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【ヘルスケア】健康寿命と「社会とのつながり」 未病と予防が健康推進都市としての必須要素に。

夜でもヒルタです。「しあわせな+1時間を。岡崎市」を目指して活動しています。自分の使いたいように、自由に使える時間があることが「しあわせ」につながると信じています、家族との時間・学び直し・まちづくり活動・趣味や休息等。そうした時間を住民が毎日+1時間得られるまちをつくる。

私、晝田浩一郎は、健康やヘルスケアの考え方で好きな考え方があります。「健康寿命」という考え方です。

健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことをいい、2019(令和元)年の健康寿命は男性72.68歳、女性75.38歳となっています

厚生労働省「e-ヘルスネット
厚生労働省「e-ヘルスネット」

健康日本21(第二次)」や「健康寿命をのばしましょう。」をスローガンとする国民運動「スマート・ライフ・プロジェクト」[3]、「健康寿命延伸プラン」などでは、健康寿命の延伸が強調されがちですが、もう一つの目標は平均寿命との差の縮小であることを忘れてはなりません

厚生労働省「e-ヘルスネット」

健康寿命の延伸を目指す

健康寿命の延伸とは、いわゆる「ピンピンコロリ」を目指したものです。

ピンピンコロリとは、健康寿命の長さを言い表した表現で、「病気に苦しむことなく、元気に長生きし、最後は寝込まずにコロリと死ぬこと、または、そのように死のう」という標語

Wikipedia「ピンピンコロリ」

認知症やフレイルの後に寝たきりになってしまったり、介護レベルが高い方がたくさんいる状態を避けるためでもあります。こういう状況になる方が悪いわけではないです、しっかりとそうしたケアを進めていく必要はある。しかし、少子高齢化があまりにも進んでおり、これまでのように「病気になったら治療する」ことがどんどんと難しくなってきます。

だからこそ、病気になる前に予防する、未病を増やすといったことが今後ますます求められてきます。病院やクリニックで働く方の人手不足も同時に社会課題としてあります。このダブルパンチを避けるためにも、治療にかかる人を少しでも減らしていきたい。私自身もそう考えていますし、そのような取り組みを進めている自治体も増えてきています。

ナッジを利用した健康増進

有名な事例ですが、ナッジを活用した仕掛けもあります。「仕掛学」としても知られているかもしれません。

ナッジとは…
人々が行動を選択するときのくせ(惰性・バイアスなど)を理解して、 強制することなく、 人々が望ましい行動を選択するように導くアプローチ

厚生労働省「ナッジ理論等の行動科学を活用した健康づくりの手法について -具体的事例を交えて-」

例えば、上記のような取り組みです!

「北風と太陽」をイメージしてもらえればと思うんですけど、「病院いけ! 検診受けろ!!」って北風のようにどんだけやったとしてもダメなわけです。受診率は向上しない。そこで太陽のようにジワジワと自分からマントを脱ぐようなことが必要。それがナッジ。

岡崎市の状況を考えてみる

地方都市、岡崎市は約38万人の人口がいます。
下記の資料からすると地方都市として、医療や介護の余裕が全然ないことがわかります。「岡崎(愛知)」は左下に位置づいています。

国際医療福祉大学大学院教授 高橋 泰「全国各地の医療・介護の余力を評価する」

厚生労働省の『令和元(2019)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況』をで人高10万対病床数の「病院」や「一般病床」でみてみると、岡崎市が最下位となっています。

厚生労働省『令和元(2019)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況』を著者の方で並び替え

中核市のなかでの順位で、ほかのまちと比べて医療の充実度は実は高くないことが明らかになっています。医療の充実が今後求められるなかで岡崎市の状況は「余裕がない」ことが明らかです。

なぜ余裕がないのか、を考察する

「余裕がある」方が良いと私も考えています。なぜ、こういう状況になっているかを考えてみる必要はあります。

病院・クリニックの数が少ないのは?

そもそも需要と供給といった経済的なところは大前提としてあります。人口が少なくなってきているところに大規模な設備投資をして病院をつくる、という方は多くないのが実情です。『Dr.コトー診療所』を、極端な例ですが考えてみればわかりやすいかもしれません。

行政として、都市計画図で都市誘導も図っていますが原則開発ができない市街化調整区域であったとしても病院は建設することは可能です。詳細は下記のサイトがわかりやすのでご参照ください。


開業しようとした時に、相談や「お伺い」をたてた時に、これまでの歴史から考えると「ここにはXXXX病院があるからなぁ……ここで開業するとまずいかもなぁ……ちょっとズラしたところにしておくか……」といったことも長い年月のなかではあったと思われます。

介護の余裕がないのは?

岡崎市(愛知県)も、刈谷市(愛知県)も、豊田市(愛知県)も「介護に余裕がない」となっていることがわかります。

国際医療福祉大学大学院教授 高橋 泰「全国各地の医療・介護の余力を評価する」

このまちに共通することはなんでしょうか。どんなライフスタイルや家族のかたちがあるでしょうか。まちとして、財政的にとても豊かなまちでなぜ余裕がないとなっているのでしょうか。

共通することのひとつは、「豊かさ」です。自動車関連会社に務め、夫が自動車系で働き、妻が専業主婦といったかたちがこの地域には昔から多くありました。

また、介護のスタッフとして働く方の男女比は、ざっくりですが、男:女=2:8の状況です。

男女平等はとても重要ですが、事実として、介護業界には女性が中心となって活躍しています。つまり、豊かだからこそ他市では介護業界での働き手として活躍しているである女性たちが専業主婦であり、スタッフがいない。供給することが難しいから「介護に余裕がない」といったデータになっていると考察できます

世界と比較してみる。

厚生労働省『病床の国際比較』によると、圧倒的に日本は病床数が多い。1000人あたり病床数は、アメリカの約4倍、ドイツの約1.5倍あります。

トータルの病床数でみると桁が違う。単純な病床数は人口規模が異なるので1000人当たりでみた方が比較しやすいですね。

厚生労働省『病床の国際比較』

日本は、海外の先進国と比較するとめちゃくちゃ病床数がある。入院しようとしたら入院することができる。事実として、「病気になったら病院にいこう!」ということで、国民皆保険が1961年に開始されて52年かけてつくってきた医療神話。誰でも病院にかかれる仕組みです。とてもきめの細かい医療で仕組み化は成功しています。

事実、岡崎市のとある病院の方とお話をしたときに「地元の人たちは『健康診断なんか、一回も受けたことないわーーー!!』という人ばかりだ。ガンが色んなところに転移して、自覚症状が出てから病院にいくがどうすることもできない……」とおっしゃられていました。

早期発見や定期的な検診を住民一人ひとりが当たり前に受信できる意識につなげていくことがなによりも重要だとも感じました。

少子高齢化が進む中で、「病気になってから病院にかかればいい」といった国民皆保険の良さがもたらした考え方や意識を変えていく必要があります。経済成長が常に右肩上がりの人口ボーナスがあった頃とは異なり、いままでのやり方で財政として持続可能なのか。このままで命を守り続けることができるかを考え続ける必要があります。人口ボーナスから人口オーナスになった現状に合わせる必要があります。

病気になる前の予防・未病を目指した健康都市

病床数を増やす、病院を増やすことはとてもハードルが高いです。働いてくれるスタッフの人手不足があるからこそ、少子高齢化時代には難しいです。

「病院を建てたい!!この地域を守るんだ!!」という強い意志と気持ちを持った病院の方がいるならば、自治体としてもある程度のサポートは個人病院だったとしても必要だとおもいます。地域医療の観点からも、いくら未病・予防が行き届いたとしても、病院は必要だからです。

しかし、前段にも書いたように「健康診断なんか言ったことないわーーー!」と健康診断を受けない人を少しでも減らし、毎年の健康診断の受診勧奨や未病・予防が今後は重要です。

時間とお金をかけた予防・未病じゃなくても、個人の一人ひとりが実施できることはたくさんあります。先般、私が実施したピロリ菌のチェックもその一つです。

岡崎市にもたくさんのジムができていますし、パーソナルトレーニングジムもあります。そうしたジムで健康管理をしていく。高齢者向けの「岡崎ごまんぞく体操」を定期的に実施しているボランティア団体もあります。

岡崎市に限らず、フレイル対策や地域コミュニティ活性化を目指したこうした取り組みに参加していける環境をつくる。そうしたところに参加することが、「しあわせな+1時間を」得ることになると信じています。

「社会とのつながり」が一番の健康増進

健康寿命の延伸や「健康」に最も影響を与えることは、「社会とのつながり」であると論文で証明されています。タバコを吸う、アルコール・お酒を飲むことなど以上に、社会とのつながりがあるかどうかが健康寿命に大きな影響を与えています。

長生きの秘訣…「つながり」があることなんです。

本当にーーー???って思う方は以下の論文をご参照ください。
BerkmanLF,SymeSL.Am.J.Epidemiol.(1979)109(2):186-204

Social Relationships and Mortality Risk: A Meta-analytic Review(Julianne Holt-Lunstad,Timothy B.Smith,J.Bradley Layton,2010)


何度もいいますが、病気やケガの対応として病院やクリニックは必要です。今後の健康増進のためにも、病院は必要不可欠なまちの要素です。

合わせて、持続可能な体制とするためにも未病・予防を促進することが今後のまちづくりには必要不可欠な要素です。「健康」に大きな影響を与える「社会とのつながり」をつくっていく。場や機会が増えることで「しあわせな+1時間を」住民が得ることができることにもなっていきます。

さぁ、共創だ!

サポートありがとうございます! プレッシャーいただけたと感じてがんばっていきます!!