WHILLをROSを使って自律走行させる(その1:システム構成編)


自律走行用のWHILL

WHILLとは?

次世代型電動車椅子WHILLは、日本発の革新的な電動車椅子およびパーソナルモビリティデバイスのブランドです。 下記のような特徴を持つことで、多くのユーザーから支持を受けており、免許不要で誰でも気軽に乗ることができる近距離モビリティ(ラストOneマイル)として注目されています。

  1. デザイン
    WHILLの電動車椅子は、伝統的な車椅子やシニアカーとは異なり、モダンでスタイリッシュなデザインが特徴です。 このようなデザインは、ユーザーがよりアクティブになり、外出することを促進するとともに、従来の電動車椅子にありがちな「病院用」のイメージを排除します。

  2. 操作性
    WHILLの製品は、使いやすい操作パネルや、独自のオムニホイール(全方向に動くホイール)を採用しているため、非常に滑らかで、狭い場所でも容易に操作が可能です。

  3. 機動性
    WHILLの電動車椅子は、オフロードや不整地での使用も考慮されており、都市部だけでなく、アウトドアでの使用も念頭に置いて設計されています。

  4. カスタマイズ性
    色やデザインのカスタマイズ、さまざまなアクセサリーの追加など、ユーザーのニーズや好みに合わせてカスタマイズすることが可能です。

  5. 安全性
    ブレーキやライト、シートベルトなどの安全装置がしっかりと備わっており、ユーザーの安全を考慮して設計されています。

  6. 環境への配慮
    電動で動くため、環境への配慮も考慮されており、燃料を必要としないことからCO2排出もありません。

研究開発モデルWHILL Model CR2

研究開発モデルWHILL Model CRは、外部機器から入力信号を送信することで(通信方式:RS232C)、本体を制御することができます。
また、本体の情報(速度、加減速値、エンコーダー情報、加速度センサー値、コントローラー入力情報、バッテリー情報など)を取得することができ、自動走行、衝突回避、移動支援、自律走行などの分野の研究・事業プラットフォームとして活用できます。

  • 750,000円

  • 走行距離 16km ※路⾯状況などにより変化

  • 最高速度 6km/h

  • 段差乗越 5㎝

  • 登坂力 10度

  • 最小回転半径 760mm

  • サイズ(幅×長さ×高さ) 550×985×740-940mm

  • 重さ 約52kg

  • 充電時間 5時間

  • フロントタイヤ オムニホイール

  • リアタイヤ ノンパンクタイヤ

  • アーム 跳ね上げ式

  • 最大荷重 115kg

  • バッテリー リチウムイオン(25.2V 10.0Ah)

  • 使用環境** -15℃~40℃

  • 搭載センサ 加速度センサー、モーターエンコーダ

  • 接続端子 RS232C TX/RX

  • 通信方式 RS232C

  • 24* V (1A×3ピン), GND

ROSを使った自律走行に向けて


ポータブル電源

  • バッテリー容量 3.7V/80000mAh 296Wh

  • 電池のタイプ リチウムポリマー電池

  • DC 入力  19V 4.3A

  • TYPE-C 入力 5V/9V/12V/15V 3A; 20V 3.25A (PD 65W)

  • TYPE-C 出力 5V/9V/12V/15V 3A; 20V 5A (PD 100W)

  • USB-A 1/2 出力 5V/9V/12V 3A (QC3.0 18W)

  • AC 出力110V/60HZ/130W


  • 制御用PC  19V 3.5A 65W

  • Velodyne

  • Top-Urg用 12V1A

WHILLに搭載するPC

制御用PC

  • Ubuntu20.04

  • ROS Noetic

Lenov ThinkCentre M90n Nano
  • プロセッサー : インテル Core i7-8665U プロセッサー (1.90GHz8MB)

  • メモリー : 16GB PC4-21300 (オンボード)

WHILLと制御用PCの接続

WHILL Model CRはPCとのシリアル接続にJSTコネクタを使用します。そこで下記の図の通り、WHILL Model CRコネクタ変換ケーブルと市販のUSBシリアルケーブルを使い、WHILLと制御用PCを接続します。

WHILL Webサイトより


バッファロー USBシリアル変換ケーブル ブラックスケルトン 0.5m BSUSRC0705BS/N

緊急停止ボタン

ロボットを自律走行するためには危険防止のため緊急停止ボタンが必須です。
WHILL Model CRには標準で、緊急停止機能や、緊急停止ボタンのサポートがないので、本体と制御用PCを接続しているRS-232C(実際にはシリアルUSBアダプターでUSBに変換している)のRxD、TxDの双方をオンオフするボタンを作成して接続しました。

Q:WHILLに緊急停止機能を搭載したいのですが。
A:申し訳ありませんが、緊急停止機能や、緊急停止ボタンのサポートがございません。 ご参考までに、弊社では緊急停止ボタンの押下により、RS-232CのRxD、TxDの双方を分離する仕組みとすることで以上機能を搭載したことがございます。 参考情報としていただければと思います。

LiDAR(レーザレンジファインダー)

UTM-30LX(北陽)

  • 光でスキャニングしながら検出物までの距離を測定する二次元走査型の光距離センサです。

  • 高速データ出力タイプなのでサービスロボットの環境認識に活躍します。

  • 電源電圧DC12V。消費電流700mA以下。

  • 長距離30m、広視野270°の広範囲スキャン。

HOKUYO UTM-30LX

電源とスイッチ

12V1Aが必要です。
Top-URGにはスイッチがないので、モバイルバッテリーとTop-URGに間にUSB電源スイッチを付けます。

WHILLへの取り付け

取付ジグの設計図

HOKUYO UTM-30LXの取付

VLP-16(Velodyne Lidar社)

  • 三次元

  • 16チャンネル, 小型, 低消費電力

  • 100 m (328'01")

  • 9-18V 8W

WHILLへの取り付け

底面にある三脚用ネジ穴を使い、自由雲台を使いWHILLオプションのプラティークに接続しました。
Velodyne VLP-16と制御用PCはLANケーブルで接続します。


カメラ

PlayStation Eye

  • 640×480ピクセル (60fps)

  • 320×240ピクセル (120fps)

  • スタンダードビュー(56o)~ワイドアングルビュー(75o)

  • 4チャンネル アレイ式マイクロホン

スピーカー

モニタ用ディスプレイ

WHILLへの取り付け

取付ジグの設計図

完成形



前の記事

次の記事


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?