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学生時代のヨーロッパ旅行(その十一、スウェーデンとデンマーク)

トゥルクを離れ、スカンジナビア半島にもどり、北欧ではストックホルムとコペンハーゲンを訪ねました。

ストックホルム

フィンランドで見た街並みは、全体に白っぽくて明るい感じでしたが、ストックホルムの印象は、とても重厚な古典的な街並みということでした。これは建物自体に歴史があるのでしょうね。

この国はヨーロッパの中でも、独自の外交/軍事路線をとる強国であると聞いています。戦闘機も自国で開発しているし、自動車産業も独自に持っています。第二次世界大戦の際も、ナチス側にもイギリス/アメリカ側にもつかず、中立国の立場をずっと持ち続けた。その様な大国であることを感じました。

国会議事堂

スウェーデンでは、途中の街には寄らず、デンマークに直行しました。帰りのフェリーはトラブルはなく、スムーズにコペンハーゲンに入りました。

コペンハーゲン

コペンハーゲンの街は、ストックホルムと比べると建物の大きさが低いからでしょう、とても親しみやすいヒューマンスケールの街並みと感じました。
また、海に近しい高低差のない場所なのでしょう、とても平らな土地と感じました。そこにとても多くの運河が作られ、水辺の公園と商家であったであろう間口の小さな建物が立ち並んでいる様子が、ストックホルムとは違いました。

ブラックダイアモンド

コペンハーゲンで印象的だった建物があります。ブラックダイアモンドと呼ばれるデンマーク王立図書館です。水辺に立つ黒い多面体の外観、ここからその様な愛称で呼ばれるのでしょうが、僕が感動したのはその蔵書群です。
この建物では、図書館のスペースに観光客でも自由に入れる様に管理されていました。ですので、コペンハーゲンの歴史に関わる古い書籍が書棚いっぱいに置かれています。日本では江戸時代の書籍などというものは、紐閉じをした簡易的な装丁ですが、この図書館で見たものはハードカバーの表裏をつけて、背表紙もある立派なものでした。歴史好きなもので、これらの書籍群は宝の山のように見え、それが目の前に数限りなく置いてあることにとても感動しました。ただし、恐れ多くて触ることもできませんでした。

北欧のこれらの都市は、北海を通じてそれぞれ繋がっていて、海運を主体にして発展してきたのでしょうね。ヨーロッパの水の都市というとヴェネツィアやアムステルダムが有名ですが、ストックホルムもコペンハーゲンも、いずれも海に面した海運と運河の街です。その様な歴史的発展を基礎とした街なのだという印象を持ちました。
そして、それらの都市を国際列車の通る鉄道で繋いでいるというのが、日本の状況と異なっています。国と国の関係がとても近いという感想を持ちました。

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