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朝ドラ『らんまん』ありがとう!牧野先生の植物図&植物標本も展示されてた「練馬区立美術館コレクション+ 植物と歩く」 〜2023年夏の思い出その4〜


NHK朝ドラらんまん』。
植物学者、牧野富太郎をモデルとして制作された作品。

朝なのに、もう明日の朝が待ち遠しくなる朝ドラが終わってしまいました。途中脱落しなかった朝ドラは久々で、登場人物のみなが愛おしく、明るく前向きな台詞に心打たれ、浜辺美波ちゃんの可愛さ(美しさ)に癒された毎日でした。(完全に美波ちゃんロス)

このドラマのおかげで、牧野富太郎関連の展示やイベントが、ゆかりある土地で開催されていました。その中のひとつ、牧野先生が晩年を過ごした練馬での展覧会へ、8月の中旬に行ってきました。(もう終わってます、すんません)




東京都内に公立の美術館は多々ありますが、練馬区立美術館の展覧会はどれも好(高)評価で、ずっと行きたいと思っていた美術館です。今回が初来館、やっと行けました。(大田区から練馬区は行きにくいの)

「植物と歩く」では、牧野先生の植物画や植物標本が展示されるとあったので、朝ドラ人気で混んでいるのでは、、、と心配したのですが、お盆だったこともあり、そんなに混むこともなく、ゆっくり鑑賞することができました。

お盆で都内の道路が空いていたので45分で到着!
(普段は1時間半ぐらいかかる)


室内の巨大ポスター


プロローグ 植物の観察

会場に入ってすぐ、牧野先生の植物画『大日本植物志』から始まりました。ここはさすがに人が溜まりました。技法は「石版印刷」とのこと。まさにドラマで知った技法です。その植物画は無駄がなく、丁寧で冷静でした。ただ「おおっ?!」って言ってしまうぐらい細い部分まで書き込まれていて、こちらは冷静ではいられませんでした。牧野先生が作った植物標本もあり、「つかみはOK!」な感じです。(古っ)

次に並んでいたのが、江戸時代の植物図譜を大正時代に刷りなおした『本草図譜』。山草部、香木部、果部などといった「部」に分かれていて、見開き1ページづつの展示なんですが、他のページが見たくなるほど、個人的にツボでした。植物がどことなく可愛くて、構図がなんともオシャレ。余白の取り方とかも、琳派っぽいと言うか。江戸時代のデザインって、どうして古くならないんでしょう?これは今の時代にも刷りなおしてほしいです。ほしすぎて調べたらデータベースが出てきました。


「観察」がテーマなので、東日本大震災後の植物の様子を描く、倉科光子さん(作品集購入)などの作品も展示されていました。


第1章 花のうつろい

ここからが本格的な「練馬区立美術館コレクション」です。花が描かれている共通性で繋げらた、油画、日本画、銅版画、彫刻といった、多様なスタイルの作品が展示されています。本当にいろいろあるなぁ、と鑑賞していたら、
「こちらにも、、、」
と、美術館の案内の方に上を指されました。そこに1枚の、小さな赤い花びららしきものが。

須田悦弘さんの『ベルリン』という作品でした。展示パネルの上の方、人が手を伸ばせない、でも見える位置にそっとありました。教えてもらわなかったら素通りでした。たぶん、ピンで留めてあるんだろうなぁと思ったんですが、案内の方に
「留める専門の学芸員さんとか、いらっしゃるんですか?」聞くと、
作家さんが留めに来られてるみたいですよ、毎回。。。」とのこと。
おお、、、そうなんですね。展示裏の話が聞けて楽しかったです。


第2章 雑草の夜

看板やチケット、図録の表紙にも使用されているこの作品が、どどーんと展示されていました。そしてこの章のタイトルとなった平澤熊一さんの作品も、、、

あり?データベース、『雑草の庭』てなってる。。。(2023年9月末現在)
でも作品名英文表記が、『Night od Weeds』ってなってるんで、なんでしょうね。

他にも月光に照らされた植物根の版画もありました。渡辺千尋さんの『月光』、こちらは練馬区立美術館のデータベースに画像がなかったので、独立行政法人国立美術館のデータベースを貼っておきます。かっこよかったです。

いやぁ、作品のセレクトが、なんとも楽しい。


第3章 木と人をめぐる物語

この章では木を運ぶ人や、木工をする人など、人の生活と切り離せない「木」を描いた作品が並んでいました。また木は、動物の住処にもなっていることもあり、竹原嘲風さんの『豊秋禽喜』という、めっちゃ大きな作品が展示されていました。

サイズは 267.0 × 176.0cm。圧巻でした。見入っちゃいました。

この章の最後は大小島真木さんという、最近の作家さんの作品でした。一見すると少々グロくもあるんですが、独特の世界観でエネルギーがありました。


エピローグ まだ見ぬ植物

今まで地上に出ていた植物が描かれていたんですが、ここではまだ見えない、「地中(土)」であったり、「種」みたいなところにスポットがあたっているとのことでした。ここは流石に、ちょっと想像を膨らませる、と言うか、考えなくては理解が難しかったです。まぁ、ここまでがわかりやすすぎたので。。。

今回のテーマ「植物」は、誰もが一度は、それは幼稚園のお絵かき、または小学校の図工や中学校の美術の授業で、必ず描いたことのある題材だと思います。それを思うと植物テーマの作品は身近で、鑑賞のハードルも高くなく、さすが区立の館だなぁと思いました。また「〜と歩く」という表現もより身近に感じて素敵。

それにしても、コレクションの幅の広さよ、、、7000点を超える数らしいですが、それらを管理して、毎回来館者を満足させる展覧会を開催している学芸員さんのお仕事っぷりを体感でき、とっても満足でした。



余談、
朝ドラが素敵すぎたので、芸術新潮の7月号を購入していました。

梨木香歩さんと田中純子さん(練馬区立牧野記念庭園学芸員)の対談の記事が面白かったです。(ドラマとちょいちょい違うくて)
ネットの情報などでなんとなく知ってましたが、実際の牧野先生はいろいろあったみたいですね。自伝とかも出しておられるし、明治、大正、昭和という時代もあってのお人柄でしょうか。

ドラマが美しく素敵な終わり方で、ほんとよかったです。。。


私が見た最近の植物、今年の夏も暑かったねぇ、、
向日葵さん、お疲れ様でした

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