『お米を買う夢』

夢を見た
体調を崩して、朝から晩まで寝ている昼に見た夢だった

私の実家に、継母の顔馴染みでいつも仕事を依頼してくれるロシア人の女性が来る。
私はロシア語が出来ないし、継母を通して仕事を受けていてほとんど会ったことがない。
だから夢の中では彼女の容姿が、どれくらい似て再現されていたか分からない。
ただ、目の前にいる人が彼女だという事実だけ分かっていた。

私は夕飯のために、炊飯器の釜を持って、知らない玄関から外へ出る。
お米を三合、買いに行くのだ。
まるでいつもそうしてきたみたいに精米店へ入り、慣れた手つきで店内の樽から米を三合掬う。
それを炊飯ジャーに入れたら、備え付けの水道で洗っては水を流す……というのを繰り返した。
白く濁ったとぎ汁が、手の表面をやわらかに流れていく。

ふと
「これって、お米を買って家で洗えば良いんじゃないだろうか。」
と考える。
「量り売りなのに、ここで洗っちゃったら水を含んで重たくなった米になるから、高くついちゃうよね。」
なんてことも考えていた。

レジに行くと、お姉さんが量ってくれた料金を支払う。
持ち帰る準備をするから、といって整理券を渡される。
じゃあベンチに座って待っていようかな……。
レジに背を向けて歩き出したとき、急にお姉さんに声をかけられたので振り返ってみると、私じゃなくて次のお客さんに話しているだけ……。
ちょっと恥ずかしい気持ちになったものの、こういうリアルなシチュエーションが、良くできた夢だなぁと思いながら座った。

お米を購入して帰路につくとき、中学の友人に会って少し話をした。
それから家に帰ったら、キッチンの棚に自由帳のようなものが置かれていた。
あるいは粘土セットのようなものだったかも。
パッケージにはロシア語が書かれているから、これは何かと継母に尋ねると、私へのプレゼントだそうだ。

嬉しく思いながら、私は精米店で買ってきたお米と炊飯ジャーをそのまま炊飯器に入れて炊いた。
ちゃんとしたお店のお米って、やっぱり美味しいものなんだなぁ。