『水の感情と映画の夢』

夢を見た
2019.7.23

「水にも感情がある」というのをTwitterで読んだ。
ツイートのリプライ欄で、それを表現した古いSF?ゾンビ?映画があることを知り、観てみようと思った。

(映画を観ているつもりではあったけれど、気付けば私はその映画の登場人物になっていたのかもしれない)

映画の内容はこうだ。
超能力も使えてやけに強い女の人と、とても耳の良い女の人が、荒廃した街の中を歩いている。
強い人は狼と行動してたけど、どこかの飼い犬らしき柴犬?が近付いてくる
彼女は狼の歯をなで、その手で犬の歯をなでた。
すると、健康だったはずの犬がゾンビ化してしまう。
どうやら狼はゾンビのウイルスを持っているようだ。

なぜ彼女がその犬をゾンビにしたのか分からない。
何かの実験だったのか?
彼女はどういう立場の人間なんだろう?
彼女が犬に向ける視線はとても愛情深いもので、もしかしたら彼は彼女自身の飼い犬なのかもしれない。

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場面変わって、耳の良い女の人と2人で車に乗る。
しかしこの車、随分古くてエンジンがない。
ガワは車だけど、実際は自転車みたいに漕いで進むもの。
サイクリングセンターに、こんな乗り物があったような。

古い映画だし、当時の車はこうだったんだなぁ……と思った。

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車を降りて、コンクリートの建物に立ち寄る。
地下があるようで、ときおり足元にある亀裂の隙間から空間が見える。

耳の良い女の人が、
「人間が食事をする音が聞こえる」
というので、亀裂をよく見てみた。
すると、どこからかバスが走ってきて亀裂の下を通り過ぎていく。
そのバスは避難民が乗っているもので、子供の割合が高いようだ。

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ここから、しばらく女性二人は出てこなくなり視点がバス内部の話に変わる。

世界が荒廃して、深刻なのは食糧問題だった。
バスは途中、道の端で生き絶えている柴犬を見つける。
確か、映画の序盤で女性がゾンビにさせた犬だ。
バスの面々はもちろんそんなことは知らず、この犬を食糧として、可食部位だけ切り取っていった。
(人間のゾンビが一向に現れないため、もしかしたらゾンビウイルスは人間には影響しないのかもしれない)
酷く飢えていた者は、簡単に調理した少量の肉をバス車内で食してしのいだ。
バスはあちこちに深い亀裂のある建物内を横断しながら、雨風をしのげる場所求めて走っていく。

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その後、打ち捨てられた教会を見つけて全員で中へ入る。
本格的に食事をしようということで、各々が必要な準備に取り掛かる。
子供たちの中には、テレパシーが使える双子の姉妹がいた。
その姉は料理の準備をしていたが、妹の身に何かあったのか、いきなり慌てた様子で外へ飛び出していく。

外で妹を襲っているのは、強い意志を持つ木の枝だった。

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視点が女性二人に戻る。
走り過ぎてったバスを探して道を進んでいたところ、強い女性が何かに気付く。
近付くとそれは胴を抉られた犬だった。
彼女はそれを見て静かに泣きながら、きっと誰かの役に立ったのだなと安堵していた。
犬を埋葬し、簡単な墓を作り、また旅路へと戻る。
(彼女が何のためにゾンビウイルスを与えたのか、何の実験を担っているのかは、映画を最後まで観ても結局わからない)

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しばらく進むと小さな教会が見える。
耳の良い女性は、複数の人間がその中にいると指摘。
中へ入ってみる二人。
そこにいるのは、見たところ先ほどのバスに乗っていた生存者たちだった。
しかし物々しい雰囲気で、今にも飛び出さんとしている少女を周囲の人がなだめ押さえている。
話を聞くと、少女の双子の妹が動く木の枝にさらわれたが、今もまだ生きていると分かっているから助けに行くのだ……ということだった。
内容をおおかた聞き終えた強い女性は静かに外へと出て行く。

外では再度、木の枝が教会に迫ってきていた。
さらわれた少女の姿も見える。もっとたくさんの人をさらって、養分にするつもりだろう。
すぐさま戦闘が始まったが、女性はその強さで枝を圧倒し、少女を助け出した。
しかし手応えはなく、木の枝はうねうねと動き続ける(本体をへし折らないとダメらしい)。
それに気付いた女性は目にも留まらぬ速さで、枝の攻撃をかいくぐりながら本体まで近付く。
本体は枝を動かして激しく抵抗しようとするも、太い幹を根本から折られ、ようやく停止した。

重い音を立てながら倒れた大木の下で、押しつぶされた水たちが苦しんでいた。

■ そこで映画が終わる