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【原始仏教】十大弟子 釈尊の帰郷

○釈尊の十大弟子
①舎利弗(舎利子)
 巴語:サーリプッタ、梵語:シャーリプトラ
 称号:智慧第一
②摩訶目犍連(目連)
 巴語:マハーモッガラーナ、梵語:マハーマウドガリヤーヤナ
 称号:神通第一
③摩訶迦葉
 巴語:マハーカッサパ、梵語:マハーカーシャパ
 称号:頭蛇第一
④須菩提
 巴語:スブーティ、梵語:スブーティ
 称号:解空第一
⑤富楼那
 巴語:プンナ・マンターニープッタ、梵語:プールナ・マイトラーヤニープトラ
 称号:説法第一
⑥摩訶迦旃延
 巴語:マハーカッチャーナ、梵語:マハーカートゥヤーヤナ
 称号:論議第一
⑦阿那律
 巴語:アヌルッダ、梵語:アニルッダ
 称号:天眼第一
⑧優波離
 巴語:ウパーリ、梵語:ウパーリ
 称号:持律第一
⑨羅睺羅
 巴語:ラーフラ、梵語:ラーフラ
 称号:密行第一
⑩阿難陀
 巴語:アーナンダ、梵語:アーナンダ
 称号:多聞第一

○釈尊の帰郷
釈尊が成道後、最初の安居(雨期の三カ月)をもったのはサールナートであったとされます。それを済ませてウルヴェーラーに行って、三カ月間滞在し、次いでラージャガハに入って二ケ月間止住しました。それから二ケ月を要して故郷カピラヴァッツに到着したと言われます(ただし、成道後6~12年を経てから故郷へ戻ったとする説もあります)。
翌第二日目になって異母弟ナンダが出家、そして第七日目に欲深き大人達に唆された実子ラーフラが『道の人よ、私に王家の財産を下さい。」と懇願しながら釈尊の後を付き従ってきたので、釈尊はラーフラを城に帰さないで、シャーリプトラとモッガラーナにラーフラを出家させました。この時、父王シュッドーダナと乳母ゴータミーは在家の信者として聖者の流れに入っており、父親シュッドーダナは釈尊の元で出家を懇願するが、断られています。ゴータミー妃も既に出家への強い意志を持っていましたが、この頃はまだ女性出家者(比丘尼)がいなかったこともあり、彼女は釈尊へその意志を伝えられないままであったようです。また、妻ヤショーダラが信者となり、従弟のアーナンダ、そして理髪師のウパーリが出家したといわれます。ゴータミー妃とヤショーダラ妃が比丘尼となるのはまだ先の話になります。

○僧団の一年
当時のインド北部の大まかな季節として、4月~5月が暑季、6月~9月が雨季、10月~3月が乾季となります。乾季のうち、11月~1月が寒季です。雨季に僧団は1カ所に滞在し、外出を禁じて集団の修行生活を送りましたが、それ以外は1カ所に留まらずに遊行することになっていました。また、安居の締めくくりには自恣という告白の儀式が行われ、僧侶たちが公に戒律違反を告白し、罪を懺悔します。

釈尊:
「比丘たちよ、遊行しなさい。多くの人々の利益のため、多くの人々の安楽のため、世界への憐みのため、人・天の目的のため、利益のため、安楽のためにです。二人が一緒になって行ってはなりません。比丘たちよ、初めもよく、中間もよく、終わりもよい。内容もよく、形式もよい、完全無欠で、清浄な法を示しなさい。梵行を明らかにしなさい。」