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【詩】見比べて

彼の者と
自分を見比べて
どれだけ自分が
みすぼらしく
ちっぽけに見えたとしても
それはきっと
彼の者とて同じ気持ちに
違いない

彼の者もまた
誰かと自分とを
見比べて
おのれのことを
ちっぽけであると
感じているに違いない

それはそう
どちらも近くて
遠い者だから

近すぎて、見えず
遠すぎて、見えず

われわれは
自分の姿をまったく
認識できないでいる

そうしているうちに
私たちは
本当にちっぽけになってしまって
このままこの世界から
消えてしまいそうだ

そうならないために
少しずつ
ほんの少しずつ
私たちは
自分にできる精一杯の
背伸びを続けていく

もしご支援がいただけたら感謝感激雨あられです。