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わさびは、刺激とにおいをわけて考える

わさびのにおい。
あのツーンとくる刺激は、においなのか?
ふつうは、「わさびのツーンとくるあのにおい」と表現しがち。
しかし、ツーンは、においなのか問題。

わさびには、においがありますが、あのツーンはにおいではありません。
音の和音とおんなじ感覚です。
別の受容体とよばれる感覚を受け取る場所でそれぞれ受け取って、脳は同時に感じます。
音の和音と一緒。においとツーンという刺激のハーモニー。

バラエティー番組、大盛りワサビのロシアンルーレット、あれは刺激の方が強いハーモニー(^^)

わさびのにおいを確認するにはどうすればいいのか?

それは、簡単。口の中で確認しなければいいのです。
簡単に確かめる方法は、すりおろしわさびを小皿にとり、においを嗅ぐ。
残念ながら、刺激成分は揮発せいがあるので、少しツーンと感じる所はありますが、口の中で感じる刺激よりは断然少ない。

においを感じたければ、感覚をわけなさい。

わさびなら小皿に取り分けてから、においを嗅ぐだけでわかります。
さらに少し温度を低くしてあげるとツーンくる刺激成分(略してツーン成分!)は揮発しにくくなります。
においもやや出にくくなりますが、ツーン成分が弱くなります。

においだと思っていたものが実は、同時に感じている別の刺激だった。

調香師はこの現象を利用して、香りを創ります。
ちょっとしただましのテクニック。

鼻に刺激のある成分を使って、清涼感を出します。
わかりやすいのは、ミントのひんやり成分、エル・メントールを意図的に入れて、みかんやレモンなどの柑橘系の香りをさわやかさアップ!
演出成分として使います。
ひんやり感で、さわやか感を演出するのです。

調香師は、においのマジシャン!

たとえだまされても、盗られるものはありません。
満足感が得られます(^^)

#エッセイ #コラム #におい #調香師 #わさび  


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