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【台湾のハイキングコース】百川山と巨人之手

台湾ではいくつものハイキングコースにチャレンジしていますが、唯一ハイキングの仲間に、もうこれ以上登れませんと、音を上げたコースがあります。それがこの百川山のハイキングコースです。

巨人之手

百川山は、台北ハイカーズクラブの活動で連れて行ってもらいました。台北からは車で2時間ほどかけて南下、苗栗と台中の県境辺りで高速道路を降りて山の中に入ります。さらに30分ほども進み、そこがこの百川山ハイキングコースの入り口です。

この入口に"巨人之手"と名前がつけられていることは、教えてもらって知っていましたが、それが一体何なのかは全く知らずに現地に来ました。ですが、その場所を一目見てなるほどと腑に落ちました。巨人を表現した顔と手足の彫刻が、地面からにょきっと生え出ているのです。胴体が全て土の中に埋もれているといった体でこの3つの要素だけで、巨大な人物像を表しています。
この様な彫刻は日本では見たことがなかったので、とても新鮮に思えました。

巨人が地面から這い出ようともがいているように見えます。
顔と手足だけで巨大さを表現するという
なかなかのアイデアです。

百川を遡上

このハイキングコースは、巨人之手から登山口にたどり着くまでが大変です。岩だらけの河岸を30分ほども遡ります。その際にも水に落ちかけたり、巨大な岩をまたぎながら、悪戦苦闘しなくてはなりません。百川山の登山口に着いた時点で、すでにかなり疲労していた状態でした。

この河は大きな石がゴロゴロ転がっています。
この河川敷を30分も遡ります。
水の流れも急でした。
大きな石は、こんなにもなります。
30分かけて、ようやく登山口にたどり着きました。

過酷な700mの上下行

このハイキングコースの概要は、登り5時間、下り3時間、戻るのは出発点ですので、登り下り共に700mとアナウンスされていました。台北ハイカーズクラブのハイキングコースは全部で難易度を5つに分けていて、このコースは難易度3、中級クラスでした。僕はそれまで難易度2のコースに3度ほど参加していて、そこまでは大丈夫と考え、一つレベルの高いコースにチャレンジしてみようと臨んでいました。

しかし、初動で体力を消耗した後に、5時間700mを登り続けるのは辛かった。途中で足がしびれ始め、しばらくすると足がつってしまい動けなくなってしまいました。リーダーの曽根さんに、もう歩けませんと伝えましたが、荷物を手分けして持とうとか、塩をなめれば足のしびれは治まるとか説得され、何とか歩き続けました。
しかし、その一時間後また足がつってしまい、再度隊列を止めてしまいました。この時も曽根さんに、コースを短縮するので最後まで一緒に歩こうと説得され、改めてスタートしました。

この時の山の様子は、あまりにも体力の消耗が激しかったので、よく覚えていません。写真を撮る余裕もありませんでした。覚えているのは登っても登っても終わりのないエンドレスの上り坂という印象です。通常のハイキングで総行程が4時間くらいで上り下りするところを、5時間登りっ放しというのがどれだけ大変なことか、初めて知りました。

谷間の両側にこの様に山が立ち上がっています。
次第に隊列から遅れ始めています。
常に傾斜の中を歩いて行きます。
一部、この様な断崖の脇を抜けていきました。

百川山登頂に成功

そのようにして、仲間に迷惑をかけながらも、何とか登り続けることができ、百川山山頂にまでたどり着くことができました。その時はもう疲労困憊で、地面の上にうずくまって、何もの食べ物が喉を通らない状態でした。体力の回復を待つだけでした。

この時までのハイキングは、登山というよりは物見遊山という感じで臨んでいましたが、本格的な登山は装備にしろ、体調を整えるための食べ物や薬等々、十分な備えをしなければ駄目だと教えてもらいました。

天気の良い日でしたので、
山を見下ろす景観はとてもきれいに見えました。
樹木の緑も綺麗に見えます。
ようやく百川山の登頂に成功しました。
リーダーの曽根さんのすぐ後を歩くことで、
隊列のペースを落としてもらいました。
ようやく百川まで戻ってきて、一安心です。
山の斜面の向こうに、中央山脈の山々が見えます。

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