見出し画像

【詩】横顔のコラージュ

君の横顔は いつも違って見える
助手席で笑っている顔も
歩道を歩いているときの顔も
ソファで映画を見ているときの顔も
なぜか僕には 違って見える

八重歯がきらりと光ってる
その顔がかわいいと思う
でも なぜか
その日の夜には 忘れてしまう

思い出そうとしても
思い出せない
どんな顔だったっけ
と途方に暮れる

髪が長くて きれいだから
そっと触ってみる
君は〈何してんの〉とふてくされる
向かい合った 顔は
どうしてだか覚えているのに
横顔になると いつも
他人みたいに感じる

笑った顔
泣いた顔
戸惑った顔
驚いた顔
いろんな顔が
君の中で 混じり合ってる

僕はそれを 一つに決められない
向かい合った 顔は
写真みたいに焼きつくのに
横顔は
まるでコラージュだ

いつかひとつに 決められるだろうか
君の横顔を 思い出せるだろうか
その頃にはもう
僕らが 僕らの関係を
変えてしまっているだろうか

よろしければサポートいただけるとありがたいです。いただいたご支援は、画材や日々の生活の糧とさせていただきます。