろ果物があるのに?って思っていましたが、このことをお盆のお参りの際にご門徒にお話すると、「急いで食べなくていいでしょ?」とおっしゃっていたのには、なるほど、と思ったわけでした。シロップに浸かったまま、容器にいれてラップをすれば、数日は食べられますもんね。

「缶詰」といえば、どこにも行かない、行けない状態のことを表す表現としても多用されます。この半年は、まさに「缶詰」な状態。缶詰のように、腐らず、美味しさが「キープ」できていたか?もしくはしっかり気持ちや考えが「熟成」できていたか?そろそろ「開封」の時期かもしれません。
缶詰に必要なのは、「缶切り」。左利きにとっては、結構やっかいな作業です。プルタブ式の、パッカンと開くものが主流ですが、缶切りで封切りするあの時間が、またワクワクしてましたね。そろそろぼくも、自分の缶詰を開ける時期ですが、その前に、缶切りをどこに置いたか探すべく、デスク周りの片付けをしてます。この半年の「残骸」が、結構溜まっています。

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